1985年にはフランスのカストレで開催された’Concours International des Facteurs de Guitare’において「芸術性」で1位、「音響」で2位を獲得し、これをきっかけにイタリアの新しい世代を担う製作家として世に認められるようになります。1989年には彼のオリジナルとして最重要モデルとなる “Coclea”を発表。極めて緻密な幾何学的、数学的なアプローチと伝統的な工法、そして彼の音楽芸術への深い造詣と嗜好が融合したものとしてイタリアのみならず現代のギターの中でも非常に特殊な位置づけがされているモデルとなっています。さらに飽くなき探求を続ける彼はその後アントニオ・デ・トーレス(1817~1892)の最晩年のギターにおける工法上の秘密をやはり科学的なアプローチを経て突きとめ、その研究をもとにまたしても非常に個性的なモデル“Thucea”を作り上げます。表面板の中央にヨーロピアンスプルース、その両外側にウェスタンレッドシダーという比重の異なる木材を合わせた4ピース仕様は響板としての振動効率を最大限に上げ、発音と遠達性の両方で未聞の成果を上げたものとなりました。また彼のもう一つの重要なラインナップとして、敬愛する偉大な先人達へのOmaggio(オマージュ)シリーズがあり、エンリケ・ガルシア、フランシスコ・シンプリシオそしてロベール・ブーシェのモデルが発表されており、そのレプリカとしての枠を超えた極めて高い完成度ゆえ、ギターファンからは垂涎のマストアイテムとなっています。
[楽器情報] アンドレア・タッキ 製作 Omaggio A Robert Bouchet 2022年新作入荷です。 「ロベール・ブーシェへのオマージュ」という名を冠された本作は文字通りこの稀代の名工への深い敬意とともに、タッキ氏自身の芸術的感性と工作技能の全てを注ぎ込んだような濃密な一本に仕上がっています。