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製作家/商品名 ロベール・ブーシェ Robert Bouchet演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.16
001_000_bouchet_03_151
弦長 Scale Length 650mm
国 Country フランス France
製作年 Year 1951年
表板 Top スプルース単板 spruce
横裏板 Back & Sides 楓 Maple
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
〔製作家情報〕
1898年フランスのパリ生まれ。本業の画家としても名声と地位を確立していた彼は1932年ごろから趣味でギター演奏を始めると共に、近くあったフリアン・ゴメス・ラミレスの工房に足しげく通うことになり、徐々に製作にも興味を示す様になりました。
その後1946年には師の影響下、トーレスモデルの製作を開始。その後少しずつ独自の作風を確立し生涯154本の名作を生み出したことは良く知られています。
トーレスモデルからの変遷期にあたる1959年ごろには、プレスティとラゴヤの所有する楽器を製作し、一躍世界にその名を知られる存在になった時期と言えますが、この作品もブーシェ独自の気品ある滋味深い奥行きの有る音色で、まさに銘器と呼ぶに相応しい風格を持つ逸品と言えます。

〔楽器情報〕
横裏板が楓材のブーシェの中でも数本しかない楽器です。初期の作品でトーレスモデルになっています。裏板に割れ修理はありますが、表面板に割れなく良好な状態です。
ネック反りなく弦高弾きやすく調整されています。
音の伸びバランス良好で音はトーレスの響きを持ちながらブーシェ独特の渋い音質も感じられます。
すみずみまで音楽的ニュアンスにあふれ、力強さと繊細さ、ダイナミックな振幅、鋭敏な反応性など、ブーシェ初期の傑作と言える1本です。





品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ロベール・ブーシェ Robert Bouchet演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.103
001_000_bouchet_03_164
弦長 Scale Length 650mm
国 Country フランス France
製作年 Year 1964年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:バンゲント
ナット:象牙
サドル:牛骨
弦 高:1弦 3.5mm/6弦 4.0mm

[製作家情報〕
ロベール・ブーシェ(1898~1986、フランス) 20世紀フランス最大の巨匠であり、現在に至るまでヨーロッパのみならずあらゆるクラシックギター製作に影響を与え続けているまさしく不世出の名工です。その比類なき芸術性と生涯わずか154本のみの製作という稀少性とから、彼の全モデルは現在トーレス、ハウザー1世に次いで最も高値で取引されています。プレスティ/ラゴヤの音響世界の源となり、若き日のブリームを熱狂させ、晩年には国内屈指の美音の持ち主である故稲垣稔氏を魅了したマエストロはまた、フレドリッシュやアントニオ・マリンなどの現代の名工たちの創造的源泉にもなってきました。

1889年フランス、パリの洋装店を営む家に生まれ、幼少より絵画と音楽に親しみ、1919年にまずは画家としての人生を歩み始めます。1932年モンマルトルの丘にアトリエを構え、ここではギターはまだ趣味で演奏をたしなむ程度のものでしたが、近くにスペインから亡命し工房を開いていたフリアン・ゴメス・ラミレスの知遇を得て、初めてギター製作の現場を目の当たりにします。そして1946年に所有していたフリアン作の愛器を失った彼は、それまでつぶさに観察していたフリアンの工房での全工程の記憶を基に、自ら工具や治具を作るところから始め、ついに自らの為のギターを製作します。糸巻の彫刻に至るまで自らの手で細工して完成したギターはその後大変な評判となり、前述の名手たち以外にも次々と注文が入るようになります。

ギターファンには良く知られているように、彼の作風は大きく年代的に2つに分けることができ、最初の1940年代から1950年代半ばにかけてはアントニオ・デ・トーレスを規範としたものとなっていますが、1956年以降は独自の構造を発案し、「パイプオルガンのような」と評されるほどのしっかりとした基音と非常な奥行きを感じさせるきわめて個性的な音響を達成します。

[楽器情報〕
ロベール・ブーシェ製作、1964年製 No.103 ジュリアン・ブリームが購入した4本のブーシェのなかで最後の一本で、名盤「バロックギター」で使用したモデルです。この稀代の名手が愛用したというエピソードを抜きにしても、ブーシェ最盛期の一本として非常なクオリティと芸術性を有した至高の一本と言えるまさに名品です。内部構造は左右対称5本の扇状力木と駒板真下の位置にギターの横幅いっぱいに設置されたいわゆるトランスヴァースバーというブーシェオリジナル配置で、5本の扇状力木はトランスヴァースバーを貫くようにしてボトム部まで伸びています。またサウンドホール下のハーモニックバーは高音側と低音側に開口部が設けられ、一番外側の扇状力木はそこをくぐってサウンドホール近くまで伸びるような配置になっています。レゾナンスはG#~Aに設定されています。

