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国産クラシック 中古   写真をクリックするとさらに大きなカタログ写真が表示されます。
製作家/商品名 尾野 薫 Kaoru Ono演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. ハウザー1世モデル Hauser model No.250
005_001_onoK_02_213_250
弦長 Scale Length 645mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2013年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.9mm

〔製作家情報〕
1953年生まれ。中学生の頃からギターを弾き始め、大学の木材工芸科在学中その知識を活かして趣味でギターを製作。 その類まれな工作技術と音響に対するセンスは注目を集めており、愛好家達の要望に応えて27歳の時にプロ製作家としての本格的な活動を開始。 同時期にアルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝孝次郎)に師事し、彼からスペインギターの伝統的な工法を学びます。 その後渡西しアルベルト・ネジメの師であるグラナダの巨匠アントニオ・マリン・モンテロに製作技法についての指導を受け、 2001年には再びスペインに渡りホセ・ルイス・ロマニリョスの製作マスターコースも受講しています。 さらにはマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスが来日の折にも製作上の貴重なアドバイスと激励を受ける等、 現代の名工達の製作哲学に直に接し学びながら、スペイン伝統工法を科学的に考察し理論的に解析研究してゆく独自の方法でギターを製作。 日本でのスペイン伝統工法の受容の歴史において、アルベルト・ネジメと並ぶ重要な製作家の一人として精力的な活動を展開しています。 その楽器はあくまで伝統的な造りを基本としながら、十分な遠達性、バランス、倍音の統制において比類なく、極めて透徹した美しい響きを備えた、 現在国内のギター製作における最高の成果を成し遂げたものとして高い評価を得ています。

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オルフェオ取材同行記 尾野薫編はこちら

〔楽器情報〕
尾野薫 製作 ハウザーモデル2013年製 No.250 Usedの入荷です。
割れなどの大きな修理、改造履歴はありません。全体に大小の弾き傷、弦とび跡や衣服等の摩擦痕があり、またセラックによる塗装は経年の使用により部分的に変色がありますが、現状で継続しての使用には問題ありません。ネックは真っすぐを維持しており、フレットは1~5フレットでやや摩耗ありますが適正値を維持しています。ネック形状はDシェイプでこのブランドのものとしては薄めの設定で握りやすい形状です。弦高値は2.7/3.9㎜(1弦/6弦 12フレット)でサドルには1.0~1.5㎜の調整余剰がありますのでお好みに合わせてさらに低く設定することが可能です。糸巻はフステロ製を装着しており、こちらも動作状況に問題ありません。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 桜井・河野 Sakurai Kohno
モデル/品番 Model/No. マエストロ Maestro FA0304
005_10_sakuraiK_02_199
弦長 Scale Length 660mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 1999年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.5mm

〔製作家情報〕
1926年茨城県水戸に生まれる。
1948年3月東京高等工芸学校木材工芸科(現千葉大学建築科)卒業と同時にギター製作を開始。ギター製作に関しては独学で、最初に作った一本は中出阪蔵のギターを検分し作り上げたものだったようです(中出阪蔵との直接の交流はありません)が、楽器構造には最初期より様々な試みを行い、中にはかなり当時としてイノベイティブな発想のものもみられます。これらの研究と実践はやがて1960年代後半には表面板の木目に沿って水平と垂直の方向で組み合わされたスクエアを基礎とした力木配置として結実することになり、これは様々にヴァリエーションを変化させながら現在にまで至っています。

また1960年にはスペインに渡り、イグナシオ・フレタやアルカンヘル・フェルナンデスの工房を訪れ本場スペインギターに関する見識を深め、自身の製作に活かしてゆきます。そして1967年9月、ベルギーのリエージュ国際ギター製作コンクールで金メダル受賞し、国際的に名前が知られるきっかけとなります。同年に甥の桜井正毅が工房スタッフに加わり、1998年に他界したあとはこの工房を引き継ぎ、桜井/河野ブランドとしてモデルラインナップを継続しています。

日本における高級ギター製作のパイオニア的存在であり、当時も今も非常にファンの多い国内ブランドです。スペインギターのエッセンスを彼なりに独自に再構成し、日本人の演奏嗜好にフィットした音響と演奏性、良質な木材を使用した高級感のある全体に仕上がりは邦人製作家としてこれまでになかったような域に達し、日本という市場におけるギター需要を一気に集中させるほどの人気を誇りました。海外からも日本産ブランドの筆頭として現在も高い評価を得ています。


