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製作家/商品名 カルロス・ホアン・ブスキエール  Carlos Juan Busquiel演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. Tradicional No.135
001_003_Busquiel_1_02_221
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain 
製作年 Year 2021年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:アレッシー
ナット、サドル:牛骨
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.9mm

[製作家情報]
1980年生まれ。スペイン、アリカンテに工房を構える製作家。12歳よりギターを弾き始め、大学ではヴァイオリンを専攻、その後独学でヴァイオリン製作をしていたころにギター製作家のラファエル・ロペス・ポルラスと出会い、本格的にギター製作を学び始めます。そしてジョアン・ペリッサらが主宰した古楽器のセミナーでの名匠ホセ・ルイス・ロマニリョスとの交流から、スペインの伝統的な工法に基づいたギターの魅力に取りつかれ、以後はアントニオ・デ・トーレスを規範とする純粋なスパニッシュギターの製作に専念します。その後もロマニリョスからの多くのアドバイスにより、トーレス以降の名工達(アリアス、ラミレス、ガルシア、シンプリシオ等)の研究を深めてゆく過程で、自らのオリジナル性も同時に追求してゆきます。

彼のギターはトーレスから始まる19世紀から20世紀前半のスパニッシュギターの伝統を規範とし尊重しながらも、そこに現代の音の嗜好と演奏性におけるニーズに対して柔軟に応えた要素をさりげなく加味したもので、幅広い弾き手にアピールできる柔軟さを備えたものとなっています。

[楽器情報]
カルロス・ホアン・ブスキエール トラディショナルモデル2021年製の中古です。
現在4種ある彼のラインナップの中で最もスタンダードなモデル。トーレスレプリカとなる「La Leona」、そしてより音量の増大を指向した「Concerto」 モデルなどがありますが、その中ではやはりこの「Tradicional」が彼の個性と素養とが最も無理なく融合したモデルとなっています。ヘッドシェイプはトーレスですが、内部構造は計6本の扇状力木がセンターの1本を境に高音側に3本、低音側に2本配されており、ボトム部に短い2本のクロージングバー、ブリッジ位置にはパッチ板が貼られているという配置。伝統的ながら、細かな部分に彼自身の工夫も感じさせる構造になっています。表面板はかなり薄く加工してあり、これはスペインヴィンテージのギターを参考にした設定でしょう。レゾナンスはGに設定。非常にヴィヴィッドで明るい発音。やや乾いた感触の響きはかのグラナダの名工たちをも想起させます。

プレイヤー目線での演奏性に対するこだわりもある彼ならではの、握りやすいDシェイプのネック。ネック自体のセッティングも良く、全体に弾き易いモデルになっています。ただし弦の張りは強めでブリッジ弦穴はダブルホール仕様のため、柔らかめのテンション感を楽しみたい方は弦穴をワンホールでの通常の巻き方で弦を装着するのをおすすめします。全体はセラックの丁寧な仕上げ、糸巻きはアレッシーを装着しています。

表面板のサウンドホールとブリッジとの間、弦の張ってある範囲に演奏時によるものと思われる1~3センチほどの傷が数か所あります。また薄く加工された表面板はブリッジ下からボトム部にかけてがほんの若干膨らみがありますが、適切な環境下であれば今後の使用、演奏には問題ございません。






定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 マヌエル・カセレス Manuel Caceres演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. オリジナルモデル
001_003_caceres_02_210_01
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2010年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.5mm

〔製作家情報〕
1947年スペイン、バダホス生まれ。1963年にホセ・ラミレス3世の工房に入り、当時の職工長であったパウリーノ・ベルナベのもと研鑽を積みながら、やがて「MC」のスタンプで同ブランドの最上位機種である1Aの製作を任されるようになり、当時の人気スタンプとなります(現在も中古市場では当時のMCスタンプのラミレスは人気のアイテムとなっています)。1978年にラミレス工房を出た後に独立。また同時期より同じマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスとの共同作業的な親交が始まります。これがカセレスのギター製作に大きな影響を与えることになり、アルカンヘルが2011年に引退した後、その唯一直系の製作家として、また最もマドリッドらしい作風を継承した製作家として人気を博していましたが、2018年に工房を閉鎖し一旦引退。現在はわずかに受注での製作のみとなっており、新作が極めて貴重なブランドとなっています。

カセレスのギターはオリジナルのラベルとデザインによるものと、アルカンヘル工房品として「Para casa Arcangel Fernandez」のラベルを貼って出荷されているものとがあり、後者は基本的にアルカンヘルの監修による仕様に準拠していますが、オリジナルラベルによるモデルは内部構造からヘッドシェイプ、細部の仕様からラベルデザインに至るまでいくつかのタイプがあり、音色の傾向もそれぞれ異なり、個性的なものになっています。


