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製作家/商品名 佐久間 悟 Satoru Sakuma
モデル/品番 Model/No. ロマニリョスモデル No.39
005_03_sakuma_02_212
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2012年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option 軽量ケース 茶
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック
   :横裏板 セラック
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 2.6mm/6弦 3.5mm

[製作家情報]                                  
佐久間悟 Satoru Sakuma 1973年 長野県上田市生まれ。現在も同地の工房にて製作を続けています。関西外国語大学スペイン語学科在学中より楽器製作に興味を持ち、20歳の頃に同じ長野県に工房がある製作家 石井栄氏に指導を仰ぎます。卒業後も会社勤めをしながら独自に製作を継続。2001年には渡西しスペインのシグエンサにて名工ホセ・ルイス・ロマニリョスの講習会に参加し直接指導を受けます。また同じ講習会にアシスタントとして参加していたゲルハルト・オルディゲスらにもアドバイスを受け、彼らの伝統工法による徹底した製作姿勢に触発され、自身の方向性を確信。帰国後本格的に製作を開始し、現在に至るまでそのスペイン伝統工法を規範として製作を続けています。
彼の楽器はオリジナルでもレプリカモデルにおいても一貫して角の取れたふくよかな音像と木の響きをダイレクトに感じさせるような素朴な音色とを備えており、それは彼の音色嗜好を如実に表すとともに、特に日本人の好みにフィットする独特の感触があります。プロアマ問わず近年ますますその評価と人気を高めている製作家の一人。

[楽器情報]
佐久間悟 製作のロマニリョスモデル 2012年製 No.39 Usedです。氏のブーシェモデルと並んで現在もカタログにラインナップされている代表モデルの一つ。その名の通りスペインの名工ホセ・ルイス・ロマニリョス(1932~2022)のギターに準拠したモデルで、その外観的特徴とされるヘッドシェイプを採用し、内部構造もロマニリョスオリジナルの設計によるものとなっています。ただしあの有名なロゼッタ(コルドバのモスク柱廊をモチーフとしたデザイン)は本器では佐久間氏オリジナルのデザインに変えられています。

表面板力木設計はロマニリョスオリジナルに正確に準拠。サウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本で計3本のハーモニックバーを配置。3本すべてのバーの高音側と低音側とに1か所ずつ長さ4センチ高さ3mmほどの開口部が設けられ、これらの開口部を垂直に交わるように(つまり表面板木目と同方向に)通過する形で高音側2本、低音側2本の力木がボディの肩部分からくびれ部分まで伸びるように平行に設置されています。そしてボディ下部(くびれより下の部分)は、左右対称7本の扇状力木に、センターの1本以外の6本の先端をボトム部で受け止めるようにちょうど逆ハの字型に設置された2本のクロージングバー、ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ範囲をカバーするように薄い補強板が貼られているという全体の構造。表面板と横板の接合部には大小のペオネス(三角形型の木製のブロック)を交互にきれいに設置してあります。これらの配置的特徴はホセ・ルイス・ロマニリョス著「Making a Spanish Guitar」の中ではPlan1として掲載されているものと同じもので、トーレス=ハウザー的スタイルをロマニリョスが再構築したものとしてスタンダード化している設計の一つとなっています。レゾナンスはF~F#の間に設定。現在の佐久間氏による同モデルではこのPlanは採用されておらず、トーレス的な扇状力木配置をセレクトしています。

ロマニリョスがこの設計においてトーレス/ハウザースタイルから弁証法的に自身の音響を創出し、あえて強引に言えばギター製作史におけるポストモダン的な試みをしたともいえますが、佐久間氏が同設計によって着地させた響きは私的ともいえるほどに氏のキャラクターとなっているところがとても面白い。ここでは厳粛さと親密さが一緒になったようなロマニリョスの音から離れ、全体が奥ゆかしく柔和で、しかし表情は凛とした、日本的ともいえるようなたたずまいの中に着地しています。氏のギターの共通した発音特徴と言える、木の柔らかな反発感とともに凛とした音像が木質のものに包まれて発されるふわりとした感触は本作でも顕著で、表情も華やか過ぎずに抑えたものになっています。

かなり弾き込まれており、全体に弾き傷、スクラッチ、打痕が多くあります。またセラック塗装のムラなどが特に横裏板に見られます。ネック裏からヘッド裏に至るエリアも細かなキズが多くありますがこれらは特に深いものや楽器本体の保持に影響を与えるほどではなく、現状で継続使用には問題ありません。また表面板は薄い加工のためかサウンドホールと駒板の間でやや凹みが見られ、その他の箇所もわずかな歪みが生じていますが、こちらも現状で継続使用に影響はないレベルです。割れ等の大きな修理履歴はございません。ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットは全体に摩耗あり(特に1~7フレット)ますが演奏性には影響ありません。弦高値は2.6/3.5mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.0~1.5mmあります。糸巻はスローン製を装着しこちらも機能的に良好です。重量は1.49㎏。