〔楽器情報〕
状態良好の桜井・河野 Maestroモデル 1999年製Usedの入荷です。1998年に河野氏が他界し、「Sakurai Kohno」ラベルでブランドを継承した最初期のもので、もちろん当時も最上機種となるモデル。河野特有の縦横のバーと力木をほぼ垂直に交差させたスクエアな、複雑な配置構造で、使用木材のグレードも極めて高く、全体の完成度も申し分ありません。表面板のサウンドホール周りや指板脇などにわずかに細かな弾きキズ、ブリッジ下1弦側に弦飛びあと、その他数点の打痕があるほかは年代考慮すると良好な状態。横裏板も僅かに摩擦あとがあるのみで綺麗な状態です。ネックは真っすぐを維持しており、フレットは1~7フレットでやや摩耗みられますが演奏性には問題のないレベル。割れなどの大きな修理履歴もありません。弦長は660mm仕様。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 桜井 正毅 Masaki Sakurai演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. CONCERT-J  E0425A
005_10_sakuraiK_02_214
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2014年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option 軽量ケース 黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.0 mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
1944年東京生まれ。1967年上智大学電気電子工学科卒業と同時に、河野ギター製作所に入社し研鑽を積みます。1988年には第4回パリ国際ギター製作コンクールで第1位を獲得しました。その時受賞したモデルと同デザインのものがPC(Paris Competition)モデルとして氏の現在のラインナップの中でも特に人気の一本となっています。
河野賢氏が1998年に亡くなった後は工房を引継ぎ、河野ギターを「桜井・河野」ラベルとして継承しながら、同時に自身のブランド桜井正毅としても精力的に現在も製作を続けています。工作精度が高く、良材を使用した美しい外観はこのブランドの特徴ですが、特に日本人の体格や好みにあった抜群の演奏性と安定感は海外でも絶大な人気を博し、師の河野同様に世界的な名声を獲得しています。

〔楽器情報〕
桜井正毅 Concert-J 2014年製 E0425A Usedの入荷です。同ブランドのエントリーモデルに位置づけられるモデルですが、使用材、工作の仕上げから音と演奏性に至るまでブランドのポリシーが行き届いたギターとなっています。豊かな鳴り、フィット感の良いネックシェイプ(Dシェイプ)、そして奏者のタッチへの対応範囲が広い発音など、あらゆるギターーユーザーにとっての絶妙の着地点となった演奏性のクオリティはやはり見事なもので、初心者から上級者にまで円満におすすめ出来るギターとなっています。

表面板内部構造はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に各一本のハーモニックバー、ホール周りを円形に囲むようにしてやや厚めの(3~4mm)補強板が貼られており、
ウエストより下は計5本の左右非対称の扇状力木と3本のバーとの組み合わせによるもので、扇状力木はセンターに配置された一本を境に高音側に3本、低音側の離れた位置に1本を配置しており、3本のバーはちょうど駒板位置に横幅いっぱいに設置された1本と、これを5センチほど離れた位置で上下(ネック側とボトム側)からちょうど駒板を挟むように設置された2本という組み合わせになっており、この3本のバーはハーモニックバーのような強固な造りではなく扇状力木をさらに低く繊細にしたようなもので、バーというよりは扇状力木と交差することでグリッドを形成する横方向の力木と考えられるものとなっています。レゾナンスはF#とGの間に設定されています。

このブランドらしい整ったバランスと明るめの艶やかな音で、十分な音圧の高さがあり、反応も早く、両手ともにストレスを感じさせない弾き易さ。音色のヴァリエーションや表情の変化という点では、あらかじめ整った響きがオートマティックに表出してくるようなある意での揺るぎない安定性が確保されているようなところがあるためか、やや乏しさを感じさせる面もあるのですが、この弾くだけで安心感がありさらには奏者の感覚をドライブしてくるような高い機能性はやはり見事で、初心者からプロギタリストにまで愛されるゆえんでしょう。

かなり弾き込まれているため、全体に大小の弾き傷、打痕、スクラッチあとが見られます。ネック裏は高音側に全体に塗装の上層の剥がれがあり、7~11フレット部分は低音側も同様の剥がれが見られます(木地が露出しているわけではありません)。割れや改造などの大きな修理履歴はありません。ネックはやや順反りしていますが標準設定の範囲内、フレットは1~5フレットでやや摩耗見られますがこちらも演奏性と音には現状で影響ありません。ネックシェイプはややがっしりした感触のDシェイプですが、グリップ感が良く、また弦高値も3.0/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)の値ながら、中庸の弦の張力もあって非常にひきやすく感じますが、サドルには3.0~4.0mmの余剰がありますのでお好みに応じてさらに弦高を低く設定することも可能です。