[楽器情報]
マヌエル・カセレス 2010年製のオリジナルラベルによる1本で、ちょうど同時期にアウラショップカスタムとして製作されるアルカンヘルモデルとは異なり、ヘッドデザイン等もカセレスオリジナルもの。しかしながら内部構造から音響に至るまでやはりアルカンヘル的工法に準拠しており、サントス(・エルナンデス)~バルベロ1世~アルカンヘルという偉大なる系譜に連なるものとして十全の仕上がりを見せる、優れたギターとなっています。

アルカンヘルの強い粘りを持ったいかにも重厚な響きと比較して、カセレスのギターは発音により素直なレスポンスがあり、それでいてマドリッド的な濃密な表情を湛えた音色であるところにひとつ魅力があると言えるでしょう。単音、和音ともに雑味なく、しかし深く、豊か音量も備えているところはスペインギターならでは。そしてカセレスのギターにはどこか独特の上品さがあり、それは曲を演奏した時に、優婉さからたくましさまでも表出しうる類まれな表現力となって顕れています。

内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、扇状力木はセンターに配された一本を境にして低音側に2本、高音側に3本の合計7本が表面板の中央に寄り添うように配置され、それらの先端をボトム部で受け止める2本のハの字型のクロージングバー、ブリッジプレート位置には表面板の横幅いっぱいにやや厚みを持ったプレートが貼られているという構造で、アルカンヘルのクラシックモデルを踏襲したような仕様。表面板と横板の接着部分に貼り付けられるペオネスに至る細部まで実に丁寧に、綺麗な仕事がされており、彼の職人としての矜持も感じさせる1本。レゾナンスは彼としてはやや低めのF#に設定されており、そのため低音のヴィヴィッドでどっしりとした響きを備えたギターとなっております。ネック形状はDシェイプで親指のあたる部分はフラットな加工がされています。

表面板は全体に演奏時のスクラッチが多くあり、それぞれ部分塗装による埋め補修がされておりますが、やや荒い処理のため色むらが目立っております。また裏板にもに一部同様の処置を施した跡がございます。ネックはほんの若干の順反りでクラシックギターの設定としては標準的なレベル。1~9フレットのでやや摩耗見られますがこちらも演奏上の問題はありません。現状では使用上の問題はありません。割れ等の大きな修理履歴はありません。表面板ネックヒール部からサウンドホールにかけて(ちょうど指板の真下にあたる部分)に2本のスプリットが入っていますが、これはこの部分の木の動きをフレキシブルにし割れ等の防止策として施したもので、アルカンヘル工房品の常套的な仕様。糸巻はフステロ製を装着。





商談中 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 マヌエル・カセレス Manuel Caceres演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. パラ・カサ・アルカンヘル
001_003_caceres_1_01_183
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン
製作年 Year 1983年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
1947年スペインのバダホス県生まれ。13才の時からラミレス工房にて仕事を始め、一時家族の都合でドイツに移住。
帰国後に再びラミレス工房に戻り、1964年からは製作を任される様になりました。当時の彼の楽器は今でもMCスタンプのラミレスとして高い評価を得ています。
1978年には名工アルカンヘル・フェルナンデスのアドバイスを得て独立し、自らの工房をマドリッドに設立。
多くの有名ギタリストが使用する楽器として名声を高めメキシコ、キューバ、プエルトリコ等では製作マスターコースを行い後進の指導にも力を入れています。
その後1999年より13年間に渡りアルカンヘルの仕事を手伝い、その影響化、徐々に独自の作風を確立して行きました。現在はアルカンヘルの引退に伴い、唯一の後継者として製作に励んでいます。

[楽器情報]
本作はラミレス工房での充実した仕事のあと独立してから間もない時期のもの。若き日の作ながら、ここにはすでにマドリッドのギターの良き特徴が無理なく、非常に高いレベルで達成されており、しかもとても弾きやすく設定されている、何とも素晴らしいギターになっています。
表面板を中心に傷、擦れなどありますが、オリジナル塗装の状態です。ネック反りなく弦高弾きやすく調整されています。明るく明確な伸びの良い音質です。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ヘルマン・ハウザー3世 Hermann Hauser Ⅲ演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. ブリームモデル Bream Model No.343
001_017_hauser_3_03_194_343
弦長 Scale Length 647mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 1994年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option バムケース ツイードグレー
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板ラッカー /横裏板ラッカー
糸 巻:ライシェル
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm

