[製作家情報] ブライアン・コーエン Brian Cohen 南アフリカ共和国出身、現在はイングランド、サリー州のギルフォードに工房を構える楽器製作家で、古楽器から現代までの弦楽器全般とクラシックギター、アコースティックギターを製作しています。南アフリカ時代の1972年から独学でギター製作と修理を始め、同地を演奏旅行で訪れたSergio と Eduardo の Abreu 兄弟(日本では通例「アブリュー」と記されていますが「アブレウ」のほうが正しいとされており、英語圏でも「アブレイユ」と発音されることがほとんど)が使用したデビッド・ホセ・ルビオ(1934~2000)のギター修理を手がけたことを機に、製作家として身を立てることを決意、1974年にルビオの工房があるイギリスへと渡ります。当時まだ未熟だった彼はルビオ工房の職人にはなれなかったものの、ルビオはこの若い製作家のためにアドバイスを与え、やがて一流の職人となった彼は自身の製作と平行してルビオ工房品の作業も行っています(特にルビオが亡くなるまでの10年間はほとんどの受注品を彼が組み立てていたとのこと)。
彼がイギリスに渡った1970年代はクラシック音楽界で古楽器ブームが始まっており、そうしたムーヴメントに対応するかのように弦楽器製作においてもピリオド楽器の需要が高まりを見せてゆきます。1976年にリュート奏者のアンソニー・ルーリーがロンドンに設立したその名もEarly Music Cetre の工房をリサーチや製作のためにシェアするという環境に恵まれ、ここで3年間、彼は数多くのルネッサンス時代からの撥弦楽器を直に研究、修復し、そして自身のモデル製作に活かしています。彼はまた弦楽器属の研究と製作にもただならぬ情熱を傾けており、特にチェロでは1986年にCrafts Council Awardを受賞、1990年にはManchester International Cello Festival で銀賞を獲得するなど高い評価を得ています。またクラシックギターにおいても1989年にパリ ギター製作コンクールで2位となり、しっかりと地歩を固めてゆきます。