品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  220,000 円

製作家/商品名 桜井 正毅 Masaki Sakurai演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. P.C. No.10519A
005_10_sakuraiK_02_219
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2019年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides マダガスカルローズウッド Solid Madagascar Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.4mm

〔製作家情報〕
1944年東京生まれ。1967年上智大学電気電子工学科卒業と同時に、河野ギター製作所に入社し研鑽を積みます。1988年には第4回パリ国際ギター製作コンクールで第1位を獲得しました。その時受賞したモデルと同デザインのものがPC(Paris Competition)モデルとして氏の現在のラインナップの中でも特に人気の一本となっています。
河野賢氏が1998年に亡くなった後は工房を引継ぎ、河野ギターを「桜井・河野」ラベルとして継承しながら、同時に自身のブランド桜井正毅としても精力的に現在も製作を続けています。工作精度が高く、良材を使用した美しい外観はこのブランドの特徴ですが、特に日本人の体格や好みにあった抜群の演奏性と安定感は海外でも絶大な人気を博し、師の河野同様に世界的な名声を獲得しています。

〔楽器情報〕
桜井正毅ブランドのラインナップの中ではミドルエンドに位置づけられている model P.C.(Paris Competition) いわゆるパリコンモデル 2019年 No.10519 A Used の入荷です。文字通り1988年のコンクール入賞作をベースとして、その後の研究によるアップデートを加えた、ブランドコンセプトの粋を集めたような1本です。

明るく艶やかな音像、その各音(と各弦)の均質性、速い反応と十分なサスティーン、そして非常な音圧の高さなど、奏者がストレスを感じることがほとんどないような音響設計で、またタッチの許容範囲がとても広く、倍音の響きもとても豊かなので演奏のムラが顕在化しにくく楽曲の形を整えやすいのもこのブランドの魅力でしょう。スパニッシュギターのような遠近感や濃密なロマンティシズムとは異なり、むしろ桜井氏独自の純粋に工学的アプローチによるバランスフルな響きが追及され、様々なタイプの楽曲に対応できるオールマイティな表現力へと結実しています。

表面板内部構造は、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、そしてこれらとは形状の異なる低いトランスヴァースバーがブリッジ部に一本と5センチほど離れてサウンドホール側とボトム側にも1本ずつが設置されており、これら3本のトランスヴァースバーとほぼ直角に交差する形で計5本の扇状力木が設置されています。この5本の扇状力木はセンターに配された1本を境にして高音側に3本、低音側に1本(表面板低音側の半分のほぼ中央の位置に独立するように)が配されており、さらにこれらの力木とバーの交差により升目となった部分に2箇所、3cm四方の薄い木製のパッチ板が貼り付けられているという全体の構造。先代の河野賢的な構造原理に依拠しながらも、音響特性をより高める工夫(例えば木製パッチ板を点在させる方法など)が施されており、より現代的に、そしてコンサートギタリストの高い要求に応え得る機能性を備えたものとなっています。レゾナンスはG# の少し下に設定されています。

全体はカシュ―塗装による艶やかな仕上げで、横裏板には柾目のマダガスカルローズウッドを使用、外観の高級感もまたこのブランドの特徴となっています。表面板指板脇(低音側)に3か所ほどの浅いスクラッチ傷、ブリッジ下部分の弦交換の際についたと思われる細かな傷、その他数か所の極小の打痕のほかはボディはとてもきれいな状態を維持しています。ネック裏は4フレット部分に1か所やや深い打痕があります。割れなどの大きな修理履歴はなく、ネックはわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットも適正値を維持しています。ネックシェイプはやや厚めのDシェイプですが握りやすく、ここでも人間工学的なアプローチが追及されています。弦高は2.8/3.4mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには2.0mmほどの余剰がありますのでお好みに応じて設定を低くすることも可能です。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 桜井・河野 Sakurai Kohno演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. マエストロ Maestro L0815A
005_10_sakuraiK_02_222
弦長 Scale Length 640mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2022年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option HISCOX ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.5mm

1926年茨城県水戸に生まれる。
1948年3月東京高等工芸学校木材工芸科(現千葉大学建築科)卒業と同時にギター製作を開始。ギター製作に関しては独学で、最初に作った一本は中出阪蔵のギターを検分し作り上げたものだったようです(中出阪蔵との直接の交流はありません)が、楽器構造には最初期より様々な試みを行い、中にはかなり当時としてイノベイティブな発想のものもみられます。これらの研究と実践はやがて1960年代後半には表面板の木目に沿って水平と垂直の方向で組み合わされたスクエアを基礎とした力木配置として結実することになり、これは様々にヴァリエーションを変化させながら現在にまで至っています。