新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 アルベルト・ネジメ・オーノ Alberto Nejime Ohno
モデル/品番 Model/No. サントスモデル エスペシャル・リオ
005_04_nejime1_02_198_01
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 1998年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option 軽量ケース(スーパーライトケース)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック
   :横裏板 セラック
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 2.8mm / 6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
アルベルト・ネジメ・オーノ Alberto Nejime Ohno(禰寝孝次郎)1952年生まれ。1979年にスペインに留学し、グラナダの名工アントニオ・マリンにギター製作を師事。2年に及ぶその期間中彼はほとんど家族の一員のようにして製作を共にし、単に技法の習得だけではなくその土地の文化風土や人間性をも吸収しながらスペインの伝統工法を学んでいます。帰国後に発表した彼の楽器は、感性的な領域にまで深くスペインのニュアンスを染み込ませた逸品として、国内では初めての本格的なスパニッシュギターと評価されるようになります。1988年にはチェコスロバキア・クツナホラ国際ギター製作コンクールにてグランプリを受賞し、国際的にもその実力は高く評価されるようになります。他の追従を許さぬ美しく気品のある外観の仕上がりと、重厚かつ濃密で艶やかな音色と十分な遠達性を備えた作風は近年益々円熟味を加え、師のアントニオ・マリン同様にマニア垂涎の楽器として、現在その評価は不動のものとなっています。また製作と同時に後進の指導や執筆活動にも尽力し、 第一回アマチュアギター製作コンテスト審査員、スペインにて第7回コリアギター講習会参加、ギター製作家in八郷審査員をつとめるなどのほか、雑誌<現代ギター>に「君もギタービルダー」を連載、愛好家からの大きな反響を得て「スペイン式クラシックギター製作法」として書籍化されています。2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。

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〔楽器情報〕
アルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝孝次郎)製作のサントス・エルナンデスモデル Especial Rio 1998年製 Usedです。サントス・エルナンデス(1874~1943)という、氏にとって取り分け特別な製作家であるだけに、その深い矜持が造作と音響の全てにゆきわたった見事なモデル。時期的にもクツナホラでのコンクール受賞から10年目の円熟期へと向かう頃のものだけに、現在の氏のギターとはまた異なる迫力が造作と音響の双方において感じられ、特に音色とその表現力のレベルは当時の国内の最高のレベルを体現したものと言えるでしょう。モデル名が示す通り非常に上質な松材とブラジリアン・ローズウッドが使用されており、経年の変化は若干ありますが、繊細極まりないセラック塗装の質感が醸し出す、全体に凛とした気品漂う外観もこのブランドならでは。

表面板力木配置は、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、これら2本の間、サウンドホールの両脇に1枚ずつの補強プレート、そして左右対称の7本の扇状力木がボディウェストより下側をまんべんなく覆うように設置されており、駒板位置の補強プレートやボトム部にクロージングバーのない設計で、原案となるサントス・エルナンデスの特徴的な配置パターンの一つを踏襲したものになっています。レゾナンスはG~G#に設定されています。

サントスが確立したともいえるスペイン的な音響設計を禰寝氏が再解釈、再構築したような音響で、オリジナルサントスにおいてはそのしばしば不均整な音が逆に独特の肌理を生み出していたのに対し、禰寝氏はそうした各音の不均整を美しく整えたうえで、高音、中低音、低音のそれぞれを大胆と言えるまでにアイデンティファイし、全体で非常な立体感と彫塑感を生み出すことに成功しています。特に中低音から低音部の活き活きと自然なうねりを持って現前してくる音が魅力的で、これに高音がさらっとした触感の角の取れた音像でしっかりと歌い、歌と伴奏のこの対比、そして旋律におけるいかにもスパニッシュな身振りが素晴らしい。各部がそれぞれの特性を備えながら、全体としての響きは実に心地よく着地している、その製作家としての技量と音感のセンスはやはり見事というべきでしょう。

割れや改造などの大きな修理履歴はなく、表面板サウンドホール付近などにわずかなスクラッチ、弾き傷など細かなものがあるのみで他はほとんど傷のないとても綺麗な状態です。ネック、フレット等の演奏性に関わる部分も良好です。ネックはやや薄目のDシェイプで左手のフィット感が良く、弦の張りも中庸なので全体に弾き心地良く感じます。弦高値は2.8mm/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)サドル余剰は0.5~1.0mmあります。糸巻きはスローン製のLeaf柄モデルを装着。ナットとサドルそしブリッジの弦を巻きつける部分の意匠には象牙が使用されています。



品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 アルベルト・ネジメ・オーノ Alberto Nejime Ohno
モデル/品番 Model/No. ブーシェモデル
005_04_nejime1_02_215
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2015年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option スーパーライトケース(黒)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック
   :横裏板 セラック
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 3.3mm/6弦 4mm