ブリームが生涯に使用したギターは数多く、そのどれもが彼の名演とともにギターファンの記憶にいまも深く刻まれていますが、取り分けロマニリョス、ハウザー、ルビオと並び印象深いのがブーシェとの組み合わせでしょう。1951年にブリームはブーシェの工房を訪れており、同時期に耳にしたイダ・プレスティの演奏に非常な感銘を受けた彼は、ハウザーのあとに使用するギターとしてブーシェを選びます。1957年、1960年、1962年そして1964年製の計4本(一説には5本)のギターをブーシェより購入。彼がアメリカに演奏旅行中、ニューヨークの車中で持参していたブーシェギターが盗難にあい、いまだに見つかっていませんが、これは1962年製のものであるとブリーム自身がインタビューで語っています。そしてそのあとに購入したのが本作1964年製のNo.103となります(ボディ内部の裏板のバーにブーシェ本人のサインがあります)。
ブリームは特にブーシェギター高音の「refinement」に深く魅了されたと語っていますが、そのまるでオーケストラの弦の響きのように密度があり、良く歌う高音部はまさしくブーシェだけの至芸でしょう。低音部もまた実に重厚で深く、そしてニュアンスに満ちており、深度があり同時に明確な発音もやはり素晴らしい。かなりの熟練したタッチが要求されるギターですが、それもまた名品ゆえにこそ。リアルヴィンテージの最高峰と呼ぶにふさわしい究極の一本です。

表面板全体にスクラッチ痕が有りますが割れ等の修理履歴は無く、年代相応の状態。ネック、フレット、ナット、サドル等の演奏性に関わる部分も問題ありません。糸巻きはおそらくオリジナルが故障したのか、過去にヴァンゲント製に交換されています(オリジナルは残っておりません)。塗装はオリジナルのセラック仕様、ところどころに通常使用により生じた色むら等ありますが、特にダメージの強い部分はなく現状問題ございません。






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製作家/商品名 ロベール・ブーシェ Robert Bouchet演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.148
001_000_bouchet_03_177
弦長 Scale Length 650mm
国 Country フランス France
製作年 Year 1977年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ブーシェオリジナル
弦 高:1弦3.6mm/6弦4.5mm

[製作家情報〕
ロベール・ブーシェ(1898~1986、フランス) 20世紀フランス最大の巨匠であり、現在に至るまでヨーロッパのみならずあらゆるクラシックギター製作に影響を与え続けているまさしく不世出の名工です。その比類なき芸術性と生涯わずか154本のみの製作という稀少性とから、彼の全モデルは現在トーレス、ハウザー1世に次いで最も高値で取引されています。プレスティ/ラゴヤの音響世界の源となり、若き日のブリームを熱狂させ、晩年には国内屈指の美音の持ち主である故稲垣稔氏を魅了したマエストロはまた、フレドリッシュやアントニオ・マリンなどの現代の名工たちの創造的源泉にもなってきました。

1889年フランス、パリの洋装店を営む家に生まれ、幼少より絵画と音楽に親しみ、1919年にまずは画家としての人生を歩み始めます。1932年モンマルトルの丘にアトリエを構え、ここではギターはまだ趣味で演奏をたしなむ程度のものでしたが、近くにスペインから亡命し工房を開いていたフリアン・ゴメス・ラミレスの知遇を得て、初めてギター製作の現場を目の当たりにします。そして1946年に所有していたフリアン作の愛器を失った彼は、それまでつぶさに観察していたフリアンの工房での全工程の記憶を基に、自ら工具や治具を作るところから始め、ついに自らの為のギターを製作します。糸巻の彫刻に至るまで自らの手で細工して完成したギターはその後大変な評判となり、前述の名手たち以外にも次々と注文が入るようになります。

ギターファンには良く知られているように、彼の作風は大きく年代的に2つに分けることができ、最初の1940年代から1950年代半ばにかけてはアントニオ・デ・トーレスを規範としたものとなっていますが、1956年以降は独自の構造を発案し、「パイプオルガンのような」と評されるほどのしっかりとした基音と非常な奥行きを感じさせるきわめて個性的な音響を達成します。


〔楽器情報〕
ロベール・ブーシェ製作、1977年製 No.148 状態良好の逸品が入荷致しました。
1986年のその生涯を終えるこの稀代の名工の、最後から7本目となる本作は同時に、最晩年の様式へと移行する直前の貴重な一本とも言えます。

