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ギター 新入荷   写真をクリックするとさらに大きなカタログ写真が表示されます。
区分 輸入クラシック 新作
製作家/商品名 ゲルハルト・オルディゲス Gerhard Oldiges
モデル/品番 Model/No. ’’Homenaje’’ Romanillos 1973
001_002_oldiges_01_225
弦長 Scale Length 650mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 2025年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース(ヒスコック)
備考 Notes
ネック:シポ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:シェラー
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
ゲルハルト・オルディゲス Gerhard J.Oldiges 1955年ドイツ生まれ。大学卒業後にギターやリュートなど幾つかの工房で修業を重ねたのち、1985年にマイスター制度による国家試験に合格しゲゼレを取得、1986年に創設当初のLakewood Guitars のリペア部門で働くことになります。1988年にベルギーで開催されたホセ・ルイス・ロマニリョス(1932~2022)のギター製作セミナーに参加し、この名工から彼のその後の方向性を決定づけるほどの影響を受けることになります。1989年には再び国家試験に合格しマイスターの称号を得るとともに、自身の工房を設立。

ロマニリョスとは師弟として、そして良き友人としてその後も関係は続き、スペイン、シグエンサで開催された講習会ではトビアス・ブラウンらとともに助手を務めています(この講習会には尾野薫、田邊雅啓、中野潤らが参加している)。また彼の畢生の名著と言える「アントニオ・デ・トーレス その生涯と作品」のドイツ語訳を刊行するなどギター文化を拡げてゆくためのアクションも積極的に行っています。自身もやはりトーレスを起点とするスペインの伝統的なギター、そして特にハウザー1世の製作美学に傾倒し、現在もこれらのマエストロたちのギターを規範とした、外観、音色ともに味わい深い楽器を製作。名手ジュリアン・ブリームが所有するなどプロギタリストからも高い評価を得て、非常に限られた製作本数ながら世界中で愛用者を獲得している、現代ドイツの代表的製作家の一人。


〔楽器情報〕
ゲルハルト・オルディゲス 2025年新作 ‘Homenaje’ の入荷です。名手ジュリアン・ブリームが愛奏したホセ・ルイス・ロマニリョス1973年製のギター Serial No.1930-1-73 を基に製作されたもので、2022年に惜しまれつつこの世を去ったこの稀代の名工への文字通りのオマージュモデル。(※ちなみにオリジナルのSerial No.の「1930」はロマニリョスが使用したヘルマン・ハウザー1世の表面板テンプレートが1930年製のものであったこと、「1」はこの型を使用しての1番目のギターであること、「73」は1973年を示しています)

20世紀後半以降のクラシックギター製作においてトラディショナルであることの意義を問い続け、その指標となったロマニリョス。その製作哲学にじかに接し自らの方向性を確立していったオルディゲスによる本作は、クラシックギターの純然たる本質を提示することの覚悟さえ感じさせる、濃密な美しさに満ちた一本に仕上げられています。

全体は1973年製オリジナルをベースとしながら、そこにオルディゲス自身の創意工夫、あるいは彼が直接ロマニリョス本人とまさにこの1973年製について議論したことを基にした改善などが施されており、示唆に満ちたものとなっています。ロマニリョスといえばまず何よりもあの外観のデザインが想起されますが、本作の完成度は世界屈指と言ってもよいほどで、製作家自身により厳しく選定されたヨーロピアンスプルースとブラジリアンローズウッドの目に鮮やかなコントラスト、コルドバのモスクの柱廊をイメージした有名なロゼッタ、ボディパーフリングとタイブロックの象嵌の精緻な美しさと気品、そしてこれらの細部の強さを一つの流れにして受けとめるヘッドデザインに至るまでまさに芸術的な美しさ。この点、ロマニリョス本人の作には細部に手仕事(決して達者とまでは言えなかったのですが)の生々しさが刻印され、それが独特の立体感を生み出しているのに対し、オルディゲスは同様に手の素朴さを残しつつ、絵画的なデザインとしての完成度が際立った仕上がり。

そして音が素晴らしい。ロマニリョス的音響と発音特性を見事にとらえながら、オルディゲスならではの解像度の高さとあくまでも上品な慎ましさをもって着地させており、もはやオマージュというよりも最高度の「共作」だとの感慨さえも抱かせるものとなっています。跳躍するような発音、室内楽的なパースペクティブを持った音響設計もそうですが、特筆すべきは単音における、声に比するほどの繊細な震えをもった歌もまたロマニリョス的で(あまり言われませんがロマニリョスのギターはスペインでも屈指の「歌う」楽器だと言えます)、まさに弦の運動が有機的に音へと変換されているような生々しい密度があります。それは機能面でも効果を発揮して、速い発音から終止までの持続、スタッカートやスラーなどの曖昧さのない身振り、自然なスピード感を生み出すなど、曲の要求に十全に反応します。音像は程よく角が取れた、ほんのりと木質の肌理を纏わせたような魅力的なもの、ここでもその明る過ぎず慎ましい色味がなんとも愛らしく、そして力強い。