〔製作家情報〕
アルベルト・ネジメ・オーノ Alberto Nejime Ohno(禰寝孝次郎)1952年生まれ。1979年にスペインに留学し、グラナダの名工アントニオ・マリンにギター製作を師事。2年に及ぶその期間中彼はほとんど家族の一員のようにして製作を共にし、単に技法の習得だけではなくその土地の文化風土や人間性をも吸収しながらスペインの伝統工法を学んでいます。帰国後に発表した彼の楽器は、感性的な領域にまで深くスペインのニュアンスを染み込ませた逸品として、国内では初めての本格的なスパニッシュギターと評価されるようになります。1988年にはチェコスロバキア・クツナホラ国際ギター製作コンクールにてグランプリを受賞し、国際的にもその実力は高く評価されるようになります。他の追従を許さぬ美しく気品のある外観の仕上がりと、重厚かつ濃密で艶やかな音色と十分な遠達性を備えた作風は近年益々円熟味を加え、師のアントニオ・マリン同様にマニア垂涎の楽器として、現在その評価は不動のものとなっています。また製作と同時に後進の指導や執筆活動にも尽力し、 第一回アマチュアギター製作コンテスト審査員、スペインにて第7回コリアギター講習会参加、ギター製作家in八郷審査員をつとめるなどのほか、雑誌<現代ギター>に「君もギタービルダー」を連載、愛好家からの大きな反響を得て「スペイン式クラシックギター製作法」として書籍化されています。2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。

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〔楽器情報〕
アルベルト・ネジメ・オーノ 2015年製作 ブーシェモデル Usedの入荷ですフランスの名工ロベール・ブーシェの名を冠したモデルで特徴的なヘッドシェイプなど外観的に準拠している部分もありますが、内部構造などは禰寝氏のオリジナルになります。表面板指板脇やサウンドホール周り(特に高音側)、駒板下やボトム付近などに傷や打痕ありますがいずれも浅く細かいものでさほどに目立ちません。横裏板は演奏時に胸のあたる部分などに衣服等擦れあと、また支持具の脱着跡がありますがこちらもかすかなもので外観を損なうものではありません。ネックはやや順反りですが問題のないレベル、ネックシェイプは普通の厚みのDシェイプでややスクエアな形状となっており、近年の厚みのある仕様とは異なりグリップ感はコンパクトになっています。

新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 アルベルト・ネジメ・オーノ Alberto Nejime Ohno
モデル/品番 Model/No. オリジナルモデル Original model
005_04_nejime1_02_216_01
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2016年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option SKB セミハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:表板 セラック
   :横裏板 セラック
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 2.7mm / 6弦 3.6mm

〔製作家情報〕
アルベルト・ネジメ・オーノ Alberto Nejime Ohno(禰寝孝次郎)1952年生まれ。1979年にスペインに留学し、グラナダの名工アントニオ・マリンにギター製作を師事。2年に及ぶその期間中彼はほとんど家族の一員のようにして製作を共にし、単に技法の習得だけではなくその土地の文化風土や人間性をも吸収しながらスペインの伝統工法を学んでいます。帰国後に発表した彼の楽器は、感性的な領域にまで深くスペインのニュアンスを染み込ませた逸品として、国内では初めての本格的なスパニッシュギターと評価されるようになります。1988年にはチェコスロバキア・クツナホラ国際ギター製作コンクールにてグランプリを受賞し、国際的にもその実力は高く評価されるようになります。他の追従を許さぬ美しく気品のある外観の仕上がりと、重厚かつ濃密で艶やかな音色と十分な遠達性を備えた作風は近年益々円熟味を加え、師のアントニオ・マリン同様にマニア垂涎の楽器として、現在その評価は不動のものとなっています。また製作と同時に後進の指導や執筆活動にも尽力し、 第一回アマチュアギター製作コンテスト審査員、スペインにて第7回コリアギター講習会参加、ギター製作家in八郷審査員をつとめるなどのほか、雑誌<現代ギター>に「君もギタービルダー」を連載、愛好家からの大きな反響を得て「スペイン式クラシックギター製作法」として書籍化されています。2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。

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〔楽器情報〕
アルベルト・ネジメ・オーノ (禰寝孝次郎)2016年製作のオリジナルモデル Usedです。日本のギター製作におけるスペイン式伝統工法の最初の本格的な伝承者とされ、その製作法に関する著書も著している氏が、実は邦人製作家の中では比類のないイノヴェイティヴな作家であることは意外に語られることがありません。それは氏自身が全くそれについて喧伝することも語ることさえなく、またしばしばそれはあくまでも伝統的なスタイルを踏襲したうえで為されてしまうため誰もがそれに気づかず納得してしまうというこれまでの受容のありかたにも起因しているといるかもしれません。2016年作の本器は氏の近作にまで通底することになる、数々のオリジナル設計のうちでもスタンダードと言えるスタイルで作られており、そして大変に個性的な音響を創出するに至っています。