内部構造は左右対称5本の扇状力木と駒板真下の位置にギターの横幅いっぱいに設置されたいわゆるトランスヴァースバーというブーシェオリジナル配置。5本の扇状力木はトランスヴァースバーを貫くようにしてボトム部まで伸びています。またサウンドホール下のハーモニックバーは高音側と低音側に開口部が設けられ、一番外側の扇状力木はその開口部のちょうど真下の位置で止まるように配置(これ以前のブーシェでは開口部をくぐり抜けてサウンドホールの縁まで延伸するように設置されていました)。5本の扇状力木はややセンターに寄り添うように配置されており、トランスヴァースバーは高音側と低音側とで高さとカーブの度合いが微妙に変化をつけて加工されています。またセンターの扇状力木とその両隣りの力木との間に2センチ辺程の小さなパッチ板がサウンドホール下のバーと接するように設置されており、これもこの製作家の特徴的な工夫とされています。レゾナンスはAの少し下に設定されています。

154本全てのギターがそれぞれの個性を持っていると言えるブーシェですが、形容しがたい深みと表情は本器においても十全に聴かれ、クラシック音楽の「デモーニッシュな」部分までも描いてしまう表現力を備えています。硬質な粘りを持った発音で、演奏には特に右手のタッチにおける相当の熟練が必要とされますが、ミートした瞬間の表情の素晴らしさは比肩するものがありません。

本作は製作から45年が経過しておりますが保管状態は良好で、割れ等の修理履歴はありません。また全体に弾き傷等もわずかに微細なものがあるのみで年代考慮すると美品と言えるレベル。ネック、フレット等演奏性に関わる部分も問題ありません。糸巻きはブーシェオリジナル(巻き上げの方向は一般的な糸巻きと同じになっています)で、現状で機能的な問題はなく、トータルに高いレベルを保持した状態の貴重な一本となっています。





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製作家/商品名 ヘルマン・ハウザー1世 Hermann Hauser I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No.
001_017_hauser_1_03_119
弦長 Scale Length 655mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 1919年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 楓単板 Maple
付属品 Option ゲヴァケース黒、 オリジナル証明書(ハウザー3世による)
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板:セラック/横裏板:セラック
糸 巻:ベーカー
弦 高:1弦:2.6mm/6弦:3.6mm

[製作家情報]
ヘルマン・ハウザー1世(1882~1952)。その比類ない完成度と以後のギター界全体への影響の大きさにおいて、20世紀最大の製作家とされ、現在もクラシックギター至高のモデルとしてフォロワーの絶えない「セゴビアモデル」を世に出したことで知られるドイツ、ミュンヘンのブランド(のちに現在のライスバッハに移ります)。

高名なチター奏者、作曲家で製作もした多才な父ヨーゼフ(1854-1939)の影響を受け、18歳のころより自身もチター製作を始めます。ハウザー家が居を構えていたドイツ、バイエルン州のミュンヘンは当時非常にギター文化が盛んであり、ヘルマンはチターだけでなく合奏用ギターやリュート、そして彼の類まれな製作技術を知ることのできる顕著な例として現在でも有名な「ウィンナモデル」や「ミュンヘンモデル」など、父親に負けず劣らず多様で精力的な製作活動を展開しています。この当時まだトーレスから始まるギターの新たな潮流はドイツには入っていませんでしたが、ミゲル・リョベートそしてアンドレス・セゴビアという二人の名手が演奏旅行に訪れたことで、彼らの奏でる音色とともにスペインギターへの文化的需要が急激な高まりをみせます。

ヘルマンは1913年にリョベートに会い、彼の愛器トーレス(おそらく1864年製)に初めて触れ、その構造的革新性と音色の素晴らしさに感動します。そして1916年にもリョベートと再会しその時彼が所有していた1859年製トーレスを仔細に検分する機会を得て本格的にトーレススタイルのスパニッシュギター製作に乗り出します。リョベート自身からも多くのアドバイスを得ていくつもの試作品(と言ってもどれも高度に完成されたものですが)を製作。純粋にトーレスのレプリカに近いものから、それまで自身で作っていた様式とトーレスとを融合したようなものまであり、あるべき音響を求め試行錯誤を繰り返していたことがうかがえます(この時期に製作されたトーレスレプリカのギターは「リョベートモデル」としてのちにハウザー2世、3世によって復刻されます)。