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〔製作家情報〕
20世紀ドイツ最高のギターブランドであり、現在も4代目がその伝統を継承し製作を続けている老舗。ヘルマン・ハウザーI世(1884-1952)が、ミゲル・リョベートが所有していたアントニオ・トーレスとアンドレス・セゴビアのマヌエル・ラミレスをベースにして自身のギターを改良し、後に「セゴビアモデル」と呼ばれることになる稀代の名モデルを製作した事は良く知られています。それはトーレスがギターの改革を行って以降の最大のギター製作史における事件となり、その後のギター演奏と製作との両方に大きな影響を与えることになります。1世が成し遂げた技術的な偉業は2世(1911-1988)、更に1958年生まれの3世に受け継がれ、それぞれが独特の個性を放ちつつ、このブランドならではの音色と驚異的な造作精度を維持したギターづくりを現在も続けています。1世はいまやトーレスと並ぶほどの高値がオークションではつけられ、1世のニュアンスにドイツ的な要素を加味した2世の作品もまたヴィンテージギター市場では高額で取引されています。3世はますますその工作精度に磨きをかけながら、長女のカトリン・ハウザーとともに現在も旺盛に製作を続けています。

〔楽器情報〕                                       
ドイツ、ライスバッハの地に工房を構えるヘルマン・ハウザー3世(1958~)製作のブリームモデル、1994年製 No.343 中古良品の入荷です。ベースとなるのはハウザー1世作の1928年製のモデルで、名手ジュリアン・ブリームが所有し、彼がそのキャリア初期においてコンサート等で愛用していたもの。1937年にこのブランドのフラッグシップモデルとなる「セゴビア」モデルが製作される以前、アンドレス・セゴビアが最初にハウザー1世に見せたマヌエル・ラミレス製作のギター(実際にはラミレス工房の職人であったサントス・エルナンデスの製作)の影響を色濃く受けており、ヘッドシェイプはマヌエルとほぼ同じ、ボディも小さめとなっています。この1928年製をベースとして、これを愛用した名手の名にちなみ製作されたのがブリームモデルとなります。

内部構造はサウンドホール上側に2本、下側に1本のハーモニックバー、7本の左右対称の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受けとめる2本のハの字型のクロージングバー、駒下位置には駒板と同じ幅のパッチ板が貼られています。これは厳密には1912年製マヌエル・ラミレスの力木配置とは異なり、セゴビアモデルとミックスしたような構造。レゾナンスはG~G#に設定されています。マヌエルの特徴的なヘッドシェイプと(緑ではなく)茶と黒を基調としたパーフリング等の意匠はセゴビアモデルとは異なる渋い味わいがあり、それがハウザーらしい気品のなかに見事に融和しています。

音色はスペイン的なニュアンスよりもむしろハウザーのドイツ的なキャラクターが際立っており、単音での高い密度とそれぞれの分離、和音での雑味の無さ、低音から高音までの透徹したバランス感覚が十全に備わっています。どの音もその小柄なボディからは意外なほどに力強くそして凛とした佇まいで、音色は十分な艶をたたえ、まさにクラシック音楽に相応しい音色と気品と併せ持ち、ハウザーならではの音響構築をここでも聴くことができます。また演奏性においても日本人の好みとも合致しており、ネックは薄めのCシェイプでコンパクトなグリップ感、女性にの方にもおすすめしたいモデルです。

表面板に若干スクラッチ傷ありますが、横裏板はほぼ無傷に近い綺麗な状態を維持しています。割れ等の大きな修理履歴はありません。フレットは1~7Fでほんの若干摩耗があり、指板も数か所でやや摩耗した部分がありますが演奏性への影響はなく、現状で継続して使用頂けます。ネック、糸巻きは問題ありません。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 アントニオ・マリン・モンテロ Antonio Marin Montero演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. Modelo B ブーシェモデル No.1536
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弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2019年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option COCON(Blue)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦  3.0 mm/6弦  3.8 mm


〔製作家情報〕
1933年スペイン、グラナダ生まれ。世界有数のギター製作の街と言えるグラナダの中心的存在として、国内外の多くの後進の指導にあたり、その広範にわたる深い影響力などからも、現在スペインギター製作界最高のマエストロと呼ぶにふさわしい名工です。