また1960年にはスペインに渡り、イグナシオ・フレタやアルカンヘル・フェルナンデスの工房を訪れ本場スペインギターに関する見識を深め、自身の製作に活かしてゆきます。そして1967年9月、ベルギーのリエージュ国際ギター製作コンクールで金メダル受賞し、国際的に名前が知られるきっかけとなります。同年に甥の桜井正毅が工房スタッフに加わり、1998年に他界したあとはこの工房を引き継ぎ、桜井/河野ブランドとしてモデルラインナップを継続しています。

日本における高級ギター製作のパイオニア的存在であり、当時も今も非常にファンの多い国内ブランドです。スペインギターのエッセンスを彼なりに独自に再構成し、日本人の演奏嗜好にフィットした音響と演奏性、良質な木材を使用した高級感のある全体に仕上がりは邦人製作家としてこれまでになかったような域に達し、日本という市場におけるギター需要を一気に集中させるほどの人気を誇りました。海外からも日本産ブランドの筆頭として現在も高い評価を得ています。


〔楽器情報〕
桜井・河野ブランドの最上位機種 Maestro 2022年製Usedの入荷です。1998年に河野賢が他界したあと、桜井正毅がその基本設計や音響コンセプトを継承しつつ自身のラインナップに一つとしてブラッシュアップさせた「Sakurai Kohno」ライン。河野自身の様々なイノヴェイティヴともいえる設計の試みののちに開発した、バーと力木をほぼ垂直に交差させたスクエアな、単純だが複雑な力木構造を基本とし、そこに桜井氏の音響学的なアプローチによる工夫を加えたモデルとなっています。

まずバーは計7本、通常のサウンドホール上下に1本ずつのハーモニックバーと、くびれ部より少し下にも1本、駒板の位置に1本とボトム部のほとんどエンドブロックに近接した箇所に1本を配置し、これら5本は左右横板をつなぐように横幅いっぱいにわたって設置されています。残り2本のバーは駒板の上下数センチ離れた位置にそれぞれ一本ずつ、駒板の長さよりも短く加工されて設置。これに対し力木が長短計7本、お互いにほとんど平行に近い角度で設置されています。両外側各2本の計4本はネック側から数えて3本目のバーとボトム近くに配されたバーとの間をつないでおり、中央に配された残り3本の力木は駒板上下の短いバーの間を繋ぐようにして設置。この配置によって駒板のサドル位置を中心とする部分を中心とする同心四角形が幾重にも形成されているような全体配置となっており、さらにこれらの配置によってできる枡目のうち5か所に直径3cmほどの木製円形ブロックを各1個設置しています(これは近年の桜井氏の特徴的な構造物で、表面板のしかるべき箇所に設置することにより振動効率を上げているとのこと)。さらにサウンドホールを囲むように補強プレートが貼られていますが、高音側のみ2重になっています。レゾナンスはG#の上の設定されています。

杉材を表面板に使用したモデルですが、全体に音はすっきりとしており、明るく艶やかでバランスの均質な(杉材特有の中低音~低音よりのどっしりとした響きというよりはむしろ)音響設計で、つまりはこのブランドの特徴が円満に備わった一本となっています。ストレスのない発音に加え、フィジカルな点での弾きやすさ(640㎜ショートスケールであることも相乗して)も申し分なく、ジャンルレスに様々なユーザーにおすすめできるモデルとなっています。

表面板の指板両脇やボトム付近などに数か所の打痕などわずかにキズがあり、裏板は衣服等による軽微な摩擦あとなどありますが全体にきれいな状態と言えます。割れなどの大きな修理履歴はありません。ネック、フレット、糸巻等演奏性に関わる部分も問題ありません。ネックはDシェイプの普通の厚みでフィット感の良い握り心地。弦高値は2.8/3.5㎜(1弦/6弦 12フレット)、サドルには2.0~2.5㎜の余剰がありますのでお好みに応じてさらに低くすることも可能です。重量は1.65㎏。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 茶位 幸秀 Yukihide Chai演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No. 80
005_cyaiYH_02_198
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 1998年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 4.0mm

[製作家情報]
1956年生まれ。長野県茅野市に工房を構える。ギター製作家の父 茶位幸男に技術を学び、完全手工によるスパニッシュスタイルの丁寧な造り、深く柔らかい響き、日本人の身体性にフィットした演奏性などで人気を維持しています。同じくギター製作家の茶位幸信は叔父にあたります。

