カセレスのギターはオリジナルのラベルとデザインによるものと、アルカンヘル工房品として「Para casa Arcangel Fernandez」のラベルを貼って出荷されているものとがあり、後者は基本的にアルカンヘルの監修による仕様に準拠していますが、オリジナルラベルによるモデルは内部構造からヘッドシェイプ、細部の仕様からラベルデザインに至るまでいくつかのタイプがあり、音色の傾向もそれぞれ異なり、個性的なものになっています。
カセレスのギターはオリジナルのラベルとデザインによるものと、アルカンヘル工房品として「Para casa Arcangel Fernandez」のラベルを貼って出荷されているものとがあり、後者は基本的にアルカンヘルの監修による仕様に準拠していますが、オリジナルラベルによるモデルは内部構造からヘッドシェイプ、細部の仕様からラベルデザインに至るまでいくつかのタイプがあり、音色の傾向もそれぞれ異なり、個性的なものになっています。
[楽器情報] マヌエル・カセレス 2013年製作のNo.103 中古良品の入荷です。ラベルには<Colaborador de Arcangel Fernandez>とプリントされており、アウラオリジナルモデルとして製作された「アルカンヘル・フェルナンデス」モデル3作目となります。この製作家の文字通り円熟期の作として、2000年代以降のマドリッド派の最良の形を体現しているともいえる見事なギター。
〔製作家情報〕 カナダ出身で現在はスペインのグラナダで製作している。伝統工法に忠実で研究心旺盛な製作家。彼は1989年に訪西、マラガにてホセ・アンヘル・チャコンの指導を受けた後にグラナダをに居を構え、アントニオ・マリンやロルフ・アイヒンガ―の指導を受けて現地で工房を設立。その後2006年に彼の製作過程の写真集[EL ARTE DELA GUITARRA]を刊行、また2007年にはコルドバで開催されたアントニオ・デ・トーレスの展示会にて、1892年(SE153)の復元モデルを発表し、高い評価を得ている。
本作はまさにそのブーシェ本人の作風に意識的に取り組んだものでModelo B と名付けられています。のちにModelo E(ブーシェレプリカ)として流通するものとはまた若干趣を異にし、柔らかく重厚な深みが際立った響きがやはり素晴らしく、グラナダサウンドの代名詞的な音色と言えるでしょう。2019年製Usedの本作は丁寧に弾き込まれており、レスポンスの極めて俊敏で明るいアンダルシア的な発音、そこに現代的なニュアンスを感じさせる洗練が施されて艶やかな音像として現出しており、唯一無二の表情が聴かれます。十全にボディが鳴りながらも雑味のない音響、比類のない音圧の高さ、各音のバランスとパースペクティブ感なども実に見事。
ブランドは1991年より息子のリアムが共同作業に正式に加わり、ラベルもJose Luis Romanillos&Son に変更、現在に至っています。今年2020年には、彼の講習会のアシスタントを務めていたJosep Melo氏によりロマニリョス1993年以降の製作史を総括する大著「Romanillos Guitarras The Guijosa Period 1993~2015」が上梓され、現役最大の巨匠としていままた世界的に更なる評価の高まりを見せています。