そして1924年、ドイツに演奏旅行で訪れた若き日のアンドレス・セゴビアはヘルマンの製作家としての才能を高く評価し、自身が携えてきた1912年製マヌエル・ラミレス(製作は同工房の職工長サントス・エルナンデス)のギターを見せてコピーモデルの製作を促すことになります。トーレスを再解釈し、より現代的でクラシック音楽の表現にトータルに応え得るマヌエルのギターにヘルマンは感動し、新たに探求と試作を始めます。それから10年以上の時を経て1936年に完成した一本は、トーレス~マヌエル・ラミレスのスタイルを基本としながらハウザー独自の音響感覚を盛り込み極めて高いバランス精度で全体を仕上げたもので、その未聞の音色の素晴らしさにセゴビアは心から感動し「これ以上のものは作らなくてよい」という有名な言葉で称賛しています。その言葉通り、セゴビアは翌年1937年に製作されたヘルマン・ハウザー1世のギターに持ち替え、1962年まで使い続け数多くの名演を生み出してゆくことになるのですが、これがギター史上至高の名品とされる「セゴビアモデル」で、現在の3世、4世(カトリン・ハウザー)に至るまでこのブランドのフラッグシップモデルとなっています。それはギターの完璧な理想形としてワールドスタンダード化しており、世界中の製作家によって研究、フォローされ、また現在でもギタリストたちの垂涎のアイテムとなっています。

ハウザー家は戦禍を逃れミュンヘンからライスバッハに工房を写し、戦後も名品を製作。そのレガシーはハウザー2世(1911~1988)に受け継がれ、よりドイツ的なニュアンスを増した逸品を世に出してゆきます。
その価値はますます上昇し、世界的に有名なオークションでは現在トーレス、ロベール・ブーシェと並ぶ高値で落札されている。


[楽器情報]
ヘルマン・ハウザー1世、1919年製の大変に貴重な一本が入荷致しました。
1913年にミゲル・リョベートと出会い、彼が所有していたトーレスと彼のアドバイスを参考に新境地を模索しながらギターを製作していたころのもの。この時期ハウザーはトーレスにほぼ準拠したモデルと、ハウザー独自の発想も多分に盛り込んだスパニッシュスタイルのモデルとを製作しており、本器は後者になります。ウィンナモデル、ミュンヘンモデルなどの様式をスパニッシュ的音響に相応しいスタイルへとメタモルフォーゼしたような、独特な、そして大変に美しいギターとなっており、また音響的にも模索の時期とは思えぬほどに充実し完成しています。撥弦の指先に吸い付いてくるような発音と、適度に抑制された奥行きのある響きとが絶妙なバランスで、均一な粒立ち、凛とした力強さなど、まさにハウザーならでは。のちの「セゴビアモデル」へとつながってゆく、その萌芽を如実に聴くことができます。

内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、高音側と低音側にはパッチ板による補強がされています。扇状力木は左右対称7本が配置され、ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ大きさのパッチ板が貼られています。ボトム部のクロージングバーはありません。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。

上質な松材と野趣を感じさせるフレイムメイプルはともに地元ドイツ産のものを使用。駒板は白蝶貝のドットインレイをあしらい、サウンドホールのシンプルな同心円ロゼッタとともに外観のさりげないアクセントとなっています。1919年の作ですが、ヘッドシェイプはマドリッド派(マヌエル・ラミレスなど)に類似した形状。ゆったりとした初期ハウザー独特のボディシェイプは優雅で迫力があり、名品にふさわしいオーラを醸し出しています。

2006~07年にかけてハウザー3世(1958~)によってセラックニスによる全面的な再塗装が施されています。表面板サウンドホール付近、指板脇、ブリッジ回りなどに若干スクラッチ跡がありますが、外観をそこねるほどでありません。ネックは真直ぐを維持しており、フレットの摩耗も問題ありません。糸巻きはオリジナルのものでおそらくBaker製(ローラー部分は金属)、こちらも動作良好です。横板のボトム部分に割れ修理履歴があり、内側からしっかりとパッチ補修がされています。駒板は恐らく弦高を下げる為に木部を削りサドルの骨出し処理がされています。ボディ内部のネックブロック部分と低音側横板近くにスタンプあり、高音側横板近くにはハウザー1世自身によって1935年に修理を施した旨の直筆サインがあります。ハウザー3世発行のオフィシャル証明書付。






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製作家/商品名 イグナシオ・フレタ I 世 Ignacio Fleta I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.189
001_019_fletahijos_1_03_160
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1960年
表板 Top スプルース単板 spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
[製作家情報]
1897年スペインのウエスカ生まれ。13歳のとき、フランス人製作家の弦楽器工房で働く為バルセロナに移住。
其処での弦楽器の製作、修理などの技術を習得し、その後独立し、当初は主にチェロを製作していました。
しかしその後1950年にA.セゴビアが演奏したレコードを聴いて感動し、ギター製作に専念することになり、二人の息子と3人でギター製作に専念することになりました。
そして1955年にセゴビアが使用した事により、一躍世界的に有名になったことは良く知られています。