家具職人として出発し、のち1959年より同地の製作家エドゥアルド・フェレールの工房に入り製作を学びます。1961年には同工房出身のマヌエル・ベジードとともに共同の工房を立ち上げ、まずはキャリアをスタートさせます。その後独立し製作家としての評価も高めてゆきますが、1977年にある日本人発明家の紹介でフランスの名工ロベール・ブーシェ(1898~1986)との知遇を得て、その作風を大きく変化させていきました。このフランス最大の巨匠はマリンの非凡な才能をすぐに見抜き、その後自身がグラナダに赴いたりまたマリンをフランスに招くなどして親身にギター製作についてのアドバイスを与えています。もともとアンダルシア地方色の濃いギターを製作していましたが、ブーシェとの邂逅を機に、より楽器としての芸術的普遍性の高さを追及してゆき、音響と造作の両方に於いて、比類ない高みに達したギターはグラナダを代表する名品として現在不動の評価を得るに至っています。

ブーシェとの出会いのあと1979年には有名なアルハンブラ宮殿から市街地へとカイデロ坂を下りきったところの角の場所に工房を移し、90歳を迎える現在もそこで甥のホセ・マリンや2000年代に入ってあらたに加わったホセ・ゴンサレス・ロペスらとともに極めて精力的に製作を続けています。

また氏の人柄を慕って現在では世界中から若き才能がグラナダに集まるようになり、その影響力はさらに拡がりをみせています。2017年から同地で開催されているGranada Guitar Festival では氏の名前を冠した国際製作コンクールが併催されています。

[楽器製情報]
スペイン、グラナダで今最も尊敬を集める名工として、日本でもファンの多いアントニオ・マリン・モンテロ。彼のフラッグシップモデルとなるブーシェモデル 2019年製のUsed美品が入荷致しました。

彼が1970年代の後半にフランスのロベール・ブーシェと出会うことにより、その作風を改良し進化させていったことは有名なエピソード。現在も現役で製作を続けている氏のギターは基本的にブーシェ以前と以後とに分かれ、ブーシェ以前はオーソドックスなグラナダスタイルとして、ブーシェ以後は文字通りブーシェ的な構造そして音響とグラナダスタイルを理想的に融合したものとして認識されています。

本作はまさにそのブーシェ本人の作風に意識的に取り組んだものでModelo B と名付けられています。のちにModelo E(ブーシェレプリカ)として流通するものとはまた若干趣を異にし、柔らかく重厚な深みが際立った響きがやはり素晴らしく、グラナダサウンドの代名詞的な音色と言えるでしょう。2019年製Usedの本作は丁寧に弾き込まれており、レスポンスの極めて俊敏で明るいアンダルシア的な発音、そこに現代的なニュアンスを感じさせる洗練が施されて艶やかな音像として現出しており、唯一無二の表情が聴かれます。十全にボディが鳴りながらも雑味のない音響、比類のない音圧の高さ、各音のバランスとパースペクティブ感なども実に見事。

内部構造はサウンドホール上側に2本、下側に1本のハーモニックバー。左右対称5本の扇状力木がブリッジ真下位置に横幅いっぱいに設置されたトランスヴァースバー(高音側と低音側とでほんの少し高さが異なります)を貫通してボトム部まで達しているというブーシェ的配置。レゾナンスはG#~Aに設定されています。

全面セラック塗装仕様。ネック裏、表面板ブリッジ周りに若干の細かな傷、またブリッジプレートの低音側に5センチのほどのスクラッチ傷がふた筋あります。横裏板はきれいな状態ですが、裏板の胸のあたる部分は演奏時の摩擦が若干残っています。割れ等の修理履歴もなくフレット・ネック等演奏性に関わる部分は全く問題ございません。糸巻きはModeloBの仕様としては珍しいロジャースを装着。20フレット仕様。ナットとサドルは象牙材に交換されています。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ホセ・ルイス・ロマニリョス 1世 J. L. Romanillos Ⅰ
モデル/品番 Model/No. La Prematura #220
001_101_romanillosJL_1_03_174
弦長 Scale Length 652mm
国 Country スペイン Spain 
製作年 Year 1974年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
〔製作家情報〕
1932年スペイン マドリッド生まれ。
10代の頃は同地の家具製作工房で働き、1956年にイギリスに移住。移住した当初は病院で働いていましたが、1961年に純粋にプライベート用として独学でギターを製作します。1969年には名手ジュリアン・ブリームの知己を得て、彼はロマニリョスの非凡な才能をすぐに見抜き、ウィルトシャー、セムリーにある自身の敷地内に工房を作らせて製作家として独立することをすすめます。所有していた数々の名器の中でも、ロマニリョス1973年製のギターは長年ブリームのお気に入りの一本となった事は良く知られています。彼はまた大変な碩学としても知られ、名著の誉れ高い「アントニオ・デ・トーレス」を上梓するなど執筆業でも高い評価を得ているほか、その知識を活かして後進の指導にも尽力。毎年シグエンサにてギター製作の講習会を息子のリアム、ゲルハルト・オルディゲスやステファン・リーズをアシスタントにして開催していたことは彼の教育熱心な面をよく物語っています(2001年の講習会には尾野薫、田邊雅啓、中野潤、佐久間悟が参加)。

