ギターショップアウラ
ようこそ ゲスト さま
会員登録 ログイン カート お気に入り
English
ポータルサイト
アウラ音楽院
アクセス
お問い合わせ
トップ > ギターカテゴリー > 輸入クラシック オールド
輸入クラシック オールド   写真をクリックするとさらに大きなカタログ写真が表示されます。
製作家/商品名 ロベール・ブーシェ Robert Bouchet演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.103
001_000_bouchet_03_164
弦長 Scale Length 650mm
国 Country フランス France
製作年 Year 1964年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:バンゲント
ナット:象牙
サドル:牛骨
弦 高:1弦 3.5mm/6弦 4.0mm

[製作家情報〕
ロベール・ブーシェ(1898~1986、フランス) 20世紀フランス最大の巨匠であり、現在に至るまでヨーロッパのみならずあらゆるクラシックギター製作に影響を与え続けているまさしく不世出の名工です。その比類なき芸術性と生涯わずか154本のみの製作という稀少性とから、彼の全モデルは現在トーレス、ハウザー1世に次いで最も高値で取引されています。プレスティ/ラゴヤの音響世界の源となり、若き日のブリームを熱狂させ、晩年には国内屈指の美音の持ち主である故稲垣稔氏を魅了したマエストロはまた、フレドリッシュやアントニオ・マリンなどの現代の名工たちの創造的源泉にもなってきました。

1889年フランス、パリの洋装店を営む家に生まれ、幼少より絵画と音楽に親しみ、1919年にまずは画家としての人生を歩み始めます。1932年モンマルトルの丘にアトリエを構え、ここではギターはまだ趣味で演奏をたしなむ程度のものでしたが、近くにスペインから亡命し工房を開いていたフリアン・ゴメス・ラミレスの知遇を得て、初めてギター製作の現場を目の当たりにします。そして1946年に所有していたフリアン作の愛器を失った彼は、それまでつぶさに観察していたフリアンの工房での全工程の記憶を基に、自ら工具や治具を作るところから始め、ついに自らの為のギターを製作します。糸巻の彫刻に至るまで自らの手で細工して完成したギターはその後大変な評判となり、前述の名手たち以外にも次々と注文が入るようになります。

ギターファンには良く知られているように、彼の作風は大きく年代的に2つに分けることができ、最初の1940年代から1950年代半ばにかけてはアントニオ・デ・トーレスを規範としたものとなっていますが、1956年以降は独自の構造を発案し、「パイプオルガンのような」と評されるほどのしっかりとした基音と非常な奥行きを感じさせるきわめて個性的な音響を達成します。

[楽器情報〕
ロベール・ブーシェ製作、1964年製 No.103 ジュリアン・ブリームが購入した4本のブーシェのなかで最後の一本で、名盤「バロックギター」で使用したモデルです。この稀代の名手が愛用したというエピソードを抜きにしても、ブーシェ最盛期の一本として非常なクオリティと芸術性を有した至高の一本と言えるまさに名品です。内部構造は左右対称5本の扇状力木と駒板真下の位置にギターの横幅いっぱいに設置されたいわゆるトランスヴァースバーというブーシェオリジナル配置で、5本の扇状力木はトランスヴァースバーを貫くようにしてボトム部まで伸びています。またサウンドホール下のハーモニックバーは高音側と低音側に開口部が設けられ、一番外側の扇状力木はそこをくぐってサウンドホール近くまで伸びるような配置になっています。レゾナンスはG#~Aに設定されています。

ブリームが生涯に使用したギターは数多く、そのどれもが彼の名演とともにギターファンの記憶にいまも深く刻まれていますが、取り分けロマニリョス、ハウザー、ルビオと並び印象深いのがブーシェとの組み合わせでしょう。1951年にブリームはブーシェの工房を訪れており、同時期に耳にしたイダ・プレスティの演奏に非常な感銘を受けた彼は、ハウザーのあとに使用するギターとしてブーシェを選びます。1957年、1960年、1962年そして1964年製の計4本(一説には5本)のギターをブーシェより購入。彼がアメリカに演奏旅行中、ニューヨークの車中で持参していたブーシェギターが盗難にあい、いまだに見つかっていませんが、これは1962年製のものであるとブリーム自身がインタビューで語っています。そしてそのあとに購入したのが本作1964年製のNo.103となります(ボディ内部の裏板のバーにブーシェ本人のサインがあります)。
ブリームは特にブーシェギター高音の「refinement」に深く魅了されたと語っていますが、そのまるでオーケストラの弦の響きのように密度があり、良く歌う高音部はまさしくブーシェだけの至芸でしょう。低音部もまた実に重厚で深く、そしてニュアンスに満ちており、深度があり同時に明確な発音もやはり素晴らしい。かなりの熟練したタッチが要求されるギターですが、それもまた名品ゆえにこそ。リアルヴィンテージの最高峰と呼ぶにふさわしい究極の一本です。