[楽器情報]
フレタ1世(1897~1977)作による大変に状態の良い一本。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。いわゆるトーレスから続く現代のスペインギターの伝統とは若干異質な個性を持ちながら、その異様なまでの深い表現力と、豊かな響きゆえに、キャリアの最初期からセゴビアやジョン・ウィリアムスなどの世界最高レベルの名手たちに注目されていたことはファンの間ではおなじみの話でしょう。
本作はまさにその伝説的な時期の真っただ中の1960年製。この時期のものとしては珍しく割れもなく、大変に良好な状態。
表面板を中心に弾き傷、打ち傷等ありますが、割れなくオリジナル塗装のフレタ1世としては稀な極めて良好な状態で、ネックも反りなく弦高も調整され弾き易くなっています。
音の伸びバランスも申し分なく、まだ若々しい音質で此れからの弾き込みで更に良い響きに育つものと思われます。

[特徴]
表面板は9本の扇状力木を配し、それをハの字型の力木で受け、駒内側に補強板を施したフレタ独特の作りです。
また、サウンドホール上側のネック指板下には横バーが2本有り、表面板の最上部から、サウンドホール直ぐ上の横バーまでほぼ前面に補強板が貼られています。
更にサウンドホール下にも2本の横バーがあります。





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製作家/商品名 イグナシオ・フレタ・エ・イーホス Ignacio Fleta e Hijos演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. N0.904
001_019_fletahijos_2_03_189
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1989年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 4.0mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)と二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。


〔楽器情報〕
イグナシオ・フレタ・エ・イーホス 1989年製 No.904 Usedです。フレタといえば濃密でロマンティックな音色、そして音圧の比類ない力強さといった特徴が1世の時代からブランドイメージとして通底していますが、そういった特性はaverageとして十全に備えつつ、しかし個体ごとのキャラクターはかなり異なり実は多様であることは、現在このブランドを再評価するうえで重要な点だと言えます。本作1989年製のNo.904では、重厚な鳴りという特性のなかに、極めて細やかで繊細な表現力が備わっていることが特筆されます。弱音ではもはやチャーミングとさえ言える音の表情、そしてフォルティッシモにおける音圧としてではなく音楽としての強さ、各音は杉材ならではの艶をまとい、全体は倍音を抑制した硬度の高い響き。音楽における明と暗をしっかりと内包し、奏者は弾きながら有機的なレスポンスを楽器から受ける感覚になります。

内部構造はフレタ1世の構造を基本的に踏襲しながら部分的に相違が見られる配置になっています。サウンドホール上下に2本ずつのハーモニックバー(下側の2本は低音側から高音側にかけて下がってゆくように斜めに、それぞれが微妙に違う角度で傾斜して設置されています)、その下に左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置にあてられた薄いパッチ板、そしてサウンドホール周りを覆うように貼られたやや厚めの補強板という構造。レゾナンスはAの少し上という設定となっています。

Cラウンドのコンパクトなネックシェイプは日本人の手にも握りやすく、弦の張りは中庸からやや強めですが比較的握りやすい感触です。全体は年代相応に細かなスクラッチ傷、塗装のクラックがあるほか、表面板ブリッジ下に2か所5cmほどの割れ補修歴があります(埋め木による大変丁寧な処置がされていますので外観、状態ともに全く問題ありません)横裏板塗装におそらく湿度変化の影響による製作時のブラッシングの跡が浮き出て見えています。ネックはほんのわずかに順反りですが許容範囲のレベルです。またフレットは1~8フレットでやや摩耗しておりますがこちらも現状で演奏性等に影響ありません。糸巻はオリジナルのFustero フレタタイプを装着、こちらも機能性に問題はありません。





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製作家/商品名 マルセロ・バルベロ・イーホ Marcelo Barbero Hijo演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. パラカサ・アルカンヘル・フェルナンデス Para Casa Arcangel
001_021_barberohijo_03_199
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1999年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:フステロ
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
1943年マドリッド生まれ。父は20世紀前半のスペインを代表する名工の一人マルセロ・バルベロ1世(1904~1956)。13歳の時に父バルベロ一世が他界し、最初はホセ・ラミレス3世の工房で修行していましたが、バルベロ1世の弟子であったアルカンヘル・フェルナンデスが自身の工房を開き、1957年にそこへ徒弟として入ることになります。「アルカンヘル・フェルナンデス工房品」のラベルを貼って出荷されたそのギターは実質バルベロ・イーホ本人による完全手工品であり、師アルカンヘルに勝るとも劣らない非常なクオリティを有したものとしてコアなギターファンに愛されました。1990年代後半からは自身のオリジナルラベルでの製作も並行して行い、ますます洗練と充実の高まりを見せていた彼でしたが、2005年1月に早すぎる死を迎えてしまいます。渋くやや硬質な粘りを持ったその音色は師アルカンヘル、さらには父バルベロ1世にまでつながるスペインギター最良の伝統を感じさせ、特に晩年に近づくほどに評価の高まりを見せるその楽器は、まさにスペインギター随一の逸品としての評価を不動のものとしています。