表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本で計3本のハーモニックバーを設置し、それぞれ高音側と低音側に1ヵ所ずつ開口部が設けられています。それら3本の開口部をくぐり抜けるように高音側と低音側とにそれぞれ一本の力木が表面板の木目にほぼ沿うような方向で設置されています(設置範囲は一番上と一番下のバーの間、ちょうど開口部の位置で両端が定められています)。サウンドホールの周りは大きなロゼッタで覆われたエリアをそのまま補強するようにパッチ板が貼られています。扇状力木は左右対称7本が設置され、ボトム部でこれらの先端を受け止めるように逆ハの字型に配置された2本のクロージングバー。駒板位置にはほぼ同じ面積で薄い補強板が貼られています。表板と横板との接合部分には形状の異なる2種類のペオネスが設置されているのですが、くびれ部より上は断面が三角形のもの、同じく下はすべて断面が椅子型のものを設置しています。7本の扇状力木は中央の3本が幅6.5mm高さ5mm、両外側2本ずつの計4本は幅3.5mm高さ2.5mmとサイズを変えており、これはオルディゲスがロマニリョスと1973年製モデルに関して議論をした際に出たアイディアで、ロマニリョス自身もその後の自作でしばしば採用しています。またハーモニックバーの開口部を通過して設置される力木はオリジナルでは2本ずつの計4本となっていますが、本作では1本に、しかも表面板木目に対して平行ではなくほんのわずかに斜めにして設置されています。駒板位置のパッチ補強もまたオリジナルと異なる仕様ですが、所有していたブリーム自身が後に同様のパッチプレートを追加しており、オルディゲスはこれに倣ったもの。さらにこれは力木構造とは別になりますが、横板は外側がブラジリアンローズウッド、内側は梨(Pear)の木を貼り付けて二重構造にしたものを使用(ただし厚みは併せて2mmで設定)しています。レゾナンスはGの少し下に設定されています。

ネック形状は殆どCに近いほどに丸みのあるDシェイプで薄めに作られているのでコンパクトなグリップ感。弦高値は3.2/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は2.5~3.0mmありますのでお好みに応じてさらに低く設定することも可能ですが、弦の張りは中庸からやや弱めなので現在値のままでも左手はストレスを感じずに弾くことができます。ネックとヘッドプレートはVジョイント方式。駒板とヘッド天板もブラジリアンローズウッドを使用。糸巻はドイツの最高級ブランドScheller製で黒蝶貝ボタン仕様のものを装着しています。

現在もなおその広範な影響の深さを認識させられるように世界中の製作家(特に若い世代の充実した仕事が顕著ですが)が同様にオマージュをささげているホセ・ロマニリョス。その中でも、おそらくいま最もこれを製作するに相応しい製作家による、その極点とも言える逸品です。


商談中 定価(税込) : 4,400,000 円 販売価格(税込) :  4,180,000 円

区分 輸入クラシック 新作
製作家/商品名 パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero
モデル/品番 Model/No. トーレスモデル model Torres ’La Retornada No.32
001_003_PSotero_1_01_224
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2024年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース(ヒスコック)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:バーネット
弦 高:1弦 3.5mm /6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero(1986~) スペイン北西部のガリシア州の美しい港湾都市ア・コルーニャに生まれ、現在も同地に工房を構える製作家。
もともとは建築を学んでいましたが、机上での製図に終始する作業に飽き足らず、木にじかに触れることから生まれる木工への興味が次第に増してゆきます。これがギターに対する愛情と重なってゆき、地元の工芸専門学校で何年か家具製作とデザインを学んだあと、2009年にバルセロナの製作家 Jean Pierre Sardin 主宰のサマーコースでギター製作を受講。これを機に楽器製作を生業とする事を決心します。その後2011年までの2年間、地元の美術工芸学校の古楽器製作のコースでヴァイオリンとルネサンスリュートの製作を学びます。また2010年と2012年の夏には、彼の彼の製作哲学に決定的な影響を与えることになる、名工ホセ・ルイス・ロマニリョスのシグエンサ講習会に参加。そこでロマニリョス本人の他 Jaum Bosser やステファン・リーズらからもビウエラとスペイン伝統のギター製作法を、また楽器の修復技術について学んでいます。