表面板全体にスクラッチ痕が有りますが割れ等の修理履歴は無く、年代相応の状態。ネック、フレット、ナット、サドル等の演奏性に関わる部分も問題ありません。糸巻きはおそらくオリジナルが故障したのか、過去にヴァンゲント製に交換されています(オリジナルは残っておりません)。塗装はオリジナルのセラック仕様、ところどころに通常使用により生じた色むら等ありますが、特にダメージの強い部分はなく現状問題ございません。






品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ロベール・ブーシェ Robert Bouchet演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.148
001_000_bouchet_03_177
弦長 Scale Length 650mm
国 Country フランス France
製作年 Year 1977年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ブーシェオリジナル
弦 高:1弦3.6mm/6弦4.5mm

[製作家情報〕
ロベール・ブーシェ(1898~1986、フランス) 20世紀フランス最大の巨匠であり、現在に至るまでヨーロッパのみならずあらゆるクラシックギター製作に影響を与え続けているまさしく不世出の名工です。その比類なき芸術性と生涯わずか154本のみの製作という稀少性とから、彼の全モデルは現在トーレス、ハウザー1世に次いで最も高値で取引されています。プレスティ/ラゴヤの音響世界の源となり、若き日のブリームを熱狂させ、晩年には国内屈指の美音の持ち主である故稲垣稔氏を魅了したマエストロはまた、フレドリッシュやアントニオ・マリンなどの現代の名工たちの創造的源泉にもなってきました。

1889年フランス、パリの洋装店を営む家に生まれ、幼少より絵画と音楽に親しみ、1919年にまずは画家としての人生を歩み始めます。1932年モンマルトルの丘にアトリエを構え、ここではギターはまだ趣味で演奏をたしなむ程度のものでしたが、近くにスペインから亡命し工房を開いていたフリアン・ゴメス・ラミレスの知遇を得て、初めてギター製作の現場を目の当たりにします。そして1946年に所有していたフリアン作の愛器を失った彼は、それまでつぶさに観察していたフリアンの工房での全工程の記憶を基に、自ら工具や治具を作るところから始め、ついに自らの為のギターを製作します。糸巻の彫刻に至るまで自らの手で細工して完成したギターはその後大変な評判となり、前述の名手たち以外にも次々と注文が入るようになります。

ギターファンには良く知られているように、彼の作風は大きく年代的に2つに分けることができ、最初の1940年代から1950年代半ばにかけてはアントニオ・デ・トーレスを規範としたものとなっていますが、1956年以降は独自の構造を発案し、「パイプオルガンのような」と評されるほどのしっかりとした基音と非常な奥行きを感じさせるきわめて個性的な音響を達成します。


〔楽器情報〕
ロベール・ブーシェ製作、1977年製 No.148 状態良好の逸品が入荷致しました。
1986年のその生涯を終えるこの稀代の名工の、最後から7本目となる本作は同時に、最晩年の様式へと移行する直前の貴重な一本とも言えます。

内部構造は左右対称5本の扇状力木と駒板真下の位置にギターの横幅いっぱいに設置されたいわゆるトランスヴァースバーというブーシェオリジナル配置。5本の扇状力木はトランスヴァースバーを貫くようにしてボトム部まで伸びています。またサウンドホール下のハーモニックバーは高音側と低音側に開口部が設けられ、一番外側の扇状力木はその開口部のちょうど真下の位置で止まるように配置(これ以前のブーシェでは開口部をくぐり抜けてサウンドホールの縁まで延伸するように設置されていました)。5本の扇状力木はややセンターに寄り添うように配置されており、トランスヴァースバーは高音側と低音側とで高さとカーブの度合いが微妙に変化をつけて加工されています。またセンターの扇状力木とその両隣りの力木との間に2センチ辺程の小さなパッチ板がサウンドホール下のバーと接するように設置されており、これもこの製作家の特徴的な工夫とされています。レゾナンスはAの少し下に設定されています。

154本全てのギターがそれぞれの個性を持っていると言えるブーシェですが、形容しがたい深みと表情は本器においても十全に聴かれ、クラシック音楽の「デモーニッシュな」部分までも描いてしまう表現力を備えています。硬質な粘りを持った発音で、演奏には特に右手のタッチにおける相当の熟練が必要とされますが、ミートした瞬間の表情の素晴らしさは比肩するものがありません。

