[製作家情報] トビアス・ブラウン Tobias Braun 1960年 ドイツ、ホルツミンデン生まれ。のちオーストリア、ウィーン郊外の町ペルヒトルツドルフに移り、青年時代を過ごす。学業を終えた後はドイツ文学とジャーナリズムの勉強をしながら同時に独学でギター製作を習得し、1983年に最初の1本を製作。翌年には彼の製作家としての道筋を決定づけることになる名工ホセ・ルイス・ロマニリョス(1932~2022)のギター製作コースに参加。その後1988年にベルギーで開催された2回目を、その翌年1989年にもスペインのコルドバで3回目のコースを受講。同年にはウィーンでのマイスター資格を取得しており、製作家としての地歩を着実に固めてゆきます。1990年にロマニリョスの名著 ‘Antonio de Torres. Guitar Maker ー His Life and Work’ のドイツ語版を製作家のゲルハルト・オルディゲスと共同翻訳して出版。1992年にも4回目を受講し、そして翌年にはついにアシスタントとしてロマニリョスを支えてゆく立場にまでなってゆきます。1998年に工房をウィーンの森近くのガーデンに移し、現在もここで製作を続けています。彼は教育活動にも精力的で、楽器製作者のための継続的な教育と専門的な能力開発を主眼として設立された協会 N.I.C.E(“The Neufeld Instrument Makers’ Congress and Event”) 創設メンバーとして名を連ねているほか、アメリカの大手ギターメーカーGibsonや日本などでのレクチャー、また自身が開催する製作ワークショップなど、師ロマニリョスがまさにそうであったように、後進の育成に力を注いでいます。