[楽器情報]
茶位幸秀製作 No.80 1998年製Used の入荷です。このブランドの最上位機種にあたり、良材のセレクトから細かな造作、繊細なセラック塗装による仕上げに至るまで申し分のない仕上がり。発音の瞬間に軽い反発感を伴いながら同時にほのかにエコーがかかったような音像は幸秀氏ならではのもので、その柔らかな音の触感は他にはない心地よさ。演奏に必要な音量とダイナミズムを備えつつ、常に落ち着いた表情があり、自然に楽曲を一つの雰囲気にまとめられる安心感があります。その明るすぎず暗すぎず、独特のたたずまいの中に着地させているところはこの製作家の力量といえるでしょう。

内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバーとサウンドホール真下部分から高音側横板に向かって斜め下に伸びるように配置されたトレブルバー、7本の扇状力木とそれらの先端をボディ下部で受け止める2本のハの字型に配置されたクロージングバー、駒板位置にはほぼ同じ大きさのプレートが貼られているという全体の構造。レゾナンスはG#~Aの間で設定されています。ヘッドシェイプが名器フレタを踏襲したものとなっておりますが、上記の構造的には同じスペインの名工エルナンデス・イ・アグアドのものにより近い配置となっています。

表面板のサウンドホールとブリッジのまわり、指板脇などに演奏時のスクラッチや打痕等がやや多く見られます。横裏板は衣服の摩擦あとがわずかに残るのみで綺麗な状態。割れなどの大きな修理履歴はなく、ネックやフレット、糸巻きなど演奏性にかかわる部分も問題ありません。ネック形状はややたっぷりした感触のDシェイプ。弦高値は標準設定となっていますがサドルに2~3mmの調整余地がありますのでお好みに応じてさらに低くすることも可能です。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 中村 玄太 Genta Nakamura
モデル/品番 Model/No. BLUME GR-17
005_GNakamura_02_GR17
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.2mm /6弦 3.9mm


[製作家情報]
中村玄太 1986年東京都三鷹市生まれ。学生時代にクラシックギターに魅了され、毎夜遅くまでギターを弾く日々を過ごす。木工所に勤務し家具/建具の製造に従事する傍ら、井上刃物店/井上時夫主催「手考会」に通い、刃物の研ぎ、伝統的な道具の扱い方を学ぶ。手道具のみを用いた物作りを学ぶ中で、独学でギター製作を開始。初めて作製したギターを桜井正毅氏に見てもらったことがきっかけとなり、河野ギター製作所入社。クラシックギターの製法を学ぶ。独立後、埼玉県上尾市に工房を構え、2017年よりオリジナルギターの製作を始める。(※オフィシャルサイトより転載)

[楽器情報]
中村玄太製作のBlume 製作番号GR-17 Usedの入荷です。ブランド起ち上げ間もないころの作ですが、工作の仕上げと音響の両方において既に非常な完成度と確固たるアイデンティティをもった、誠に瞠目すべき佳品となっています。

表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に長短一本ずつのハーモニックバーと台形のやや厚みのある補強板、下側(ブリッジ側)に一本のハーモニックバー、サウンドホールを囲むように円形のこれもやや厚みのある(3mm強の)補強板が貼られていますが、これは下側ハーモニックバーを通過してその円形が保たれています。ボディウエストより下は左右対称7本の幅と高さともに1センチ弱ほどのやや強固な加工の扇状力木がまんべんなくこのエリアを覆うように配置されており、駒板の位置には横幅いっぱいに3mmほどの(やはり加工としてはやや厚めの)補強板が貼られているという設計になっています。レゾナンスはG#の少し上。

このブランドの特徴として、国内屈指ともいえるそのaestheticな外観にまずはあると言えるでしょう。横裏板のインディアンローズ、駒板とヘッドの中南米ローズとを(赤茶というよりもむしろ)チョコレート色で併せてそこにスネイクウッドのライニングと糸巻のボタン(糸巻はGotohですがつまみをカスタマイズしています)で印象的にアクセントをつけ、ロゼッタは木彫を施した立体的な、しかしあくまでも慎ましいデザインを配したその全体の統一感は特筆すべきもので、それを繊細なセラック塗装で仕上げた落ち着いた、そしてチャーミングでさえある佇まいが素晴らしい。