本作は製作から45年が経過しておりますが保管状態は良好で、割れ等の修理履歴はありません。また全体に弾き傷等もわずかに微細なものがあるのみで年代考慮すると美品と言えるレベル。ネック、フレット等演奏性に関わる部分も問題ありません。糸巻きはブーシェオリジナル(巻き上げの方向は一般的な糸巻きと同じになっています)で、現状で機能的な問題はなく、トータルに高いレベルを保持した状態の貴重な一本となっています。





品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  時価

製作家/商品名 マヌエル・カセレス Manuel Caceres演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. オリジナルモデル
001_003_caceres_02_217_01
弦長 Scale Length 658mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2017年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:シャーラー
弦 高:1弦 2.6mm/6弦 3.4mm

〔製作家情報〕
1947年スペイン、バダホス生まれ。1963年にホセ・ラミレス3世の工房に入り、当時の職工長であったパウリーノ・ベルナベのもと研鑽を積みながら、やがて「MC」のスタンプで同ブランドの最上位機種である1Aの製作を任されるようになり、当時の人気スタンプとなります(現在も中古市場では当時のMCスタンプのラミレスは人気のアイテムとなっています)。1978年にラミレス工房を出た後に独立。また同時期より同じマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスとの共同作業的な親交が始まります。これがカセレスのギター製作に大きな影響を与えることになり、アルカンヘルが2011年に引退した後、その唯一直系の製作家として、また最もマドリッドらしい作風を継承した製作家として人気を博していましたが、2018年に工房を閉鎖し一旦引退。現在はわずかに受注での製作のみとなっており、新作が極めて貴重なブランドとなっています。

カセレスのギターはオリジナルのラベルとデザインによるものと、アルカンヘル工房品として「Para casa Arcangel Fernandez」のラベルを貼って出荷されているものとがあり、後者は基本的にアルカンヘルの監修による仕様に準拠していますが、オリジナルラベルによるモデルは内部構造からヘッドシェイプ、細部の仕様からラベルデザインに至るまでいくつかのタイプがあり、音色の傾向もそれぞれ異なり、個性的なものになっています。


[楽器情報]
マヌエル・カセレス 2017年製作のUsed、オリジナルラベルと仕様、デザインによる1本が入荷致しました。2018年に工房を閉鎖する前年の製作で、アルカンヘル・フェルナンデスの正統な後継者と目されたこのマエストロの、実に味わい深いギターとなっています。

表面板内部構造はサンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止めるようにハの字型に設置された2本のクロージングバーという全体の配置。レゾナンスはG~G#に設定されています。ボディは軽く、全体に板をやや薄めに加工していますがカセレスならではの良材をセレクトゆえか、板の強度がしっかりしており歪みがほとんどありません。このような材の特性は適度に粘りを持った少し渋めな発音と音色となって特性化しており、やはりどこかバルベロ~アルカンヘル的な要素を感じさせてくれるものとなっています。とくに2010年代に入って以降のカセレスに特有の、繊細で高貴とさえいえる響きがここでも聴かれ、単音の密度と深いニュアンス、和音での豊潤な拡がり、あくまでも上品でロマンティックな表情も素晴らしい。澄んだ高音とそれを力強く慎ましく支える低音とのバランスもとても自然です。

割れなどの大きな修理履歴はありませんが、十分に弾き込まれており、表面板のサウンドホール付近にやや集中して弾き傷が見られるほか、その他全体にスクラッチ傷や摩擦痕等があります。ネック裏とヘッド裏には爪による傷がやや多くあります。裏板は演奏時の衣服の摩擦あとなどが少々あり、一部塗装ムラを生じていますが使用には全く問題ございません。ネックは真っすぐを維持しており、フレットも正常状態。ネックシェイプはやや薄めでフラットに加工されたDシェイプ、弦の張りは中庸で、演奏性に関してはノーマルなフィット感です。糸巻はSchaller Grand Tuneを装着しこちらも動作状況に問題ありません。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  880,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 マヌエル・カセレス Manuel Caceres演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. パラ・カサ・アルカンヘル
001_003_caceres_1_01_183
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1983年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
1947年スペインのバダホス県生まれ。13才の時からラミレス工房にて仕事を始め、一時家族の都合でドイツに移住。
帰国後に再びラミレス工房に戻り、1964年からは製作を任される様になりました。当時の彼の楽器は今でもMCスタンプのラミレスとして高い評価を得ています。
1978年には名工アルカンヘル・フェルナンデスのアドバイスを得て独立し、自らの工房をマドリッドに設立。
多くの有名ギタリストが使用する楽器として名声を高めメキシコ、キューバ、プエルトリコ等では製作マスターコースを行い後進の指導にも力を入れています。
その後1999年より13年間に渡りアルカンヘルの仕事を手伝い、その影響化、徐々に独自の作風を確立して行きました。現在はアルカンヘルの引退に伴い、唯一の後継者として製作に励んでいます。