表面板力木配置はむしろとてもシンプルなもので、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつの強固なハーモニックバーを設置、ネック脚は上側ハーモニックバーに接するぎりぎりのところまで伸びており、サウンドホール周りにはちょうどロゼッタ範囲をなぞるようにして同心円的に補強板が貼られています。これが表面板の上部の構造で、シンプルですがしかし上部エリアをしっかりと効果的に支える構造が工夫されています。サウンドホールまわりの補強板はネック側はハーモニックバーのところで円周が切断されていますが、ブリッジ側はそのままハーモニックバーを通り抜けて円周が継続しており、後述する扇状力木のうち中央3本の上端はこのハーモニックバー下にはみ出たエリアの上に位置しています。

表面板下部エリアは左右対称7本の扇状力木とV字型に配置された2本のクロージングバーという設計。ここで2本のクロージングバーは通常のギターではすべての扇状力木の下端を受け止めるようにしてボトム近くの位置に設置されるのですが、ネジメ氏の設計ではブリッジの真下に近い位置で、7本の力木のうちセンターと一番両外側の力木との間を繋ぐようにそれぞれ一本ずつを設置し、間の2本ずつ、計4本の力木のみの下端を受けとめるような配置関係になっています。この4本の力木の下端はクロージングバーに組み込まれており、センターと両端の合わせて3本の力木のほうはその下端をボトムのすぐ近くまで伸ばしています。レゾナンスはAの少し下に設定されています。

ネジメ氏にまさに特有の、強い力で打つようにして地に音を貼り付けてゆくような独特の重力感と粘りを持った発音で、これが響箱の奥底からパーカッシヴな感触で鳴ってくる、この触覚的な発音と空間的な音響との融合がもたらすどこかアンビヴァレンツともいえる効果がなんとも個性的で、そして素晴らしい。重厚でスマート、ストイックでロマンティック、明朗であり深い翳のある、唯一無二といえる音色表情が達成されています。これがもちろんのこと、曲の(特にクラシックの)表現において微妙な感情の機微や移ろいの表現に寄与しており、奏者を時に挑発さえする喚起力を備えています。

全体はセラック塗装による仕上げで、オリジナルスペックを維持しており、割れや改造等の大きな修理履歴はありません。表面板は指板両脇からサウンドホール周りにかけてのエリア、また駒板下部分など弾きキズ等細かなキズが多くあります、また同じくボトム付近のエリアでは3~5mmほどの打痕が数か所、3cmほどの搔きキズなどもあります。横裏板は衣服等によるわずかな摩擦あとと経年による自然な塗装の変化のみできれいな状態を維持しています。ネック裏もわずかなキズのみとなっており、外観的また演奏時の感触的にも気にならないレベル。ネックは順反りですが弦高値の設定と演奏性的に問題ないことから現状のままとしています。フレットは正常値を維持しています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ。弦高値は2.7/3.7mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.0~1.5mmとなっています。糸巻はSloane製を装着しており、現状で機能的な問題はありません。重量は1.95㎏。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 禰寝 碧海 Marin Nejime
モデル/品番 Model/No. 90号 アウラオリジナルモデル
005_04_nejime2_02_223
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2023年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option スーパーライトケース 黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板/セラック
   :横裏板/セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm / 6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
禰寝碧海(ネジメ マリン)1986年生まれ。アルベルト・ネジメ・オーノの名称でギター製作を行っている禰寝孝次郎氏の息子。父、孝次郎氏の影響下のもと幼少より音楽と工作に興味を持ち、2009年自由学園を卒業後本格的にギター製作の道を進むことを決意します。何度かの訪西の後、2012年9月には長期間グラナダに滞在し、父の師匠でもある名工アントニオ・マリン・モンテロに師事。スペインの伝統工法に立脚した製作法で、そこに瑞々しく個性的な音響的特性を盛り込んだ彼の楽器は、実に新鮮な感覚にあふれたものとなっており、1本として同じものがありません。また造作と塗装の精度の高さと美しい仕上がりも父と師匠とに劣らぬ素晴らしいもので、外観のこの上ない凛とした気品に結実しています。

海外でも高い評価を得ており、2017年にはグラナダの国際ギターフェスティバルの製作コンクールで入賞。現在は年に5~6本前後のペースで製作。左記のグラナダ製作コンクール入賞モデルの他、2種のアウラオリジナルモデル、そしてダニエル・フレドリッシュモデルなどがあり、それぞれが個性的な特徴を備え、ギターファンからの評価も益々の高まりを見せています。2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。

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オルフェオ取材同行記 栗山大輔、清水優一、禰寝碧海編はこちら


〔楽器情報〕
禰寝碧海 製作によるオリジナルモデル、2023年製・中古品の入荷です。
本器は、もともと海外展示会向けの展示品として使用されていた楽器となります。

文字通り独自の構造的アイデアを随所に盛り込みながら、彼の出自であるグラナダ・スクール、そして父・禰寝孝次郎の特徴的な音響思想を、自身の嗜好の中で巧みに融合。その結果として、他に類を見ない現代的なサウンドを生み出しています。
高く抜けていくグラナダ特有のサウンドに異質な要素を加え、一気に艶やかで洗練された音へと昇華させる清冽さは、これまでの彼の作品にも一貫して通底する大きな特徴です。ただしそのアプローチは毎作異なり、一作ごとに新たな工夫と試みが積極的に取り入れられています。