その間も知識と技術を磨くべく、彼はスペインからイギリス、ノッティンガムシャーのニューアーク=オン=トレントに居を移し、同国のAdrian Lucas, James Listerらからアコースティックやエレキギターの製作を学びます。さらに2013年にはベルギーのAmberesに移り、同地のLa Escuele Internacional de Luteria de Amberes(ILSA)にて楽器修復の学科を終了後、2019年まで同校にて教鞭を執る傍ら本格的に製作活動を展開します。現在は工房を生まれ故郷であるスペイン、コルーニャに移し製作と修復を精力的に行っています。

最大の師であるロマニリョスから受け継いだ、細部まで妥協を許さない繊細な造作、木の個性を活かした落ち着きのある洒脱な意匠、トーレスを基本とするスペイン伝統工法に立脚しながらどこかクロスオーバーな瑞々しい音色の魅力等は現在のスペインの若手の中でも静かに異彩を放っており、国内外で評価の高まりを見せています。

トーレスモデルをメインとするクラシックモデルの他、極めて個性的なデザインのブズーキ、マンドリン、ウクレレ、アコースティックギター等も製作しています。


〔楽器情報〕
パブロ・サンチェス・オテロ製作 'La Retornada' 2020年 ♯32 の入荷です。
本作は氏がベルギーのILSAで教鞭を執っていた頃に着手され、昨年2024年の夏に完成されたもので、当初は出荷用としてではなく、いくつかのギターフェスでの展示としてのみ公にされた、いわば秘蔵の一本と言えるもの。彼のラインナップにおけるもっとも主要なモデルであるトーレスモデル(アントニオ・デ・トーレスの銘器 1888年製のSE114をベースに、オテロ氏の個性的なセンスを盛り込んだオリジナルなモデル)と同じ設計で作られており、表面板はヨーロピアンスプルース、横裏板はインドに野生していた純粋なインディアンローズウッドで1950年ごろに英国に輸出されたものを使用しており、まさにその野趣あふれる木目に目を奪われます。全体はセラックニスによる繊細な仕上げで、この製作家ならではの慎ましくもモダンな外観を気品たっぷりにまとめあげています。

表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、サウンドホールの高音側と低音側にはそれぞれ1枚ずつの薄い補強板と、近接する横板のカーブに沿うように斜めにして1本ずつの短い力木が設置されています。そしてくびれ部より下は左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止めるようにV字型に設置された2本のクロージングバーという全体の配置構造で、トーレス作のSE114の設計に忠実に倣っています。レゾナンスはF♯の少し上に設定されています。ネックは薄いCラウンドシェイプでスペイン製としてはとてもコンパクトなグリップ感があり、日本女性の方でもストレスを感じないような形状で作られています。弦高値は3.5/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)、高音側はやや高めの設定ですが弦の張りが中庸なのでやはりさほどに弾きにくさは感じません、サドル余剰は2.5~3.5mmありますのでお好みに合わせてさらに低く調整することも可能です。重量は1.43㎏。

低音の重心感ときりっとした高音とが前景化し中低音が慎ましくそれを支えるようなバランス感で、独特の遠近感が生まれており、ポリフォニックな旋律において各声部が彫塑的に現出する感覚があります。インディアンローズウッド仕様ならではの迫力ある響きですが、表情は華やかさよりもむしろ木のナチュラルな響きゆえの落ち着きがあり、演奏において曲に明確な雰囲気を与えています。

本器に名付けられた 'La Retornada' は「帰還せし者」の意で、スペインからイギリス、ベルギーを経て生まれ故郷へと戻ってきた製作家自身の姿もまた投影したものとなっています。



新入荷 定価(税込) : 1,760,000 円 販売価格(税込) :  1,672,000 円
注文数 :   

区分 輸入クラシック 新作
製作家/商品名 パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero
モデル/品番 Model/No. トーレスモデル model Torres ’La Perdiz’ No.44
001_003_PSotero_1_01_225
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2025年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides バーズアイメイプル Solid Birdseye Maple
付属品 Option ハードケース黒(Manzano case)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.6mm/6弦 4.5mm