[楽器情報]
本作はラミレス工房での充実した仕事のあと独立してから間もない時期のもの。若き日の作ながら、ここにはすでにマドリッドのギターの良き特徴が無理なく、非常に高いレベルで達成されており、しかもとても弾きやすく設定されている、何とも素晴らしいギターになっています。
表面板を中心に傷、擦れなどありますが、オリジナル塗装の状態です。ネック反りなく弦高弾きやすく調整されています。明るく明確な伸びの良い音質です。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  550,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ヘルマン・ハウザー2世 Hermann Hauser II演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. セゴビアモデル Segovia No.786
001_017_hauser_2_03_166
弦長 Scale Length 645mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 1966年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ランドストルファー
弦 高:1弦 2.8mm / 6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
ヘルマン・ハウザー2世(1911~1988)
ハウザーギターは疑いなく20世紀ドイツ最高のギターブランドであり、現在も4代目がその伝統を継承し100年以上にわたって一子相伝で製作を続けている老舗工房です。ヘルマン・ハウザーI世(1884-1952)が、ミゲル・リョベートが所有していたアントニオ・トーレスとアンドレス・セゴビア所有のマヌエル・ラミレスをベースにして自身のギターを改良し、後にセゴビアモデルと呼ばれることになる「究極の」名モデルを製作した事は良く知られています。それはトーレスがギターの改革を行って以来最大のギター製作史における事件となり、その後のギター演奏と製作との両方に大きな影響を与えることになります。1世の息子ハウザー2世はドイツ屈指の弦楽器製作都市として知られるミッテンヴァルトで4年間ヴァイオリン製作学校で学んだ後、1930年より父の工房で働き始めます。彼ら親子はほぼ共同作業でギターを製作していましたが、ラベルはハウザー1世として出荷されています。1世が亡くなる1952年、彼は正式にこのブランドを受け継ぎ、彼自身のラベルによる最初のラベル(No.500)を製作。以来1983年に引退するまで極めて旺盛な活動をし、500本以上のギターを出荷しています。

ハウザー2世もまた父親同様に名手たち(セゴビア、ジュリアン・ブリーム、ペペ・ロメロ等)との交流から自身の製作哲学を熟成させていったところがあり、また彼自身の資質であろうドイツ的な音響指向をより明確化することで、1世とはまた異なるニュアンスを持つ名品を数多く世に出しました。有名なところではなんといってもブリームが愛用した1957年製ギターですが、その音響は1世以上に透徹さを極め、すべての単音の完璧なバランスの中にクラシカルな気品を纏わせたもので、ストイックさと抒情とを併せもった唯一無二のギターとなっています。

1970年代以降の彼は特にその独創性において注目されるべきペペ・ロメロモデルや、おそらくは急速に拡大した需要への柔軟な姿勢としてそれまでには採用していなかった仕様での製作も多く手がけるようになりますが、やはり完成度の高さの点では1世より引き継いだ「セゴビア」モデルが抜きんでています。その後1980年代からモダンギターの潮流が新たなスタンダードと目されていく中でも、ハウザーギターは究極のモデルとしての価値を全く減ずることなく、現在においてもマーケットでは最高値で取引されるブランドの一つとなっています。

1974年からは息子のハウザー3世(1958~)が工房に加わりおよそ10年間製作をともにします。3世もまた2世のエッセンスに独自の嗜好を加味しながら、ブランドの名に恥じぬ極めて高度な完成度を有したモデルを製作し続けています。

〔楽器情報〕
ヘルマン・ハウザー2世 1966年 No.786 Usedの入荷です。
表面板のセンター部分、ブリッジからボトムにかけて2~3㎜ほどの幅で割れ埋木補修履歴があります。またその両脇のボトム部分5~6㎝の割れ補修歴があります。それぞれ適切な処理で、内側よりパッチ補強も施されておりますので現状で継続しての使用には問題ございません。その他表面板は全体に大小の弾き傷や打痕などがありますが年代相応といってよいレベルです。横裏板は割れはありませんが全体にオリジナル塗装のムラ、白濁が見られます。ただし状態としての問題はありませんのでっこちら現状で継続使用いただけます。ネック、フレット等演奏性にかかわる部分での問題はありません。ネック形状はCラウンドに近いDシェイプで丸みのある薄めのシェイプで加工されていますが、グリップ感はしっかりとした感触。弦高値は2.8/3.8㎜(1弦/6弦 12フレット)でサドルには1.0㎜の調整余剰があります。糸巻は出荷時のオリジナルでLandstorfer製を装着しており、こちらも動作状況に問題ありません。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  6,050,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 イグナシオ・フレタ・エ・イーホス Ignacio Fleta e Hijos演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.904
001_019_fletahijos_2_03_189
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1989年
表板 Top 杉 Solid Ceder
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)と二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。