内部構造は、サウンドホール上下に各1本ずつ配されたハーモニックバー(下側バーには高音側・低音側それぞれに開口部を設置)、7本の扇状力木、2本のクロージングバーという構成です。通常、クロージングバーはボトム付近で全ての扇状力木の先端を高音側・低音側それぞれで受け止める配置とされますが、本作では駒板寄りに設置され、ボトムまで伸びるセンターと最外側の力木を除いた4本(高音側2本、低音側2本)のみを受け止める構造となっています。
さらに最外側の力木は、ハーモニックバーの開口部をくぐり抜け、サウンドホール上側のハーモニックバーまで延伸されています。配置自体は左右対称でありながら、高音側と低音側で力木の形状や厚みを変え、横板の厚みもそれぞれ異なる設定とすることで振動効率に変化を持たせ、従来とは異なる音響バランスへとまとめ上げています。レゾナンスはG♯のやや上に設定されています。

密度の高い音がタッチに吸い付くように立ち上がり、十分なサスティーンと程よい奥行きを伴って鳴ります。単音での凛とした音像、和音やアルペジオで感じられるオーディトリアム感、その対比によって生まれる表情のパースペクティブは非常に魅力的です。また、全面セラック仕上げの繊細さ、Dシェイプでフラットに加工されたネックのグリップ感、両手の演奏性も秀逸です。

外観上の傷はほとんど見られず、全体的に大変良好なコンディションを保っています。入荷時には製作者本人によるメンテナンスが施されており、安心してお使いいただけます。
また、製作者は毎月ショップへ来店しているため、ご購入後のアフターケアについても万全の体制で対応可能です。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 桜井 正毅 Masaki Sakurai
モデル/品番 Model/No. No.305
005_10_sakuraiK_02_181
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 1981年
表板 Top 杉 Solid Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ギグバッグ グレー
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 カシュー
   :横裏板 カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm / 6弦 3.5mm

〔製作家情報〕
桜井正毅 Masaki Sakurai 1944年東京生まれ。1967年上智大学電気電子工学科卒業と同時に、河野ギター製作所に入社し研鑽を積みます。1988年には第4回パリ国際ギター製作コンクールで第1位を獲得。その時受賞したモデルと同デザインのものがその後P.C(Paris Competition)モデルとして氏のラインナップの中でも特に人気のアイテムとなっています。
河野賢が1998年に亡くなった後は工房を引継ぎ、河野ギターを「桜井・河野」ラベルとして継承しながら、同時に自身のブランド桜井正毅としても精力的に製作を続けます。工作精度が高く、良材を使用した美しい外観はこのブランドの特徴ですが、特に日本人の体格や好みにあった抜群の演奏性と安定感は海外でも絶大な人気を博し、師の河野同様に世界的な名声を獲得してゆきます。河野ギター製作所はその後、河野賢の孫にあたる君島聡が入所し、桜井氏のもとで研鑽を積んだのちに2021年より独自のラベルでのラインナップを開始、若き後継者を加えて製作所はさらに充実した生産体制を確立します。2025年7月に81歳で永眠。

〔楽器情報〕
桜井正毅 No.305 1981年製 Usedです。国内での足固めを十分に行ったあと1988年にパリの国際コンクールで優勝することに先立つ、氏のキャリア初期と言える時期のもの。しかしながら師である河野賢の薫陶を受け、この時には十全にその製作ノウハウを受け継いでいたであろう本作は、氏ののちのラインナップと比較しても遜色のない仕上がりとこのブランド特有の音響をしっかりと確立していたことが体感できる一本となっています。表板は杉材を、横裏板には中南米ローウッド材を使用した本作は当時のラインナップの中でもハイスペックなモデルだったと考えられます。

表面板内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に一本、下側(ブリッジ側)に大小異なるサイズの2本のハーモニックバー、サウンドホール周りは3mm以上の厚みをもつ補強板で囲み、扇状力木はセンターに配された1本を境に高音側に3本、低音側に2本の計6本をほぼ平行に近い形で配置、駒板位置には横幅いっぱいに補強プレートが貼られ、そこから少しボトム寄りのところに6本の扇状力木の範囲で細く低いバー、そしてボトム付近には1本のクロージングバーが扇状力木6本の下端を受けとめるように設置され(実際には高音側から2番目の力木のみこのバーを通過しボトムまで到達しています)。全体は6本の扇状力木と合計5本のバーとがほぼ直角に交わるような位置関係を構成しており、これは河野賢のギターや桜井氏自身ののちの設計に現れるようなより複雑な格子状配置のシンプルなヴァージョンとみることもできるものになっています。力木とバーはすべてサイズ、高さともに設定が異なっており、全体の統一的音響バランスを模索したこのブランドならではの設計になっています。レゾナンスはG~G#に設定されています。