ブランドは1991年より息子のリアムが共同作業に正式に加わり、ラベルもJose Luis Romanillos&Son に変更、現在に至っています。今年2020年には、彼の講習会のアシスタントを務めていたJosep Melo氏によりロマニリョス1993年以降の製作史を総括する大著「Romanillos Guitarras The Guijosa Period 1993~2015」が上梓され、現役最大の巨匠としていままた世界的に更なる評価の高まりを見せています。

〔楽器情報〕
ホセ・ルイス・ロマニリョス1世 1974年作、‘La Prematura’です。彼の製作家としての才能を高く評価していた名手ジュリアン・ブリームのすすめにより、イギリス、セムレーの彼が所有する敷地内で工房を持ち、まさに意気揚々とそのキャリアを漕ぎ出した時期のもの。トーレス=ハウザーを規範として様々な構造でギターを作り続けてきたこの製作家にとって、彼自身の言葉にもあるように一つとして同じ楽器はないと言えるのですが、本器は最も敬愛するトーレスを踏襲しつつも、独自の構造的な工夫がなされ、その後の代表的な配置構造の萌芽とも言える造りとなっています。内部構造はサウンドホール上に2本、下に1本のハーモニックバー、そしてボディの肩の位置から真直ぐ2本の力木がバーと垂直にサウンドホール下のハーモニックバーに伸びており、途中2本のバーをトンネル状にくぐりぬけています。このサウンドホールの横をバーを貫通して配された2本の力木は低音側にのみで、高音側には配置されておりません。扇状力木は左右対称7本でボトム部にはハの字型のクロージングバー、駒真下位置にはパッチ板があてられています。レゾナンスはGの少し下に設定されています。糸巻きはライシェル製を装着。

1970年代初期のロマニリョスらしい、力強く芯がある響きながらも柔らかな奥行きを持った、よりスペインのヴィンテージの味わいを感じさせる音色。木質のヴィヴィッドな発音が素晴らしく、和音の豊かで雑味の無い響き、単音の凛とした音像、そして全体の表情の繊細な変化という点でも申し分がありません。製作家の初期の作とはいえ既に比肩するものの無いクオリティを確立していたことがうかがえる一本です。比較的コンパクトなラウンドシェイプのネックはフィット感が良く、左手の演奏時のストレスが少ないところも特に手の小さめな方にとっては嬉しいところでしょう。

弾き傷や打痕等は若干ありますが年代考慮すると標準的な状態と言えるでしょう。割れ等の修理履歴なく、またネック、フレット、糸巻きなど演奏性に関わる部分での状態も良好で問題ありません。



品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ブライアン・コーエン Brian Cohen
モデル/品番 Model/No. No.149
001_cohenB_02_183_01
弦長 Scale Length 658mm
国 Country イギリス
製作年 Year 1983年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option バムケース カーボンブラック
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ライシェル
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 4.0mm

[製作家情報]
ブライアン・コーエン Brian Cohen 南アフリカ共和国出身で現在はイングランド、サリー州のギルフォードに工房を構える楽器製作家で、古楽器から現代までの弦楽器全般とクラシックギターを製作しています。南アフリカ時代の1972年から独学でギター製作と修理を始め、同地を演奏旅行で訪れたSergio と Eduardo の Abreu 兄弟(日本では通例「アブリュー」と記されていますが「アブレウ」のほうが正しいとされており、英語圏でも「アブレイユ」と発音されることがほとんど)が使用したデビッド・ホセ・ルビオ(1934~2000)のギター修理を手がけたことを機に、製作家として身を立てることを決意、1974年にルビオの工房があるイギリスへと渡ります。当時まだ未熟だった彼はルビオ工房の職人にはなれなかったものの、ルビオはこの若い製作家のためにアドバイスを与え、やがて一流の職人となった彼は自身の製作と平行してルビオ工房品の作業も行っています(特にルビオが亡くなるまでの10年間はほとんどの受注品を彼が組み立てていたとのこと)。