〔楽器情報〕
イグナシオ・フレタ・エ・イーホス 1989年製 No.904 Usedです。フレタといえば濃密でロマンティックな音色、そして音圧の比類ない力強さといった特徴が1世の時代からブランドイメージとして通底していますが、そういった特性を十全に備えつつ、しかし個体ごとのキャラクターはかなり異なり実は多様であることは、現在このブランドを再評価するうえで重要な点だと言えます。本作1989年製のNo.904では、重厚な鳴りという特性のなかに、極めて細やかで繊細な表現力が備わっていることが特筆されます。弱音ではもはやチャーミングとさえ言える音の表情、そしてフォルティッシモにおける音圧としてではなく音楽としての強さ、各音は杉材ならではの艶をまとい、全体は倍音を抑制した硬度の高い響き。音楽における明と暗をしっかりと内包し、奏者は弾きながら有機的なレスポンスを楽器から受ける感覚になります。

内部構造はフレタ1世の構造を基本的に踏襲しながら部分的に相違が見られる配置になっています。サウンドホール上下に2本ずつのハーモニックバー(下側の2本は低音側から高音側にかけて下がってゆくように斜めに、それぞれが微妙に違う角度で傾斜して設置されています)、その下に左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置にあてられた薄いパッチ板、そしてサウンドホール周りを覆うように貼られたやや厚めの補強板という構造。レゾナンスはAの少し上という設定となっています。

Cラウンドのコンパクトなネックシェイプは日本人の手にも握りやすく、弦の張りは中庸からやや強めですが比較的握りやすい感触です。全体は年代相応に細かなスクラッチ傷、塗装のクラックがあるほか、表面板ブリッジ下に2か所5cmほどの割れ補修歴があります(埋め木による大変丁寧な処置がされていますので外観、状態ともに全く問題ありません)横裏板塗装におそらく湿度変化の影響による製作時のブラッシングの跡が浮き出て見えています。ネックはほんのわずかに順反りですが許容範囲のレベルです。またフレットは1~8フレットでやや摩耗しておりますがこちらも現状で演奏性等に影響ありません。糸巻はオリジナルのFustero フレタタイプを装着、こちらも機能性に問題はありません。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  3,850,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 イグナシオ・フレタ1世 Ignacio Fleta I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.124
001_019_fletaI_1_03_158
弦長 Scale Length 660mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1958年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラックニス
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 4.0mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)により設立され、のちに二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作となる、スペイン、バルセロナの工房。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。

[楽器情報]
イグナシオ・フレタ1世 1958年製 No.124。独特の音響と音色、機能性の高さ、構造と外観、その全ての有機的なバランスと芸術性で現在においてさえ比類のない、名品中の名品と言える素晴らしい一本です。

このブランドの歴史を俯瞰すれば、この後1960年代半ばより彼の息子達との共同作業に移ることで生産性を高め、数々の名手たちの使用によってそのイメージが一気に世界中に広まってゆくことになりますが、それに呼応するかのように楽器もまた構造的、音響的に変化してゆくことになります。本作1958年製はそうしたマーケット事情が少なからずブランドに影響を及ぼす以前の(セゴビアに献呈した有名な1957年製の翌年の作)、フレタ1世の音楽的芸術性が顕著に、しかも高次において達成された楽器となっています。

音像はまるで弦楽器のように強くまろやかで、低い重心感覚(レゾナンスはEの少し上)による音響全体が一つの発声体としての表情と肌理をもち、常に上品さを保ちながら、チャーミングとさえ言えるほどの繊細さから英雄的な剛健さまでの(クラシック音楽に不可欠な)大きな振幅を十全に表出します。加えて演奏における多様な身振り(スタッカートやスラー、クレッシェンド等々)での機能性の高さ、まるでタッチと完全にシンクロするかのような発音など、その自然な反応も素晴らしく、奏者は感情と音とが理想的に一致しているような感覚を得ることができます。ブランドの特徴とされている音量の非常な豊かさももちろんのこと、たっぷりと情感をたたえたジェントルな響きはまさにフレタ1世の独壇場で、その後の彼の作においてさえついに現れることのない馥郁たる鳴りが素晴らしい。そのロマンティックな響きのなかから奏者も予期せぬ音楽の提案がされてくる感覚があり、表現楽器としての無限のポテンシャルを感じさせる、名器と呼ぶにふさわしい一本となっています。