また加えて特徴的なのはそのボディシェイプで、表面板はオーソドックスなスタイルなものの、ボディ厚みはネックヒール部(12フレット部)で84㎜、指板エンド(19フレット、ただし高音部は20フレット仕様)部で94㎜、ウェスト部で100mm、ボトム部で96mmとなっておりその自然なカーブを形成する中で、指板は12フレットから20フレットにかけてだんだんと薄くなるように設定されておりハイフレット部分での演奏性を確保している、その(師である桜井正毅とは全く異なるアプローチでの)発想もまた特筆すべきでしょう。

音については、外観の佇まいそのままに現代性(機能重視の傾向とは決して異なる)と古雅とを無理なく同居させたような魅力的なもの。中低音から低音にかけての自然なふくらみを持った響きが、軽く弾性を伴ったスマートな高音を支えるように鳴る、いわゆるスペイン的な音響設計ともいえる。各音が分離して放射してゆくのではなく、一つの響きのまとまりとして空間を伝わってゆくのその力強くも慎ましい projection はどこかトーレス的ともいえ、サロン的な空間性を感じさせるものとなっています。反応は俊敏で、適度の粘りを持った発音は旋律に明確な輪郭とうねりを生み出し、十全に歌い、必要に応じて自然なダイナミズムと表情の変化を生み出します。

割れや改造などの大きな修理履歴はありません。表面板は指板脇やサウンドホール周り、駒下などに細かな傷あります。簡易ゴルペを脱着したあとがありますが著しく外観を損ねるものではありません。横裏板はわずかに衣服等の軽微な摩擦あとのみとなっていますが、一部おそらくギタースタンド設置による塗装のムラが生じています。ネック、フレット、糸巻など演奏性に関わる部分は問題ありません。ネック形状は薄めでフラットな加工のDシェイプ。指板はクラシックとしてはやや強めにラウンド加工がされており、左手の演奏性を追及しています。弦高は2.5/3.3mm(1弦/6弦 12フレット)。重量は1.51㎏。

商談中 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 黒澤 哲郎 Tetsuo Kurosawa演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. ディナスティア Dinastia No.20
005_kurosawaT_02_212
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本
製作年 Year 2012年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー(510シリーズ)
弦 高:1弦 2.9mm/6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
1976年茨城県生まれ。製作家の父黒澤澄雄氏の薫陶を受けると共に、東京都立工芸高等学校後ギター製作に携わり卒業。その後1997年にスペインへ渡り、テサーノス・ペレスの工房へ弟子入した他、アントニオ・マリン工房にて塗装技術を学んで帰国。マヌエル・ラミレスやヴィセンテ・カマチョなど規範としながら、スペインの伝統的なニュアンスを彼なりに消化した堅実な造りで製作を続けており、近年はフラメンコギタリスト沖仁とのコラボモデルも発表。現在はラティス構造によるクラシックモデルも製作するなど、幅広く展開している若手製作家である。

〔楽器情報〕
黒澤哲郎製作のモデル Dinastia 2012年製Usedが入荷いたしました。このブランドの最上位機種にあたり、最も影響を受けたであろうラミレス系マドリッド派の構造的コンセプトで作られています。その特徴は内部構造にもっともよくあらわれており、クラシックギターとしては珍しいXブレーシングシステムを採用。サウンドホールの上側(ネック側)は通常のハーモニックバーですが、下側はちょうどホールの真下で2本のハーモニックバーがX状に交差しており、ボディ下部は3本の力木を表面板の木目に沿って等間隔に平行に配置。ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ広さの薄いパッチ板が貼られ、3本の力木のうちセンターと高音側の2本はそのプレートの上を通過し、低音側の1本はプレートの上下で分断しています。その3本の力木の先端をボトム部でハの字型に配された2本のクロージングバーが受け止めるように配置。レゾナンスはGの少し上に設定されています。

これは彼がスペインで製作を師事したマリアーノ・テサーノスやテオドロ・ペレスの影響を如実に受けており、またほぼ同じ配置システムはパウリーノ・ベルナベも自身のフラッグシップモデル等で採用していることなどからも、現在のマドリッド派の特徴的構造の一つとなっています(※現在の哲郎氏の製作するDinastiaモデルは全く趣を異にし、ラティスブレーシング(格子状力木)のモダンなスタイルで作られています)。

そのマドリッド的な作風に傾倒していたいた彼らしく明るく重厚な響きですが、迫力よりもむしろ柔和で優しい音色が特徴です。どこか日本人らしい気質を反映してか、表情はとても落ち着いており、華やかさや色気とは異なる、常に安定した感覚。ゆったりと奥行きを纏ったような軽い粘りをもった発音で、これがこのブランド特有の心地よさを生んでいます。