彼がイギリスに渡った1970年代はクラシック音楽界で古楽器ブームが始まっており、そうしたムーヴメントに対応するかのように弦楽器製作においてもピリオド楽器の需要が高まりを見せてゆきます。1976年にリュート奏者のアンソニー・ルーリーがロンドンに設立したその名もEarly Music Cetre の工房をリサーチや製作のためにシェアするという環境に恵まれ、ここで3年間、彼は数多くのルネッサンス時代からの撥弦楽器を直に研究、修復し、そして自身のモデル製作に活かしています。彼はまた弦楽器属の研究と製作にもただならぬ情熱を傾けており、特にチェロでは1986年にCrafts Council Awardを受賞、1990年にはManchester International Cello Festival で銀賞を獲得するなど高い評価を得ています。またクラシックギターにおいても1989年にパリ ギター製作コンクールで2位となり、しっかりと地歩を固めてゆきます。

1990年には名手ジュリアン・ブリームからヘルマン・ハウザー1世(1882~1952)1940年作セゴビアモデル(Rose Augustine から借りていたという伝説的な一本)のコピーモデル製作を依頼されます。楽器にも知悉したこの20世紀最大のギタリストから得たものはコーエンにとってあのルビオにもまして大きかったようで、その後の科学的な測定に基づく精密な設定、音響学的なアプローチからの木材の選定方法へと彼を導いてゆくことになります。ここで彼が行った研究とその結論としての製作方法は非常に興味深いものですが、詳しくは語られておらず、しかしいずれ書物としてまとめる意向とのこと。

クラシックギターのみならず、ピリオド楽器を含む弦楽器全般のおける研究と製作というアプローチはやはりルビオを思わせるところがあります。そしてルビオ同様に西洋音楽全体の脈絡の中でクラシックギターの位置を見据える製作態度が彼には通底しており、英国という風土的感性がそこに加わったような楽器はまさにクラシカルな落ち着きと力強さがあり、その美しい仕上げも相乗してイギリスの中でもトップクラスの人気ブランドとなっています。


[楽器情報]
ブライアン・コーエン製作 1983年製 No.149 Usedの入荷です。彼の初期から中期へと向かう時期の作(ラベルにはその当時工房のあったLondonと記されています)で、デビッド・ルビオという偉大なメンターの影響を受けながらも、スペインギターへの傾倒を如実に感じさせる興味深い一本です。力木構造はサウンドホール上側に1本(これとネック脚との間に1枚の大きめな補強プレート)、下側に1本の水平なバーと低音側から高音側に向かって傾斜して設置されたもう一本のバー、そして9本の扇状力木にそれらの先端をボトム部で受け止める2本のハの字型に配されたクロージングバー、駒板位置には薄いプレートが貼られているという全体の配置。レゾナンスはGの少し上に設定されています。外観的には黒と赤を基調とした火炎モチーフ(?)のロゼッタデザインやヘッドシェイプなどはルビオの影響を見て取れますが、上記の構造はその特徴から直ちにイグナシオ・フレタを想起させます。

しかしながら音はむしろドイツ的とも言えるもので、粘りをともなった硬質な発音と、その瞬間から整った音像が立ち現れ終止まできれいに持続してゆく鍵盤的な音響が特徴となっています。その単音は十分な密度と多彩な表情のポテンシャルを含んでおり、まさしくクラシカルな気品を伴って不足ありません。

製作から40年を経た楽器としてはキズ等少なめで外観的に良好な状態です。表面板の低音側指板脇に割れ補修歴ありますが」適切な処置が施されており現状で問題ありません。ネック、フレットの状態も適正です。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ加工、弦高値は4.0/2.8mm(6弦/1弦 12フレット上)でサドルには1.0~1.5mmの余剰がありますのでより低く設定することも可能です。糸巻はドイツ製高級糸巻のライシェルに過去交換されており、ヘッド厚みよりも幅があるためわずかにはみ出していますが機能上の問題はありません。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 デビッド・ホワイトマン David Whiteman演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. トーレスモデル SE39
001_DWhiteman_02_213
弦長 Scale Length 650mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 2013年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.5mm