〔製作家情報〕
パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero(1986~) スペイン北西部のガリシア州の美しい港湾都市ア・コルーニャに生まれ、現在も同地に工房を構える製作家。
もともとは建築を学んでいましたが、机上での製図に終始する作業に飽き足らず、木にじかに触れることから生まれる木工への興味が次第に増してゆきます。これがギターに対する愛情と重なってゆき、地元の工芸専門学校で何年か家具製作とデザインを学んだあと、2009年にバルセロナの製作家 Jean Pierre Sardin 主宰のサマーコースでギター製作を受講。これを機に楽器製作を生業とする事を決心します。その後2011年までの2年間、地元の美術工芸学校の古楽器製作のコースでヴァイオリンとルネサンスリュートの製作を学びます。また2010年と2012年の夏には、彼の彼の製作哲学に決定的な影響を与えることになる、名工ホセ・ルイス・ロマニリョスのシグエンサ講習会に参加。そこでロマニリョス本人の他 Jaum Bosser やステファン・リーズらからもビウエラとスペイン伝統のギター製作法を、また楽器の修復技術について学んでいます。

その間も知識と技術を磨くべく、彼はスペインからイギリス、ノッティンガムシャーのニューアーク=オン=トレントに居を移し、同国のAdrian Lucas, James Listerらからアコースティックやエレキギターの製作を学びます。さらに2013年にはベルギーのAmberesに移り、同地のLa Escuele Internacional de Luteria de Amberes(ILSA)にて楽器修復の学科を終了後、2019年まで同校にて教鞭を執る傍ら本格的に製作活動を展開します。現在は工房を生まれ故郷であるスペイン、コルーニャに移し製作と修復を精力的に行っています。

最大の師であるロマニリョスから受け継いだ、細部まで妥協を許さない繊細な造作、木の個性を活かした落ち着きのある洒脱な意匠、トーレスを基本とするスペイン伝統工法に立脚しながらどこかクロスオーバーな瑞々しい音色の魅力等は現在のスペインの若手の中でも静かに異彩を放っており、国内外で評価の高まりを見せています。

トーレスモデルをメインとするクラシックモデルの他、極めて個性的なデザインのブズーキ、マンドリン、ウクレレ、アコースティックギター等も製作しています。


〔楽器情報〕
パブロ・サンチェス・オテロ製作 トーレスモデル 'La Perdiz' 2025年 #44 新作の入荷です。
彼のフラッグシップモデルとなっているもので、アントニオ・デ・トーレスの銘器 1888年製のSE114をベースに、慎ましくモダンな雰囲気を纏わせたような、瑞々しく個性的なトーレスモデルに仕上がっています。本器に付けられた名前 ’La Perdiz’はヤマウズラの意で、これは横裏板に使用されたバーズアイメイプルのスペイン名‘arce ojo de perdiz’ からとったものだそう。

表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、サウンドホールの高音側と低音側にはそれぞれ1枚ずつの薄い補強板と、近接する横板のカーブに沿うように斜めにして1本ずつの短い力木が設置されています。そしてくびれ部より下は左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止めるようにV字型に設置された2本のクロージングバーという全体の配置構造で、トーレス作のSE114の設計に忠実に倣っています。レゾナンスはFの少し下に設定されています。

トーレスよりもむしろロマニリョス的な発音特性で、撥弦における弾性が跳躍する粒のようにして音像化され、さらにそこに箱の容量を自然に活かしたようなふっくらとした奥行きが加わった、ナチュラルで凛とした響き。低音は重心をしっかりと感じさせながら、慎ましくも雄弁な中低音を経てきりっとした高音に至るバランスも心地よく、彫りの深い、室内楽的ともいえる音響は自然にポリフォニックな立体感を生み出しています。音色も魅力的で、バーズアイメイプル特有の真綿のような肌理の音像、そのクラシカルな佇まいがなんとも素晴らしい。必要に応じてダイナミックなうねりを生み出し、スペイン製ならではの迫力も十全に備わっているのでコンサートギターとしてのポテンシャルも高い一本です。

全体はセラックによる繊細な仕上げにより、ヨーロピアンスプルースとバーズアイメイプルの組み合わせによる明るい、ほとんど高貴ともいえる外観を引き立てています。ロゼッタなど非常に凝ったデザインながらあくまでも素材(オーク、メイプル、ウォルナット、ポプラ、レバノンセダー等)そのものの色と模様を活かしたナチュラルな意匠で慎ましくアクセントとなり、オリジナルのヘッドシェイプとその裏側に象嵌されたトレードマークの銀杏の一葉、フステーロ製の糸巻に至るまで美しく統一感のあるルックスはやはり魅力的。

ネック形状は薄いDシェイプですがほとんどラウンドに近いほど角の取れた形状をしており、しかも薄いのでかなり左手はコンパクトに感じます。弦高値は3.6/4.5mm(1弦/6弦 12フレット)と高めですが弦の張りが中庸なのでこのままでも弾きにくさはさほどに感じません、サドル余剰は2.5mmあります。重量は1.43㎏。