表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーで、下側のバーは低音側から高音側に向けてほんのわずかに斜めに下がってゆくように設置されています。その下に左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置に横幅いっぱいにあてられた薄いパッチ板、そしてサウンドホール両脇に貼られたやや厚めの補強板という構造。レゾナンスはEの少し上という設定となっています。表面板の厚みは薄めに加工されており、9本の扇状力木とクロージングバーは幅8㎜、高さ1㎜ほどの薄くフラットな形状をしているなど、のちのフレタの構造とは異なり細部の繊細さが特徴となっている。対してバーは裏板も含めどれも強固な作りですが、サウンドホール下の斜めに傾斜したハーモニックバーはのちに2本に増えており、やはりここでも振動の抑制に関してのコンセプトの変化が見られるのは興味深い。重量は1.64㎏。

表面板指板両脇に合計5か所、サウンドホールからブリッジにかけて1か所、ブリッジ下3か所の割れ補修履歴があります。裏板ネックヒール部両脇に1か所ずつ、エンドブロック部両脇に1か所ずつの合計4か所に割れ修理履歴があります。表面板は弦の張力による凹凸がブリッジ上下で生じていますが現状で継続しての使用には問題ありません。全体に弾きキズ打痕等は年代相応にあります。ネック、フレットなどの演奏性に関わる部分は良好で、ネックシェイプはCに近いラウンド感のあるDシェイプで握りやすいグリップ感。660㎜スケールですが弦の張りも中庸で弾きやすく感じます。






品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  時価

製作家/商品名 イグナシオ・フレタ1世 Ignacio Fleta I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.156
001_019_fletaI_1_03_159
弦長 Scale Length 660mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1959年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.8mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)により設立され、のちに二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作となる、スペイン、バルセロナの工房。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。


[楽器情報]
イグナシオ・フレタ1世 1959年製 No.156 の入荷です。フレタ一世50年代の貴重な一本であるとともに、彼の特性を十分に感得できるギターです。

表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーで、下側のバーは低音側から高音側に向けてほんのわずかに斜めに下がってゆくように設置されています。そして左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置には駒板幅よりもやや長い範囲であてられたパッチ板、そしてサウンドホール両脇に貼られた補強板(これらは近接する横板の下部に沿うように斜めに設置されています)という構造。レゾナンスはGの少し下での設定となっています。1958年までのフレタは表面板の厚み、扇状力木とクロージングバーの形状などもかなり薄く加工されていましたが、それと比較すると特に扇状力木は本作では9本のうち中央の7本を少し高めの山型に加工されているなどの変化が見られ、レゾナンスの位置も高くなっています(1958年はEの下に設定)。

中低音~低音の厚みのある響きが素晴らしい。高音は比較的細めのすっきりとしたむしろ端正とさえ言える響きですが、十分にロマンティック。うねりを持った野性的な低音との対照がなんとも良く、曲の中でもメロディが渋い佇まいを演出する中で迫力ある低音が前景化してくるような独特パースペクティブがあります。そしてこの時期のフレタならではのタッチとの高いリニアニティもやはり特筆されます。奏者はタッチと音とが(音色の変化という点でも)一体化しているような感覚で演奏することができます。

表面板はこの時期のフレタにしばしば見られる現象ですが、ブリッジのサウンドホール側とボトム側とでやや歪みがあり、割れの修理履歴がいくつかございます。指板両脇、低音側肩部分からくびれ部にかけて、ブリッジプレートのサウンドホール側に数か所とボトム側センター部分にそれぞれ1~数か所の割れ修理履歴があり、それぞれやや厚めのプレートでしっかり補強されています。表面板は過去にゴルペ板を貼りのちに剥離させた形跡があります。表面板全体は再塗装が施されており、現在は傷などは少なめです。横裏板はおそらくオリジナル塗装の状態で、年代考慮すると傷等は少なく良好な状態です。ボトム近くにローズウッドのバールがありその木目に沿ってやや段差がありますが割れには至っておらず、継続しての使用にも問題ありません。ネックは反りもほとんどなく良好です。フレットと指板は1~8フレットで軽微な摩耗が見られますが、演奏性影響はなく継続しての使用に問題はありません。ネック形状もこの時期のフレタ1世の特徴的なコンパクトなグリップ感で、ほとんどCラウンドに近いDシェイプで薄めの加工。弦高は現在値でほぼ標準値ですがサドルに2~3㎜の余剰がありますのでお好みに応してさらに低く設定することも可能です。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  6,050,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 アルカンヘル・フェルナンデス Arcangel Fernandez演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. クラシック
001_020_arcangel_03_203_01
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2003年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.2mm /6弦 4.1mm