[製作家情報]                                 
1965年イギリス生まれ。現在も同国のサセックス州の工房で製作を行っています。10代の頃よりギター演奏に興味を持ち、16歳の時には独学でギターを製作しています。London Collage of Furnitureに入学しギター製作コースで学んだ後は早々と1987年に自身の工房を設立。 1992年から8年間 London Guildhall Universityで教鞭を執り、ギター製作を教えます。その後は自身の工房にて製作に打ち込む傍ら、ギターに関する著作にも関わります。古今の様々なギター修復も手がけており、そうした経験からか、トーレス、ハウザーを中心とする名器への造詣も深く、その成果が自身の製作するレプリカモデルに結実しています。またエレクトリックギターのカテゴリーでも端倪すべからざるブランドとして認知されており、Queenのギタリスト ブライアン・メイやGenesis のアンソニー・フィリップスのためにカスタムモデルを製作するなどしています。英国人らしい職人気質と確かな木工技術、伝統への深い敬意と進取の気性とが最良の形で現れた彼の楽器は国内外で高い評価を得て、現在のイギリスを代表する製作家の一人とされています。


[楽器情報]                                   
デビッド・ホワイトマン製作のトーレスモデル SE39レプリカ 2013年製中古の入荷です。横裏板にシープレス材を使用し、板は薄く塗装もセラックニスによる繊細な仕上げが施されたボディは実に軽く、レゾナンスもEの少し下という低い設定になっています。それゆえ重心感覚の低く太い低音と、全体の乾いた木質の響きが耳に心地よく、そして高音には意外なほどに艶とコクのある響きが聴かれ、トーレスのイメージを円満に伝える1本に仕上がっています。

内部構造はサウンドホール上側に2本、下側に1本のハーモニックバーが配置され、下側の方のバーは高音側と低音側に広く開口部が設けられています。扇状力木は左右対称5本が設置され、その先端をボトム部で2本のクロージングバーが受けとめる構造。5本の扇状力木のうち両外側の2本はサウンドホール下側のバーの開口部をくぐり抜け、ホール近くまで延伸しており、さらにそれらの先端から別の短い力木が角度を変えて(ちょうど横板のカーブに沿うように)ホール上側に配置されたバーに向かって伸びてゆくように設置されています。表面板と横板との接合部にはペオネスではなく溝切ライニングを設置。

表面板ブリッジ下に3センチほどのキズのほか指板脇、裏板のボトム部分と上部低音側(演奏時に胸が当たる部分)にほんの若干のキズや摩擦あとがありますが、現状問題なくまた外観を損なうものではありません。ネック、フレット、糸巻き等の演奏性に関わる部分も問題ありません。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ポール・フィッシャー Paul Fischer演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.362
001_fischerP_1_02_179
弦長 Scale Length 650mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1979年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース付
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸巻き:ロジャース
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
1941年イギリス生まれ。オックスフォードに育ち、同地に工房を開きます。Robert Gobleのもとでハープシコードの製作を学び、またその他の楽器に対する造詣も深く、ヨーロッパ的な伝統に広く通暁した知性的な製作家として知られています。同国の名工デビッド・ホセ・ルビオの工房で1969年より職人としてギター製作に従事し、職工長としてPFのスタンプが許されます(PFのイニシャルが刻印されたルビオギターは現在も中古市場で愛好家の高い評価を得ています)。1975年に独立して工房を設立。最初はルビオ的な構造を踏襲したギターでしたが、これまでの研鑽とオックスフォード大学で学んだ経験をもとに、科学的な見地から音響と構造の関係を探求、独自の力木配置によるギターを製作し始めるようになります。その結果音色と音響は高度に洗練され、従来のギターでは得られなかった均整感、個性的な発音を備えた楽器となり、音響バランスにこだわる多くのプロギタリストたちから高い評価を得て、20世紀の最後に世界で最も売れたブランドの一つとなります。

〔楽器情報〕
ポール・フィッシャー製作1979年中古です。デビッド・ルビオ工房から独立して間もない時期のもので、後にConcervatoire や Virtuoso などの特徴的なモデルを世に出す前の、良い意味でオーソドックスな魅力にあふれたモデルです。ルビオ工房の特徴であった耳に優しく温かみのある音色はまだ継承されていて、表情もロマンティック。音量や反応性も不足なく、誰でも楽しめる一本となっています。内部構造は7本の左右対称の扇状力木にボトム部でそれを受け止める2本のクロージングバーという配置ですが、扇状力木のうち高音側の2本にのみブリッジプレートの位置付近で垂直に交わるバーが設置されていることで、これは当時のフィッシャーの特徴的な構造でした。レゾナンスはG#付近に設定されています。

おそらくボディはセラックでの再塗装が施されており、年代考慮すると綺麗な状態。糸巻きはロジャース製を装着。ネックはやや薄めに加工されたDシェイプで反りはなく、フレット状態も良好で演奏性には問題ございません。ラベルには小さくAlmunus David J.Rubio とプリントされており、当時まだルビオ工房出身としてのアイデンティティを明確に打ち出していたことがうかがえます。このころから非常に良質な材を選定して使用しており、外観の気品も特筆すべき1本。