新入荷 定価(税込) : 1,760,000 円 販売価格(税込) :  1,672,000 円
注文数 :   

区分 輸入クラシック オールド
製作家/商品名 ヘルマン・ハウザー1世 Hermann Hauser I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No.
001_017_hauser_1_03_128
弦長 Scale Length 647mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 1928年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース(GEWA)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ランドスドルファー
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 3.6mm

[製作家情報]
ヘルマン・ハウザー1世 Hermann Hauser I (1882~1952)。その比類ない完成度と以後のギター界全体への影響の大きさにおいて、20世紀最大の製作家とされ、現在もクラシックギター至高のモデルとしてフォロワーの絶えない「セゴビアモデル」を世に出したことで知られるドイツ、ミュンヘンのブランド(のちに現在のライスバッハに移ります)です。

高名なチター奏者、作曲家で製作もした多才な父ヨーゼフ(1854-1939)の影響を受け、18歳のころより自身もチター製作を始めます。ハウザー家が居を構えていたドイツ、バイエルン州のミュンヘンは当時非常にギター文化が盛んであり、ヘルマンはチターだけでなく合奏用ギターやリュート、そして彼の類まれな製作技術を知ることのできる顕著な例として現在でも有名な「ウィンナモデル」や「ミュンヘンモデル」など、父親に負けず劣らず多様で精力的な製作活動を展開しています。この当時まだトーレスから始まるギターの新たな潮流はドイツには入っていませんでしたが、ミゲル・リョベートそしてアンドレス・セゴビアという二人の名手が演奏旅行に訪れたことで、彼らの奏でる音色とともにスペインギターへの文化的需要が急激な高まりをみせます。

ヘルマンは1913年にリョベートに会い、彼の愛器トーレス(おそらく1864年製)に初めて触れ、その構造的革新性と音色の素晴らしさに感動します。そして1916年にもリョベートと再会しその時彼が所有していた1859年製トーレスを仔細に検分する機会を得て本格的にトーレススタイルのスパニッシュギター製作に乗り出します。リョベート自身からも多くのアドバイスを得ていくつもの試作品(と言ってもどれも高度に完成されたものですが)を製作。純粋にトーレスのレプリカに近いものから、それまで自身で作っていた様式とトーレスとを融合したようなものまであり、あるべき音響を求め試行錯誤を繰り返していたことがうかがえます(この時期に製作されたトーレスレプリカのギターは「リョベートモデル」としてのちにハウザー2世、3世によって復刻されます)。

そして1924年、ドイツに演奏旅行で訪れた若き日のアンドレス・セゴビアはヘルマンの製作家としての才能を高く評価し、自身が携えてきた1912年製マヌエル・ラミレス(製作は同工房の職工長サントス・エルナンデス)のギターを見せてレプリカの製作を促します。トーレスを再解釈し、より現代的でクラシック音楽の表現にトータルに応え得るマヌエルのギターにヘルマンは感動し、新たに探求と試作を始めます。それから10年以上の時を経て1936年に完成した一本は、トーレス~マヌエル・ラミレスのスタイルを基本としながらハウザー独自の音響感覚を盛り込み極めて高いバランス精度で全体を仕上げたもので、その未聞の音色の素晴らしさにセゴビアは心から感動し「これ以上のものは作らなくてよい」という有名な言葉で称賛しています。その言葉通り、セゴビアは翌年1937年に製作されたヘルマン・ハウザー1世のギターに持ち替え、1962年まで使い続け数多くの名演を生み出してゆくことになるのですが、これがギター史上至高の名品とされる「セゴビアモデル」で、現在の3世、4世(カトリン・ハウザー)に至るまでこのブランドのフラッグシップモデルとなっています。それはギターの完璧な理想形としてグローバルスタンダード化しており、世界中の製作家によって研究、フォローされ、また現在でもギタリストたちの垂涎のアイテムとなっています。

ハウザー家は戦禍を逃れミュンヘンからライスバッハに工房を写し、戦後も名品を製作。そのレガシーはハウザー2世(1911~1988)に受け継がれ、よりドイツ的なニュアンスを増した逸品を世に出してゆきます。