〔楽器情報〕
マルセロ・バルベロ・イーホ製作 Para Casa Arcangel Fernandez(アルカンヘル・フェルナンデス工房品)オリジナルラベルによる1999年製Usedの入荷です。
内部構造はちょうどセンターに配された力木を中心に高音側に3本、低音側に2本の計6本の扇状配置にそれらの先端をボトム部でハの字に配された2本のクロージングバー受け止める配置、そして駒板位置にはパッチ板が貼られています。各力木は太くやや強固な造りで、これはアルカンヘル工房のクラシックモデルでは配置含めてスタンダードな仕様。レゾナンスはGの少し上で設定されています。

ヘッドシェイプはバルベロ~アルカンヘルを踏襲したオリジナルモデルとは異なり「工房品」仕様の形状。しかしその他は使用材のグレード含め(横裏板のハカランダ材はこれ以上ないほどに美しい柾目のものがセレクトされています)、極めて高いクオリティを有しており、この時期のバルベロ・イーホの職人としての充実度がしっかりと見て取れる一本になっています。

その製作キャリアの全般で素晴らしい仕事をしてきた彼ですが、特に1990年代後半から晩年に至る彼のギターはその音楽的表現力の深化という点で素晴らしく、渋く素朴な音色は滋味と力強さを内包しており、良質なマドリッドサウンドの伝統をを体現していると言えるでしょう。発音には師アルカンヘル譲りの独特の粘りがありますがレスポンス早く心地よく、豊かな音量も申し分ありません。

20年以上を経たギターとしては傷は少なめでとてもきれいな状態。割れ等の大きな修理履歴もなく、またネック、フレット、糸巻き等の演奏性に関わる部分も全く問題ありません。




品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ヘスス・ベレサール・ガルシア Jesus Belezar Garcia演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.120
001_belezarJ_1_03_173
弦長 Scale Length 659mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1973年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:フステロ
弦 高:1弦 3.0 mm/6弦 4.0mm


[製作家情報]
ヘスス・ベレサール・ガルシア(1920~1986)
スペイン、マドリッドの生まれ。13歳から機械工として働き始めた彼は同時にフラメンコギターの演奏も本格的に学んでおり、17歳の時にはプロギタリストとして活動も始めていました。1945年、25歳の時に「エルナンデス・イ・アグアド」のブランド名で知られるギターの製作者の一人マヌエル・エルナンデスの娘エミリアと結婚。彼は演奏家として「アグアド」のフラメンコギターを使用していましたが、そのような環境ゆえ次第にギター製作にも興味を持つようになります。そんな彼の気持ちを知ってか、1966年のある日義父のエルナンデスより「アグアド」の後継者になってほしいと相談を持ち掛けられます。当時すでにエルナンデスの相方であるビクトリアーノ・アグアドは身体の不自由を訴え始めており、ブランドの存続を憂いての提案であるとともに、ベレサールの実直な人間性と機械工としての技術の確かさを見込んでのことであったでしょう。彼は製作家になる決心をし、46歳にして一から製作方法を学びます、師匠はもちろんエルナンデスとアグアドの二人。2年間の修行を経て1968年に独立。機械工の仕事も辞し、ギター製作一筋に従事してゆきます。

生涯に製作したのはわずかに83本。彼自身はフラメンコギタリストでしたが、試作品として自分のために製作した最初の一本(No.1)と2本目(No.52)を含む3本のみがフラメンコギター、あとの80本はクラシックギターとなっています。独立後に製作したギターはNo.103から製造番号が付けられており、最後の1本はNo.183 。

師であるエルナンデスとアグアドの製作方法、塗装、デザイン、そして音色的に多くものを顕著に引き継ぎながらも、そのトータルクオリティと芸術性の高さにおいて非常に個性的であり、「アグアドの後継者」という枠に収まらない強固なアイデンティティを持っています。最大の特徴である響きと音色は、どこまでも優しく力強く、独特の肌理を持ち、自在に表情を変えてよく歌い、そして余計なものが何もないといったもので、師のギターが時に「スネアドラムのような」と評されるほどのマッシブな音の迫力を湧出するのに対し、ベレサールは常に揺るぎのないジェントルな強さに満ちています。そしてアグアドのギターがその天才性でしか説明がつかないような個性を放つのと同様に、ベレサールのギターもまたスペインギターの中でも特異な存在となっています。

彼を直接知るひとはみなその優しくまじめな人柄のことを話し、その彼が作ったギターもまた彼の性格そのままに、暖かく耳に心地よい響きを有したものだと語ります。亡くなる直前まで没頭するように製作に従事し、1986年8月28日惜しまれつつその生涯を閉じます。