[製作家情報]
1931年スペイン、マドリッド生まれ。
マヌエル・ラミレス、サントス・エルナンデスから続くマドリッド派の哲学を真に継承し、頑ななまでにそれを護り通したほとんど唯一の職人であり、その芸術性においても極点を示した20世紀後半のスペインを代表する製作家です。

少年時代は映画俳優志望で実際に数本の映画にも出演、13歳になると家具職人として働き始め、同時にフラメンコギターの演奏も始めます。相当な腕前だった彼は兵役を終えた頃にはプロギタリストとしての道を模索しますが、1954年、当時サントス・エルナンデス(1874~1943)の後継者とされていた名工マルセロ・バルベロ1世(1904~1956)の知己を得てその工房に足繁く通うようになると、この名工にギター製作をすすめられ弟子となります。アルカンヘルは師バルベロの作るギターに強い興味を抱くようになり、持ち前の探求心で加速度的に製作の腕前を上げ、瞬く間に職人として成長してゆきます。しかしバルベロは1956年に52歳の若さで他界。わずか2年間に学んだことを糧に、唯一の弟子であったアルカンヘルはバルベロの残された注文分のギターをすべて製作した後、1957年に師の工房の近くヘスス・イ・マリア通りに自身の工房を設立。この開始時からアルカンヘルの職人としての充実度はすさまじいほどで、造作と音響の両方において若さゆえの甘さなどみじんもなく、透徹した精神が隅々まで行き渡った名品を作り出しています。そしてそれはその後50年に渡り一切弛緩することなく続いてゆくことになります。後年には師の息子マルセロ・バルベロ・イーホ(1943~2005)がスタッフに加わり、共に同じ工房で製作を続けていました。

自身のラベルによるものはクラシック、フラメンコそれぞれ一貫してワンモデルのみを製作。それ以外には工房品(「Para Casa Arcangel Fernandez」ラベル)としてバルベロ・イーホやマヌエル・カセレスらが製作を担当して出荷もしています。この二人はそれぞれ自身のオリジナルラベルでの製作も行っていますが、アルカンヘル工房品として出荷されたものも完全手工品として(ラベルには製作者の名前が明記されています)極めて高いクオリティのもので評価も高く、現在中古市場でも人気のアイテムとなっています。

アルカンヘルの造作、材の選定、そしてなによりも音色に対する一切の妥協を排した製作姿勢は彼の人柄もあいまって孤高の趣を呈し、彼の楽器はそのあまりの完成度の高さゆえに、演奏者に非常な技術の洗練を要求するものとなっております。それゆえに多くのギタリストを刺激し続けている稀有な楽器ですが、2011年に製作を引退。現在ではますます稀少となっている名ブランドの一つです。

[楽器情報]
アルカンヘル・フェルナンデス 2003年製クラシックモデル Usedの入荷です。彼は師であるバルベロ1世、さらにはさかのぼってサントス・エルナンデスから連なるマドリッドの正統な系譜に属するほとんど唯一と言ってよい製作家ですが、サントスが実験精神と多様性を展開しながら模索し、バルベロ1世がその音響を抽象性の高みにまで完成させた後、アルカンヘルはさらにそれを凝縮しギターという楽器の極点を目指すかのように妥協のない製作姿勢を貫きます。バルベロ1世においてはまだ数種のパターンが見られる設計も、アルカンヘルにおいてほぼ一つの設計で統一されます(フラメンコもほぼ同一の設計ですがクラシックとは力木の本数が1本異なるのみ)。

表面板力木配置はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、扇状力木は6本が、センターに配置された1本を境として低音側に2本、高音側に3本配置され、ボトム部でそれらの先端を受け止めるようにハの字型のクロージングバーを設置、駒板位置にはほぼ横幅いっぱいに補強プレートが貼られている、アルカンヘルのクラッシックモデルの定式の配置となっています。特徴的なのはこれらのバーや力木はそれぞれ通常のギターよりも太く高く、強固に作られており、「扇状」とはいってもほとんどお互いに平行に近い角度で、一番高音側の1本以外は駒板の幅に収まるように中央に寄せて設置されています。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

十分な粘りを持った低音のストイックでしかし雄弁な身振りと表情、高音の凛として雑味のまったくない音像、そして全体にハカランダ材ゆえの透明感が加わり、これ以上ないほどの気品をまとった音響はいかにもクラシックに相応しく素晴らしい。堂々たる音圧があり、それはなにか大きなものが自然にそこに存在してるかのような独特なもので、いわゆる大音量のギターと言われるものがしばしば音が「増幅」されているような感触であるのとは異なり、あくまで楽器の自然な性質としての悠揚たる音圧がいかにもアルカンヘルらしい。