世界的に有名なオークションではクラシックギターのカテゴリーにおいてトーレス、ロベール・ブーシェと並び最高値で落札されている。


[楽器情報]
ヘルマン・ハウザー1世 1928年製の入荷です。1924年のセゴビアとの邂逅、そのわずか4年後に製作されたもので、1937年という絶巓へと向かう確かな足取りとして記憶されるべき逸品です。実際にセゴビア自身が翌年1929年の日本を含むアジアツアーの際に1928年製のハウザー1世をコンサートで使用しており、また後年ジュリアン・ブリームがやはり同年製のものを所有していたことはギターファンにとってのコアなエピソードとなっています。またハウザーはこの時期すべてが必然的に実験であるがゆえにかなり多様な作風で製作していますが、上記のセゴビア、ブリームが所有していたものと本器とはほぼ同様のものとして作られていたと思われます。

ハウザーによるセゴビアモデルはやや図式的にいえばスペイン的音響のドイツ的洗練化といえるもので、これは例えばフランスの名工ロベール・ブーシェがトーレスから出発し自身の(フランス的な)音響へと至る過程とも比較することのできるもので、1928年の段階ではそのスペイン的ニュアンスがまだ濃厚に感じられることが特徴として挙げられます。のちのハウザーのまるで鍵盤楽器のように定位感のしっかりとしたバランス感ではなく、力強くふくよかな低音(まさにBassとしての)とよく歌うクリアな高音(まさに声としての)との対照を軸にした音響設計で、各弦は異なるアイデンティティを際立たせながら、全体に彫りの深い響きを形成していきます。ここでハウザーは響箱の容量を活かしながら、オーディトリアムな奥行きを作り出すのではなく、むしろ箱全体のエネルギーを音に濃縮するようにして濁りのない音響を生み出していることが特筆されます。そしてその音の連なりが、スペイン的なうねりを持った躍動とは異なり、直線のようにして紡がれてゆくことで各旋律が線的な重層性を際立たせているところなどもすでにのちの1930年代の作風の萌芽を感じ取ることができます。さらに特筆すべきは音自体の異様なまでの説得力で、表現楽器としての非常なポテンシャルはやはりこの時点でのドイツギターにおける極点を示していたと言えるでしょう。

表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーを設置。このうち下側のバーは高音側と低音側それぞれに長さ5cm高さ3mmほどの開口部が設けられており、サウンドホールの両脇には1枚づつ薄い補強板が貼られているのですが、これら補強板が一方の端は上側バーのところでぴったりと接しており、もう一方の端は下側バーの開口部を1cm弱ほどくぐり抜けたところまで伸びています。扇状力木は左右対称7本、これらの先端をボトム部で受け止めるようにハの字型に配置された二本のクロージングバーという設計。駒板位置に補強板はありません。ここで特徴的なのは下側ハーモニックバーの開口部をサウンドホール脇の補強板が通過するという配置で、通常は(例えばトーレスをはじめとして)扇状力木のほうがこのようなバーの開口部をくぐり抜けてサウンドホール縁まで延伸していることがスタンダードなっています。さらに読み込んでゆけば、ここでハウザーが採用した配置はその後ホセ・ルイス・ロマニリョスの3本のハーモニックバーを垂直に通過する2本+2本の力木構造の基になったハウザーの力木設計へと移行する最初の段階とも見ることができます。レゾナンスはG# の少し下に設定されています。

全体はセラック塗装仕上げ。表面板は高音側低音側ともに指板脇からボトムにかけての広い範囲で数か所の割れ補修歴があります。これはサウンドホール脇部分に一つと駒板下部分に一つの合計2枚だけ内側からパッチ補強されていますがその他の部分はすべて接着のみで補修されており、現状で使用には全く問題ありません。また表面板自体はこの時期に作られたものとしては(割れ等の症状を経たものとしては)歪みや波うち等の症状は最小限にとどまっています。表面板全体に弾きキズ、搔きキズ、打痕等あり、横裏板は右腕や胸の当たる部分
に塗装摩耗見られますがトータル的には年代相応のレベルです。ネック、フレットは良好な状態です。ネックシェイプは普通の厚みのDシェイプ。弦高値は3.0/3.6mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は0.5~1.0mmとなっています。糸巻はLandsdorfer、出荷時のオリジナルのままで、現在も機能的な問題はありません。





新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

区分 輸入クラシック オールド
製作家/商品名 ヘルマン・ハウザー2世 Hermann Hauser II
モデル/品番 Model/No. セゴビアモデル Segovia No.935
001_017_hauser_2_03_173
弦長 Scale Length 646mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 1973年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース 黒
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ライシェル
弦 高:1弦 2.9mm /6弦 4.1mm