[楽器情報]
ヘスス・ベレサール・ガルシア 1973年製作のNo.120 クラシックモデル Usedの貴重な入荷です。
ベレサールの製造番号は独立後最初に作られた1本にNo.103があてられているので、本作はブランド設立からは18本目のギターとなります。ふっくらとした優美なライン、ある種の荘厳ささえ感じさせながらあくまでも洒脱なヘッドデザイン、独特な調合によるセラックで深い光沢をたたえた塗装仕上げ等々アグアド的なものを彷彿とさせる外観がまずは非常な魅力となっています。そして音、やや硬めな発音ながらその一粒一粒は心地よい丸みを帯びた弦楽器的な音像で、高音から低音に至るまで重心の安定した響き、そして人間の声のように自然な明暗を備えています。その音楽的表現力は、やはりアグアドと同様に非常な魅力であり、まさに歌う楽器としてのギターの特性を最大限に発揮しています。その表情は可愛らしさから強靭な意志までの大きな振幅で奏者のタッチに応じ、ルネサンス・バロックの楽曲では凛とした清潔感、古典派ロマン派の演奏においては深い憂愁と愉悦まで、あくまでも上品に表現する素晴らしさ。師のギター同様に奏者にはタッチの熟練と相性が求められますが、フィットした時の豊かな感触はやはり真の名品ならでは。

内部構造も1960年代後半のアグアドギターにほぼ準拠。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、サウンドホール真下の位置から高音側横板に向かって斜めに下りてゆくように配された1本のトレブルバー、扇状力木はセンターに配された1本を境にして高音側に2本と低音側に3本の合計6本、それらの先端をボトム部で受け止める2本のハの字型に配置されたクロージングバー、ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ大きさのパッチ板が貼られているという全体の配置。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

ボトム部の左右横板接合部に隙間と割れの補修履歴あり、またくびれ部分のパーフリング隙間補修歴があります。細かなスクラッチ、弾き傷等はありますが年代考慮すると比較的良好な状態。裏板塗装は全体に細かなひび割れが生じていますがさほどに外観は損ねず、また継続しての使用にも影響はありません。製作からほぼ50年を経たギターとしては良好な状態を維持しています。ネックは厳密にはほんのわずかに順反りですが演奏性等に影響はないレベル、フレットも適正状態を維持しています。ネック形状は薄めでフラットなDシェイプ、弦は中庸からやや強めの張り、弦長も660㎜ですが弾きにくさを感じません。ボディ重量は1.51Kg。

製作数の少なさという点からとは別に、おそらくはスペインギター史の中でも唯一「アグアド」の音響哲学を継承し体現したブランドという意味において、大変に貴重なブランド、貴重な一本です。






定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ポール・フィッシャー Paul Fischer
モデル/品番 Model/No. アルト  No.968
001_fischerP_1_02_198
弦長 Scale Length 540mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1998年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板:ラッカー/横裏板:セラック
糸 巻:ライシェル
弦 高:1弦 3.0 mm/6弦 3.4mm


〔製作家情報〕
1941年イギリス生まれ。オックスフォードに育ち、同地に工房を開きます。Robert Gobleのもとでハープシコードの製作を学び、またその他の楽器に対する造詣も深く、ヨーロッパ的な伝統に広く通暁した知性的な製作家として知られています。同国の名工デビッド・ホセ・ルビオの工房で1969年より職人としてギター製作に従事し、職工長としてPFのスタンプが許されます(PFのイニシャルが刻印されたルビオギターは現在も中古市場で愛好家の高い評価を得ています)。1975年に独立して工房を設立。最初はルビオ的な構造を踏襲したギターでしたが、これまでの研鑽とオックスフォード大学で学んだ経験をもとに、科学的な見地から音響と構造の関係を探求、独自の力木配置によるギターを製作し始めるようになります。その結果音色と音響は高度に洗練され、従来のギターでは得られなかった均整感、個性的な発音を備えた楽器となり、音響バランスにこだわる多くのプロギタリストたちから高い評価を得て、20世紀の最後に世界で最も売れたブランドの一つとなります。


〔楽器情報〕
ポール・フィッシャー製作のアルトギター、1998年製 No.968 Usedの入荷です。彼のフラッグシップモデルとなるConcervatoire や Virtuosoのハイスペックな仕様をそのまま落とし込んだようなギターで、極めて充実したアルトとなっています。アルトの基本チューニングはB、E、A、D,F#,Bとなっていますが、レキントチューニング(A、D、G、C、E、A)に落としてご使用頂く事も可能です。ギターオーケストラ合奏用として、また民族音楽などの演奏等でお楽しみ下さい。