表面板は指板両脇に割れ補修歴があり、高音側のものは内側よりパッチ補強処理がされています。また駒板高音側脇に1ヵ所、駒板下端からボトムにかけて1ヵ所の割れ修理歴があり、これらは2か所とも内側パッチ補強処理がされています。表面板は全体に一度カシューによる上塗り又は再塗装がされています。横裏板はオリジナル塗装のままで割れ等の履歴はなく、全体に塗装の若干の白濁化はみられるものの衣服等による細かな摩擦跡のみの比較的きれいな状態を維持しています。ネック、フレットなど演奏性に関わる部分は良好です。ネックはごく普通のDシェイプ。弦高値は3.0/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は2.5~3.0mmありますのでお好みに合せてさらに低く調整することも可能です。


定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  297,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 西野 春平 Shunpei Nishino
モデル/品番 Model/No. TYPE30
005_12_nishinoS_02_195
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 1995年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板 ラッカー
   :横裏板 ラッカー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.2mm / 6弦 4.2mm

〔製作家情報〕
西野春平 Shunpei Nishino 1947年茨城県の日立市生まれ。10代よりギターの製作を始め、1964年17歳の時に黒澤常三郎の工房に弟子として入門。1969年には独立して所沢に工房を設立。以来、その製作キャリア初期より傾倒していたハウザー1世ギターを研究した成果を活かし、音響バランスに優れたギターを作り続けています。国内の製作家としてはいち早くエレガットの製作にも着手するほか、その類まれな工作精度からアコースティックギターの分野からもオファーが相次ぎ、少数ながらこちらも良質なモデルを製作。しかしながら氏の特徴と美学が最もあらわれているのはのはなんといってもハウザーモデルと言えるでしょう。その造作の美しさ、艶やかな音色、音響の見事なバランスはハウザーの名前に恥じない仕上がりをどの個体でも常に維持しており、使用材もまたこの価格帯では申し分のないグレード。コストパフォーマンスの点でも国内屈指と言ってもよいブランドです。

〔楽器情報〕
西野春平 Type30 1995年製 Used の入荷です。製作当時30万円定価のモデルですが、横裏板は中南米ローズウッド仕様で現在のこのブランドのリスト中ではNo.50(定価50万円)に相当するものです。また現在の同モデルはドイツの名工ヘルマン・ハウザーのレプリカモデルとなっていますが、本作は内部構造にわずかにハウザーモデルの仕様とは異なる箇所があり(むしろ設計的にはアントニオ・デ・トーレスのギターに近い)、また板の厚みの設定や力木のサイズなども現在のハウザーモデルよりも強固な造りになっています。それゆえか、全体の響きにはどっしりとした重厚感があり、各音も力強い。整った艶やかな音像はやはり西野氏らしい、そして表情の変化にも不足なく、演奏性も中庸の設定が見極められており、いまから30年前の作ながら、さすがにその完成度はこの価格帯において抜きんでたものがあります。

表面板力木構造はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に各一本のハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木にボトム部でこれらの先端を受け止めるようにV字型に配置された2本のクロージングバーという全体の配置。レゾナンスはAの少し下に設定されています。上述のとおりヘルマン・ハウザーモデルではさらに駒板位置に薄い補強プレートが貼り付けられ、また扇状力木とクロージングバーはより繊細な(幅も高さも2/3ほどのサイズの)設定になっています。またレゾナンスの位置も本作ではやや高めの設定になっています。

ネック、フレットなど演奏性に関する部分は良好な状態を維持しています。表面板は過去に一度オリジナルと同じラッカーでの再塗装が施されており、その際に細かな打痕(駒板下2弦部分の弦とび跡など)やスクラッチなどもタッチアップされています。また表面板は駒板下高音側からボトムにかけての割れ修理歴があります(内側からパッチ補強されています)。また割れは横板ボトム部分に6~7か所ほどのひび割れ補修あと、裏板高音側のボトム付近に15cmほどの割れ修理歴がありますがいずれも適切な処置がされており、継続しての使用には問題ございません。ネックシェイプはDシェイプの薄めで丸みのある形状。指板は1~5、8~10フレットで凹みの補修あとがあります。指板高音側は20フレット仕様。弦高値は3.2/4.2mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.5~3.0mmありますのでお好みに応じてさらに低く設定することが可能です。

品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  198,000 円

製作家/商品名 石井 栄 Sakae Ishii
モデル/品番 Model/No. 11弦
005_ishiS_02_192_11
弦長 Scale Length 552mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 1992年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:表板 ポリウレタン
   :横裏板 ポリウレタン
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.2mm / 6弦 4.1mm