表面板は細かな弾き傷が全体に若干あります。横裏板は衣服の摩擦等の跡やそれにともなう塗装のムラが少しみられますが全体に外観を損ねるほどではなく、年代相応のレベルといえます。表面板ブリッジ下センター部分に割れの補修履歴がありますが、適切な処置が施されており現状での問題はありません。ネック、フレット、糸巻き等演奏性に関わる部分も問題ありません。ネックシェイプは通常の厚みのDシェイプタイプ、フレットは20フレット仕様。全面セラックニスによるオリジナル仕様となっております。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 三浦 隆志 Takashi Miura演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. P-17 No.1348
005_miuraT_02_201
弦長 Scale Length 648mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2001年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース(ヒスコック)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.9mm

〔製作家情報〕
1951年北海道生まれ。1973年札幌にてギター製作を開始。
1980年、84年スペインはグラナダに渡り、同地の名工アントニオ・マリン・モンテロに師事。1985年帰国後、仙台に工房を構えている。

スペイン、グラナダの名工アントニオ・マリンの指導を受けたことから、国内におけるグラナダ派の直系と位置付けられることの多い氏ですが、伝統的なスペインギター工法を基礎としながらも、持ち前の進取の気性でダブルトップなどモダンタイプの製作法も実践し、それぞれ高い評価を受けている製作家です。

〔楽器情報〕
三浦隆志製作のモデルP-17 2001年製 Usedの入荷です。表板にはベアクロウの入った松材、横裏板にはこれも特徴的な木目の(おそらくはジリコテ材)を使用しメイプルのライニングでセッティング、ヘッドシェイプはホセ・ルイス・ロマニリョスのデザインを採用しており、洒脱な外観に仕上げています。

内部構造はサウンドホール上側に厚く高く加工された強固なハーモニックバーが2本、サウンドホール下側のバーは低音側から高音側に向けてやや斜めに下がってゆくように設置されており、扇状力木は左右対称5本、ブリッジ位置にほぼ横幅いっぱいにわたって設置されたいわゆるトランスヴァースバーを貫通してボディボトム部まで伸びています。サウンドホールの両側(低音側と高音側)にもそれぞれ1本ずつ短い力木が横板のカーヴに沿うように設置されています。5本の扇状力木がトランスヴァースバーを貫通するシステムはフランスの製作家ロベール・ブーシェの構造的特徴であると同時に三浦氏の師事したアントニオ・マリンのスタンダードでもありますが、ここで氏は力木とバーが交差する部分の加工等細かな部分での独自の試みを行っており、先述のサウンドホール両脇の短い力木の設置などはブーシェ、マリンどちらの設計にもありません(ただしこの設計自体はトーレス以降オーソドックスなスタイルの一つとして定着しています)。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。

丁寧な造作や意匠などの審美的な面でスペイン、特にグラナダ的な要素を深く感じさせる仕上がりは三浦氏の作では通底しており、20年以上前の作となる本器でもそれは如実に見てとることができます。しかしながらグラナダギターの明朗で生々しい響きとは趣を異にした音で、たっぷりとリヴァーブをかけたような独特のふわりとした響き。これはスペイン的な奥行きやパースペクティブのある響き方とは明らかに異なるもので、またどちらと言えばやや硬質の渋く落ち着いた音の楽器が多い氏にとっても音響的に珍しい一本といえます。しかしながら音像自体は芯がしっかりとして、わずかな反発感を伴いながら心地よく発音されるその撥弦の感触、低音~中低音のBassとしての身振りと不足なく歌う高音とのバランスは自然で、三浦氏の楽器の中でも魅力ある一本となっています。

割れなどの大きな修理履歴はありません。ピックアップを搭載して使用されていたもので、現在はピックアップシステムはすべて取り外してあります。横板の底部分はアウトジャックを取り外した後に埋木による穴埋めと塗装タッチアップが施されています。ネック、フレット、糸巻などの演奏性に関わる部分は問題ありません。全体に細かな傷や摩擦跡など有りますが年代相応のレベルと言えます。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 中山 修 Osamu Nakayama演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. Bamboo Guitar
005_NakayamaO_02_209_03
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2009年
表板 Top 杉 Solid Ceder
横裏板 Back & Sides 孟宗竹 Bamboo
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:孟宗竹
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.3mm