表面板に2カ所割れ修理履歴がございますがいずれも適正な補修(接着後に内側よりプレートにて補強)がされており、今後の使用には問題ございません。ネックは真っすぐを維持しており、フレットもほぼ摩耗なく良好な状態。糸巻きはドイツ製高級糸巻きライシェルを装着し、こちらも動作状況問題ありません。専用ハードケース付き。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  330,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 トーマス・ハンフリー Thomas Humphrey演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. ミレニアムモデル
001_humphrey_1_03_01
弦長 Scale Length 650mm
国 Country アメリカ USA
製作年 Year 1993年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド South American Rosewood
付属品 Option 軽量ケース付属
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 4.2mm


[製作家情報]
トーマス・ハンフリー(1948~2008)アメリカ、ミネソタ州生まれ。かなり若い時からチェロを本格的に学んでおり、本人曰くこれがギター製作の大きなバックグラウンドになったとのこと。1970年にニューヨークを訪れ、同地にギターショップを構えていたマイケル・グリアンに弟子入りし、働きながら11年にわたり製作を学びます。1981年にロサンジェルスに訪れた際に彼はあの名手アンドレス・セゴビアの主宰するマスタークラスの洗礼を受け、さらには同地の著名なコレクターの所有するスペイン製の多くの名器に触れたことで彼は自身のたどるべき道を確信します。直後の1982年には一年をかけてスパニッシュギターの研究に費やし伝統的な工法を完全に熟知すると同時に、あの真に革新的なMillenniumモデル製作の実践も始め、1985年には試作第一号を製作します。Millenniumモデルの最大の特徴は表面板の指板横のエリアをネックヒールに向かって薄くなるように傾斜させることで必然的に12フレット以降の指板が盛り上がったような設定になり(Raised fingerboard)、ハイフレットでの演奏性を向上させるとともに表面板の弦振動効率を上げ、高い演奏性と音量の増大というクラシックギターの「弱点」を克服するとともに、その「ハープのような」ヴィジュアルによる特異なルックスがあげられます。そしてそのギター製作における歴史的な意味は大きく、その後多くのフォロワーを生み出すとともに、エリオット・フィスクやアサドなどヴィルトゥオーゾらの高度な要求にも完璧に応えうるモデルとして、モダンギターの一つのスタンダードとなりました。

同時代のアメリカを代表する製作家であるロバート・ラック、ジョン・ギルバートらと並ぶ、アメリカ発モダンギター最大の巨匠の一人とされましたが、2008年4月に急逝。

[楽器情報]
トーマス・ハンフリー 1993年製作のMillennium ミレニアムモデル Used です(Pat No.4873909)。ハンフリーの代表作であり、G.スモールマンのLattice構造、M.Damann のダブルトップ構造と並びモダンギターのスタンダードを創出した稀有なモデル、比較的初期の極めて完成度の高い一本。

その「ハープのような」特徴的ルックス(12フレットで指板の表面板からの高さが2.7cm、20Fでも1.5cm)がクローズアップされがちですが、ハンフリーの創造性はむしろその音響にあるといえるでしょう。表面板のアッパー部分を大胆に傾斜させて薄くしたボディは逆にその容積の縮小を活かして発音の反応性を高めると同時に、内部構造ではトーレス以前のスパニッシュスタイルを想起させるシンプルな扇状力木配置を採用することで音量を増大、それらを無理なく融合させてしまった設計センスと革新性はやはり素晴らしい。機能性とデザイン性とが極点に達したところで生まれたモデルとして、いまなお新しさに満ちた一本です。

音色は意外にも温かく優しく、耳に心地よい響き。発音ではタッチとのシンクロ率の高さはモダンギターならではで、瞬間的に充実した音像が発され、急な終止やスフォルツァンドの十全な表出まで音響的機能性も申し分ありません。

その後も様々な配置設定を試みてきた彼ですが、ここでの内部構造はサウンドホール上側に2本のハ-モニックバーを交差させるXブレーシング配置に、下側は1本のハーモニックバー、そして扇状力木は3本がほぼサウンドホールの直径に収まるように中央に寄せて配置されており、それらの先端をボトム部で受け止めるクロージングバーは3本(通常は2本)を設置するという全体の配置。これは先述のようにアントニオ・デ・トーレス以前の19世紀初頭のスパニッシュスタイルを想起させるところがあり、特に3本と少ない扇状力木を表面板中央に寄せ合って配置する設計にそれが見て取れます。レゾナンスはGの少し上に設定されています。

柾目の見事なハカランダを使用。全面セラック塗装仕上げで年代相応のキズはありますが割れ等の修理履歴はなく良好な状態です。表面板は指板脇やサウンドホール周り、ブリッジ下などにやや傷は目立ちますがこちらも年代相応のレベル。糸巻はGotoh 製510シリーズを装着(ハンフリーは初期においてGotoh製を好んで使用していました)。20フレット仕様。重量は1.64㎏。







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