〔製作家情報〕
1947年長野県上田市に生まれ。大学を卒業後スペインのグラナダをはじめいくつかのギター工房を巡り、帰国後、ギター製作家の茶位幸信氏にギター製作を松田鉄男氏にヴァイオリン製作を師事。1984年には長野県真田町に工房を開設、ギター以外にもヴァイオリンを始め様々な弦楽器を製作し、夫々の分野で高い評価を得ています。また後進の指導にも熱心で中野潤、田邊雅啓、丸山太郎等前途有望な若手製作家を輩出していることでも、良く知られています。

〔楽器情報〕
1992年製作の11弦ギターです。

重厚でどっしりとしていながらもはっきりとした輪郭のある響きが特徴です。倍音豊かで余裕のある響きが心地よく、音量は普通ながら、レスポンスは良好で音の伸びも良く、全体のバランスも良好です。

ポリウレタン塗装仕上げで、糸巻きにはゴトー製を装着。ネックは薄く、わずかに順反りで良好な状態です。フレットも良好で、弦高値は1弦3.2mm、6弦4.1mmで調整されており、弦の張りは柔らかく弾きやすい設定です。

製作から32年が経過しており、全体的に良好な状態です。表面板駒板付近高音弦側に浅い打痕、表面板ボトム部高音弦側エッジ部に打痕がありますが、塗装は良好です。割れ等の修理履歴はなく良好な状態です。

新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  330,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 井内 耕二 Koji Iuchi
モデル/品番 Model/No. (No.80) No.37
005_iuchiK_02_212
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2012年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース(GEWA)黒
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック
   :横裏板 セラック
糸 巻:ライシェル
弦 高:1弦 2.5mm / 6弦 3.5mm

[製作家情報]
井内耕二 Koji Iuchi (1946~)徳島県に工房を構える製作家。ギター演奏を能くしていましたが指の故障により製作に転向したのが1996年、その後国内のギター製作コンクールで優勝し(2010年 現代ギター社主催のコンクール)ブランドとしての地歩を固めてゆきます。繊細な造りが細部まで行き届いた端正な外観と、音響バランスの構成と着地点の適切さ、ギターとしての自然な表情などは国内でも卓越したレベルを有したブランドで、近年ではギタリストの徳永真一郎らの使用により若い愛好家の間でも人気の製作家となっています。

[楽器情報]
井内耕二 2012年製 serial No.27 Used の入荷です。年齢としては間もなく70に近づこうという時期のものですが、50の歳から製作を始めた氏にとっては知と技の面での充実が顕在化しはじめた頃と見て取ることができるでしょう。意匠も含む外観における工作精度的な完成度はかなり早くから達成されていたことが本器からもうかがえますが、ここで注目すべきは内部構造(力木設計)における試みとその音響的特徴と言えます。

表面板力木構造は、サウンドホール上側(ネック側)に2本の高さの異なるハーモニックバーを設置し、この2本の間のエリアをすべて1枚のプレートで補強しています。ハーモニックバー同じくサウンドホール下側(ブリッジ側)にも1本を設置、さらにこのバーの中央よりやや低音寄りの位置から高音側横板に向かって斜めに設置された1本のトレブルバー、サウンドホール周りはこれも1枚の角型のプレートでやや広めの範囲(ロゼッタよりも広い範囲)を補強しており、このプレートの両横側にはそれぞれ1本ずつ計2本の短い力木が近接する横板のカーブの方向に合わせて斜めに設置されています。ボディ下部は左右対称の位置関係で7本の扇状力木が設置されており(厳密には上記トレブルバーの設置により高音側の力木は短くなっています)、これら7本の下端をボトム部で受け止めるように2本のV字型に設置されたクロージングバー、駒板位置には1mmにも満たない極めて薄い補強プレートがほぼ駒板の範囲を覆うように貼られています。そして特徴的なのは、この駒板補強プレートより2cmほどサウンドホール側に寄った位置に1本の短いバーがセンターを含む低音側力木5本の間に設置されており、そのうち3本の力木はこのバーを貫通しています。その貫通の方式はあのフランスの名工ブーシェのトランスヴァースバーを直ちに想起させるもので、力木はバーにしっかりと隙間なく組み込まれるように交差しています。

これらの構造的特徴はやや図式的に解釈すればトーレスとハウザーに例えばアグアドなどのマドリッド的なスペイン要素を加え、さらにフランスのブーシェを応用したと見ることもできるものですが、そうした各特長の融合が単なるパッチワーク的な発想に堕さず、音響においてしっかりとしたバランスが形成されていることは氏の音に対するセンスの卓越を感じさせます。レゾナンスはG#の下に設定されています。

発音はボディの奥から木質の音像がパーカッシヴに弾けてくるような感触で、ボディの容量を活かしたエコー感を伴って鳴ります。高音の強さが際立っており、低音はどっしりと下から支えるというよりも高音と同じ位相において慎ましく適切な強さで鳴っています。これは先述の内部構造的特徴におけるマドリッド的な部分が活かされているものか、ラミレス系統の響きの特徴と重なる部分が多くあります。ただし本器においては、特に音色や表情において、ラミレスの濃厚な色気とは異なり全体に爽やかな明るさがあり、あくまでもそのキャラクターにおいては氏の特徴が前面に出ている一本となっています。