表面板のサウンドホール周りに細かな弾き傷、また2か所ほど小さく浅い打痕を部分補修した跡がありますがいずれも軽微なもので外観を損ねるほどではありません。横裏板は演奏時に胸の当たる部分に塗装ムラなどがあるほかは全体にきれいな状態です。割れなどの大きな修理履歴もありません。ネック裏は1~5フレット範囲の高音側に爪による塗装の摩耗がやや目立つほか、ヘッド裏の高音側にもおそらく糸巻つまみ操作の際に爪が接触したことによる傷があります。ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットは1~5フレットでわずかに摩耗見られますが演奏性への影響はありません。弦高値は3.2/4.1mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには1.5~2.5mmの余剰があります。ネックの角度設定が良く、ネックシェイプも薄めのフラットなDシェイプで弦の張りは中庸なので現状でも左手はストレスを感じずに弾くことができますが、お好みに応じて弦高値を下げることは可能です。重量は1.60㎏。

表面板のちょうど1弦12~19フレットの真下部分にはスリットが入れてありますが(指板の下に隠れた部分なので表からは見えません)、これは指板と表面板が接するエリアの木の伸縮による割れ防止のために製作時に意図的に処理されたもので、出荷後に生じたものではありません。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  4,180,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 アルカンヘル・フェルナンデス Arcangel Fernandez
モデル/品番 Model/No.
001_020_arcangel_1_03_160
弦長 Scale Length 655mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1960年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm/6弦 3.6mm

[製作家情報]
1931年スペイン、マドリッド生まれ。1954年に当時サントス・エルナンデスの後継者とされていた名工マルセロ・バルベロ1世の知己を得て、その工房に足繁く通いギター製作を学ぶこととなります。バルベロ1世がその2年後に52歳の若さで他界したあとは自ら工房を立ち上げ、後年には師の息子マルセロ・バルベロ・イーホがスタッフに加わり、共に製作を続けていました。造作、材の選定、そしてなによりも音色に対する一切の妥協を排した製作姿勢は彼の人柄もあいまって孤高の趣を呈し、彼の楽器はそのあまりの完成度の高さゆえに、演奏者に非常な技術の洗練を要求するものとなっております。それゆえに多くのギタリストを刺激し続けている稀有な楽器ですが、2011年に製作を引退。現在ではますます稀少となっている名ブランドの一つです。

[楽器情報]
アルカンヘル・フェルナンデス 1960年製 クラシックモデルUsed、工房を立ち上げて間もない時期の作になります。このブランドのクラシックモデルとしては軽快で明るく乾いた音色で、後のような強靭で粘りのあるストイックな音色とは趣が異なり、円満にスペイン的な音響を備えた個体となっています。発音の感触や反応性もほとんどフラメンコ的とさえ言えるもので、それゆえ右手の演奏性という点でも楽に弾ける感覚があります。表面板の力木構造はアルカンヘル クラシックモデルの定型配置で、サウンドホール上下に1本ずつのハーモニックバー、扇状力木は計6本がセンターの1本を境にして低音側に2本、高音側に3本が設置されており、これらの先端をボトム部で受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。さらに駒板の位置には駒板よりも少し長めの補強板が貼られています。レゾナンスはGの少し上に設定されています。表面板はやはり後年の彼のギターと比較すると薄めで、上記の力木それぞれの加工も彼の楽器としてはややサイズの小さめな加工(一般的には普通の大きさ)になっており、ボディ重量も1.49㎏と軽めとなっています。

表面板のサウンドホール高音側に一部、また指板脇低音側にも演奏時の爪による掻き傷があり一部木地が露出しているところがあります。横裏板はアルカンヘルらしい柾目のブランジリアン・ローズウッド。演奏時に腕や胸の当たる部分はその摩擦による若干の塗装変色があります。裏単のネックヒール近くには10センチほどの割れ修理歴がありますがしっかりと補強修理が施されていますので現状での問題はありません。裏板はおそらく過去に一度取り外されてオーバーホールが施されております。ネックやフレット等の演奏性にかかわる点での問題はありません。糸巻きもオリジナルのフステロよりGOTOH製のアルカンヘルモデルに交換されており、外観的に変色等は見られますが動作状況は良好です。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  4,070,000 円
注文数 :   


株式会社アウラ
〒110-0004
 東京都台東区下谷
 3-3-5アズール上野2F

TEL 03-3876-7207
FAX 03-3876-7206
営業時間 11:00-19:00
 (定休日:毎週水曜日)