品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 パウリーノ・ベルナベ Paulino Bernabe演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. コンシェルト Concierto
001_Pbernabe_1_02_220
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2020年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option HISCOX ハードケース、オリジナル仕様書&保管説明書
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板:セラック/横裏板:セラック
糸 巻:シャーラー
弦 高:1弦 3.0 mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世(1932~2007)スペイン、マドリッドの製作家。自身も演奏を能くし、タレガの高弟ダニエル・フォルテアにギター演奏を師事していたのは有名な話。製作家としてはホセ・ラミレス3世の厚い信頼のもと、同工房にて1950年代から1960年代にかけて職工長を務め、この巨大ブランドの黄金期を支えた最重要人物の一人として、まずはギター製作史にその名を残す存在となりました。その後1969年に独立してからは伝統的な製法に則りながらも独自のメソッドによる個性的なギターを作り続け、1974年にドイツ、ミュンヘンで開催された国際クラフト博覧会で金メダルを受賞。そして往年のギターファンにとってはなんと言っても忘れ難い、ナルシソ・イエペスが愛用することになる有名な10弦ギターを製作することになります。息子のパウリーノ・ベルナベ Jr(1960~)は幼少の頃より父の仕事姿に親しみ、17歳の時には正式に弟子入りし20年以上に及ぶ厳しい修行と共同製作の時期を経て、2007年に1世亡き後はこのブランドを引き継ぎます。その後現在に至る2世の時代は父親のブランドコンセプトを十全に継承しつつ、より時代のニーズに合わせた(コストパフォーマンスとプレイヤビリティの双方において)充実したラインナップを展開し、若手のプロギタリストの使用率も高くなっている。現在マドリッドを代表するブランドの一つとして高い評価を得ています。

〔楽器情報〕
パウリーノ・ベルナベ Conciertoモデル 2020年 表面板杉仕様のUsed良品が入荷致しました。
ベルナベは2000年前後から上位機種でも4種類以上のモデルをカタログ化しており(現在はConcierto、Especial、Torres、Royalの5種)、それぞれ使用材のグレードなどによってランク分けされていますが、当モデルはその導入に位置するモデルとなります。とはいえこの名門ブランドのプロフェッショナルシリーズとだけあって、そのクオリティは確かなもの。またベルナベ独自の構造的工夫、時代のニーズを敏感に感じ取りそれを伝統的スタイルの中に落とし込むその着地点の絶妙さについては、マドリッド派の中でもやはり際立ったものといえるでしょう。

以前のConciertoモデルと比較すると本作では板はより薄く加工され、全体も軽量化しており(1.60㎏)、更に塗装も薄めの仕上げとなっています。そのためかフラメンコ的ともいえるような生々しさ、反応の速さ、木がじかに震えるような太く乾いた響きがぎりぎりまで追及され非常な迫力、そして適度な色彩感が備わっています。やや大柄なボディですが弦の張りは中庸で、ネックはかなり薄めのCシェイプタイプのため左手の感触は非常にコンパクトに感じます。レゾナンスもまたかなり低く、E~Fに設定されています。

内部構造はサウンドホール上下各一本のハーモニックバー、そしてサウンドホールの丁度真下の位置から高音側と低音側の横板に向けて1本ずつ斜めに伸びる力木がちょうどハの字型になるように設置、ボトム部にもハノ字型に2本のクロージングバーが設置され、表面板中心部分を菱形に囲むような形になっています。その菱形になったスペースの中心に表面板の木目に沿うように平行に設置された3本の力木とブリッジ位置に貼られたプレートという独特な力木構造で、これはベルナベ1世のEspecialモデルなどに採用されていた構造を忠実に踏襲しています。さらに2世はここで非常に独特な工夫を加えており、上記の菱形になった部分の表面板に円形の浅い掘り込みを何重にも入れており、ちょうど1センチ幅ほどの同心円が表面板下部をブリッジを中心としてまんべんなく張り巡らされているような形になっているうえ、同部分のみ何か焼き込みをを施したように明確に黒くなっています。この仕様は現在の同モデルでは採用されておらず、この年式特有のものとなっています。

表面板指板脇の高音側とサウンドホール下側にわずかに細かなスクラッチあとがあるほかはほとんど傷もなく、また割れなどの大きな修理履歴もありません。ネック、フレット等の演奏性に関わる部分も良好です。オリジナル仕様書と保管説明書(英語)が付属しています。





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