表面板の指板両脇からサウンドホールにかけてのエリア、駒板下からボトムにかけてなどに細かな弾きキズやスクラッチ跡がありますがさほどに深くはなく外観を損ねるほどではありません。横裏板は演奏時に胸の当たる部分などに若干の擦りキズみられますがその他の部分はほとんどキズ無くきれいな状態を維持しています。ネック裏はセンター部分に細かく爪キズはありますが浅く軽微なもので目立たず、また演奏時の感触的にも妨げになるほどではありません。割れなどの大きな修理履歴もなく、概ね良好な状態と言えいます。ネック、フレット、糸巻などの演奏性に関わる部分も良好です。ネックはややしっかりとしたグリップ感のDシェイプ、弦高値は2.3/3.5mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は0.5mmとなっています。糸巻はドイツ製高級ブランドのライシェル製を装着。


定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 庄司 清英  Kiyohide Shoji
モデル/品番 Model/No. JSS No.367
005_KShoji_02_218
弦長 Scale Length 630mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2018年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option スーパーライトケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック
   :横裏板 セラック
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm

<製作家情報>
庄司清英 Kiyohide Shoji 1952年高知県生まれ。16歳の時にギタリスト大西博愛にギター演奏を師事、25歳からギター製作を開始。現在は大阪の東淀川に工房を構える。大阪音楽大学でのギター製作コースを担当し(現在は閉講)、また自身の工房でも一般向けの製作教室を主宰するなど後進の育成にも力を入れています。通常の6弦のほか10弦ギターも製作。

[楽器情報]
庄司清英 製作 モデル JSS 2018年 No.367 630mm 仕様のUsedです。
このブランドのクラシックモデルのラインナップでは最上位機種となる「JX」に次ぐ高級モデルで、オフィシャルカタログによれば表面板にドイツ松、横裏板に30年以上のシーズニングを経た最高級ハカランダを使用とのこと(モデルJXのハカランダ材は100年以上乾燥させたものだそう)。氏の材へのこだわりを外観にしっかりと実装して、ふっくらとしたひょうたん型のシェイプ、飴色の深みのあるセラックで全体を仕上げ、横裏板のハカランダ材も杢目が素晴らしく、ほんの一部分にサップの入ったヴィジュアルも洒落ています。

また表面板の力木構造にも氏独自の工夫がみられます。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木とそれらの下端をボトム部で受けとめる2本のハの字型に設置されたクロージングバー、駒板の位置にはほぼ横幅いっぱいに補強プレートが貼られているという全体の基本配置。2本のハーモニックバーのうち下側のバーは低音側から高音側に向かってわずかに下がってゆくように斜めに設置されており、7本の扇状力木のうち左右最外側の2本がこの下側バーを貫通し、さらに上側のバーも貫通してネック付け根部分にその上端を位置しています。さらに扇状力木の最外側から2本目のもの下側バーを貫通して上側のバーに到達しているという設計。例えばアントニオ・デ・トーレスやその流れを受けたロベール・ブーシェなどの特徴的な構造として同様に左右最外側の力木が下側ハーモニックバーを通過してその上端をサウンドホール縁まで延伸している構造はよく見られますが、庄司氏の設計はその応用と見ることもできるでしょう。またここでは詳述しませんが、上記含め、扇状力木がバーや駒板位置の補強プレートを通過(交差)するその継ぎ方式にも細かな工夫がされています。レゾナンスはG~G# の間に設定されています。

リヴァーブ感といえるほどにクラシックギターとしては珍しいほどのエコー感(響箱の容積を活かした奥行き感とは異なり)を感じさせる響きで、基音がすっぽりそのエコーの中に包まれているのような感覚があります。決して大音量や大迫力といった鳴りではなく、むしろとても落ち着いた佇まいの中でこのような音響が作られていることに本モデルの特徴があると言えるでしょう。表情も柔らかく、明るい。上記のような特徴ゆえに細かな表情の変化や機微の表現というところではやや精緻さを欠いているものの、逆にアルペジオなどの奏法においては独特の拡がりを生み出しており楽しめます。

表面板全体、特に指板脇からサウンドホール周辺にかけては弾きキズやスクラッチあとなどありますが浅く細かなもののみとなっています。横裏板はわずかに衣服等による細かな摩擦あと、演奏時に胸等が当たる部分のわずかな塗装の擦れがみられますがいずれも軽微なものとなっています。割れなどの大きな修理履歴はありません。ネックはやや順反りですが標準設定の範囲内、フレットは適正値を維持しています。ネック形状は薄めのDシェイプ、弦高値は2.8/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.0~2.0mmあります。糸巻はスローン製を装着しており、こちらも現状機能的な問題はありません。


定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  440,000 円
注文数 :   


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