〔製作家情報〕
1941年 秋田県に生まれ、新潟県で育つ。中学の時からクラシックギターの演奏を始め、東京に出て小原安正に師事。1960年にはスペインに渡り、ナルシソ・イエペスに師事します。この時現地のギター製作家から自身が所持していた国産ギターを酷評されたのをきっかけに発奮し、本場スペインのギター製作を学ぶことを決意します。師イエペスにより当時まさに隆盛を極めんとしていたホセ・ラミレス3世の工房を紹介され、9年もの間、昼は演奏を夜はギター工房で製作修行をする日々を過ごします。帰国後に長野に工房を構え、自身が製作したモデルをイエペスが使用するなどしてその名声と評価は高まりますが、1979年38歳の時に事故により両手を負傷、深い絶望とともに演奏と製作の両方を完全に断念します。その後九州の久留米に転居して木工職人として働いていましたが、夢に現れた「竹製のギター」が啓示となり、製作を辞してから21年後の2000年に地元久留米の孟宗竹を使用してクラシックギターを再び製作することを決意。前例のないギターだけに3年の試行錯誤を経てようやく最初の一本を製作。その後も改良を続ける内にユーザーの評価も注目度も高まりを見せるようになり、おそらく世界で唯一の竹製ギターは文字通り中山修ブランドのフラッグシップモデルとして人気を博すことになります。

中山氏自身の説明によると、Bamboo Guitar に使われる竹は工房がある福岡県久留米市の孟宗竹のみを使用。1本につき直径18cmほどの竹を8本、それを4つ割りにして釜茹でした後に半年間じっくりと日干しにする。細く切った竹板を80枚以上貼り合わせて厚さ9センチの合板を作りあげ、それをギター各部の部材として加工して組み合わせるだという。竹という素材の性質からその加工には非常な困難が伴いますが、これを細心の注意を払って作業をすることで造作的にも音響的にも完成度の高い1本として仕上げる技量は見事なもので、同時に彼の製作家としての出自たるスペインギターへの深い敬意も感じられる作品は非常な魅力があり、熱心なファン層を形成しています。

〔楽器情報〕
中山修製作のバンブーギター 2009年製 Used美品の入荷です。表面板は杉、横裏板は孟宗竹(横板は内側にローズウッド材を貼り合わせています)を使用したモデルで、まずは竹特有の清澄でしかし野性的な板目に目が奪われます。表面板の杉材とのコントラストも良く、同じような白い材との組み合わせでは楓や糸杉などがありますが、それらとはやはり異なる特別な個性を持っています。この加工困難な材(変形しやすく割れやすい)を完璧ともいえる精度で美しく仕上げていることには改めて感嘆しますが、このギターの音響的な完成度の高さも特筆されるべきでしょう。

表面板力木構造はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、そして表面板低音側上部のふくらみ部分から下部高音側のふくらみ部分へと斜めに横切るように設置されたもう一本のバー(このバーはサウンドホール下に設置されたハーモニックバーとちょうどその中央で交差している)が設置され、扇状力木は計6本がセンターに配置された一本を境に高音側に2本、低音側に3本の配置となっており、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長く、ほぼ横幅いっぱいに渡ってパッチ板が貼られています。レゾナンスはG#~Aに設定されています。2本のハーモニックバーと斜めに交差するバーの3本とも低音側に4~5cmほどの低い開口部が設けられており、これを含む上記の表面板内部構造はそのレゾナンス設定も併せてホセ・ラミレス3世のの有名な「1A」 モデルの基本形を踏襲しています。

一つ一つの音の粒が揃った、非常に分離の良い音響で、十分なサスティーンも12フレット以上のハイフレットに至るまで均質的に備わっているのは珍しい。高い音圧はラミレスを思わせもしますが、やはり竹材によるものなのか硬めのきりっとした音像に杉材の柔らかみをほのかにまぶした様な独特の質感。指と完全にシンクロするような速い反応ですべてが明晰に発音されるため、演奏には自然なドライヴ感が生まれるのですがこれがなんとも心地よい。このからっとした(「竹を割ったような」と思わず言いたくなる)音響の中にスペインギター的なニュアンスをしっかりと含んでいるところは見事なもので、その特異さだけで語られるべきではない魅力を持っています。

ほぼ無傷で修理履歴のない美品です。ネック(これも孟宗竹製)、フレットなどの演奏性に関する部分も良好な状態。ネック形状は普通の厚みのDシェイプでフラットな加工がされており、指板はクラシックギターとしてはやや強めのラウンド加工が施されています。弦の張りは柔らかめなので両手ともに演奏上のストレスが軽減されています。弦高値は3.0/4.3mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには2.0~3.5mmの余剰がありますのでお好みに応じて調整が可能です。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  198,000 円
注文数 :   


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