〔製作家情報〕
ヘルマン・ハウザー2世 Hermann Hauser II(1911~1988)
ハウザーギターは疑いなく20世紀ドイツ最高のギターブランドであり、現在も4代目がその伝統を継承し100年以上にわたって一子相伝で製作を続けている老舗です。ヘルマン・ハウザーI世(1884-1952)が、ミゲル・リョベートが所有していたアントニオ・トーレスとアンドレス・セゴビア所有のマヌエル・ラミレスをベースにして自身のギターを改良し、後にセゴビアモデルと呼ばれることになる「究極の」名モデルを製作した事は良く知られています。それはトーレスがギターの改革を行って以来最大のギター製作史における事件となり、その後のギター演奏と製作との両方に大きな影響を与えることになります。1世の息子ハウザー2世はドイツ屈指の弦楽器製作都市として知られるミッテンヴァルトで4年間ヴァイオリン製作学校で学んだ後、1930年より父の工房で働き始めます。彼ら親子はほぼ共同作業でギターを製作していましたが、ラベルはハウザー1世として出荷されています。1世が亡くなる1952年、彼は正式にこのブランドを受け継ぎ、彼自身のラベルによる最初のラベル(No.500)を製作。以来1983年に引退するまで極めて旺盛な活動をし、500本以上のギターを出荷しています。

ハウザー2世もまた父親同様に名手たち(セゴビア、ジュリアン・ブリーム、ペペ・ロメロ等)との交流から自身の製作哲学を熟成させていったところがあり、また彼自身の資質であろうドイツ的な音響指向をより明確化することで、1世とはまた異なるニュアンスを持つ名品を数多く世に出しました。有名なところではなんといってもブリームが愛用した1957年製のギターですが、その音響は1世以上に透徹さを極め、すべての単音の完璧なバランスの中にクラシカルな気品を纏わせたもので、ストイックさと抒情とを併せもった唯一無二のギターとなっています。

1970年代以降の彼は特にその独創性において注目されるべきペペ・ロメロモデルや、おそらくは急速に拡大した需要への柔軟な姿勢としてそれまでには採用していなかった仕様での製作も多く手がけるようになりますが、やはり完成度の高さの点では1世より引き継いだ「セゴビア」モデルが抜きんでています。その後1980年代からモダンギターの潮流が新たなスタンダードと目されていく中でも、ハウザーギターは究極のモデルとしての価値を全く減ずることなく、現在においてもマーケットでは最高値で取引されるブランドの一つとなっています。

1974年からは息子のハウザー3世(1958~)が工房に加わりおよそ10年間製作をともにします。3世もまた2世のエッセンスに独自の嗜好を加味しながら、ブランドの名に恥じぬ極めて高度な完成度を有したモデルを製作し続けています。

[楽器情報]
ヘルマン・ハウザー2世製作 1973年製 セゴビアモデル No.935 Usedの入荷です。外観上は1世より続くこのモデルのデザインを踏襲していますが、表面板力木配置をはじめとする内部構造は1960年代後半以降に定式化した、2世により若干の改編が加えられた設計によって作られています。

本器の力木設計はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、両脇に一枚ずつの薄い補強板を設置。この上下のバーは上側の方は真っ直ぐなバーですが、下側のものはちょうど中央でわずかに屈折しており、高音側低音側ともにややネック方向寄りのところで横板と接しています。扇状力木は左右対称7本、ボトム部のクロージングバーはなく、7本ともほぼボトムに到達する位置まで伸びています。駒板位置にはほぼ同じ面積で薄い補強板が貼られています。このネック側に向かって屈折したハーモニックバーと、ボトム部にクロージングバー(通常は2本、扇状力木の先端を受け止めるようV字または逆ハの字型に配置されている)を設置していない設計は2世独自のもので、表面板下部の振動領域を低音高音側ともに広くとっているのですが、この発想は実はクラシックギターではむしろ珍しい。レゾナンスはAの少し下に設定されています。

撥弦と発音がほぼ完全に同一化したような速い反応で、ハウザーとしてはやや粘りを抑えた発音から上品な艶を湛えた音像が現れ、旋律は粒立ちの良い点の列のように音が連なってゆき、その凛とした響きがなんとも清々しく心地良い。高めのレゾナンスのせいか低音はその重心をしっかりと感じさせながらもむしろすっきりとしており、高音が自然に前景化するような音響設計、そのためかハウザーとしては明るく、軽快ささえ感じさせる全体の響きなっています。とはいえ必要に応じて力強く十全に鳴り、ストイックな相貌のなかに多様な表情を含蓄した音などいかにもクラシカルで、表現楽器としての高いポテンシャルを有しています。

出荷時オリジナルのラッカー塗装で、全体に細かなウェザーチェック(ひび割れ)を生じていますが塗装の性質に由来する経年の自然変化ですので現状で全く問題ありません。そのた軽微な弾きキズや数か所にちいさな打痕、駒板下部分に弦交換時のキズが少々あります。横裏板は演奏時に胸の当たる部分などボタン等衣服による摩擦やスクラッチあとがありますが、製作年を考慮しますと総体的に良好な状態と言えます。ネックはわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットは1~7フレットでやや摩耗見られますが現状で演奏性に問題ありません。ネックシェイプはやや薄めのDシェイプ、弦高値は2.9/4.1mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.0~1.5mmあります。重量は1.55㎏。


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区分 輸入クラシック オールド
製作家/商品名 ヘルムート・ブッフシュタイナー Helmut Buchsteiner
モデル/品番 Model/No. B-10 No.641
001_buchsteinerH_03_203
弦長 Scale Length 650mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 2003年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:エバルド
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
ヘルムート・ブッフシュタイナー Helmut Buchsteiner 1940年オーストリア、グラーツ生まれ。1954年から弦楽器製作家のJakob Doriathのもとで修行を始め、めきめきと頭角をあらわすようになり、1957年にはジャーニーマン(徒弟制度を終了した職人)としての資格を得ます。この時期オーストリアのRosmeizel、ドイツの老舗メーカー Roger などに職人として働き、主にジャズギターの製作に従事していますが、ここでクラシックギターも製作も始めています。1961年には弦楽器、打楽器のマイスター称号を取得。1962年から2年間にイギリスに渡りエレキ、アコースティックギターの製作に従事、そして1964年から1966年までアメリカのニューヨークやシカゴでギターと弦楽器マスタービルダーとして現地のブランドと共同製作や修理に携わるようになります。1966年ドイツに帰国後はGIMA/Voss 社の工場長に就任し、主にアーチトップギターなどを製作。1968年には渡米前に働いていたノイマルクトの Roger工房を借りて自ら会社を設立しますが、最初は主に卸売り中心だったようです。1969年ごろからこの会社が経営をクラシックギターを含む多様なラインナップの製作と卸売りを行うブランド(b-ton)へと経営を拡大してゆき、その後は後進を育てながらクラシック、エレキ、アコースティック、弦楽器、古楽器など実に多様なジャンルで製作を続け、数々の賞を受賞。1985年には東京で世界の最もすぐれた10人の弦楽器製作者に選ばれるなど、その精緻極まる工作精度とバランスの良い音響は国際的な名声を獲得してゆきます。1989年からドイツ、ミッテンヴァルトにてヴァイオリン製作学校にて教鞭を執り、1992年からはオーストリア北部ハルスタットに移り、ハルシュタット大学木工芸科で教鞭をとる傍ら製作。

1980年代中頃に工房での不慮の事故で左手の指先を欠損してからは自身の製作本数は限定的になるものの、継続してすぐれた仕事を行っていましたが2010年に工房を閉鎖します。

そのキャリアにおいて、弦楽器、撥弦楽器の実に広範囲にわたる旺盛な製作を展開しており、ジャンルに応じて優秀な弟子たちを輩出した製作家ですが、クラシックではヘルマン・ハウザー3世、フリッツ・オベール、エドムンド・ブロヒンガーらがいます。


〔楽器情報〕
ヘルムート・ブッフシュタイナー モデル B10 2003年製 No.641 状態良好のUsed 入荷です。彼のクラシックモデルとしては楕円形のサウンドホールが印象的な「ワイスガーバーモデル」と並び、よく知られ、そして最も流通したモデルの一つ。ワイスガーバーの構造的多様性を目の当たりにし、アコースティックギター製作の経験を通して培われた彼の独創的な発想は本器においても発揮されています。外観は極めてオーソドックスで、ある種ドイツ的な厳格さによって堅実にまとめあげられたものですが、内部の表面板力木配置において大胆な非対称性を取り入れた設計を行っており、それはクラシックギターの製作では現在でも個性的なものとなっています。

サウンドホール上側(ネック側)に1本のハーモニックバー、そして下側は2本のハーモニックバーがやや高音側に寄った位置でX状に交差しており、しかもそれぞれのバーは片方が細く高い切妻型でもう片方が低く幅のある山型で加工されています。さらにこの2本が交差する箇所は切妻型のバーに開口部が設けられ、山型のバーがそこをくぐり抜ける方式で、お互いの長さも異なります(つまり2本のバーそれぞれの始点と終点の位置もまた左右非対称になっています)。ボディ下部は5本の扇状力木がちょうど表面板のセンターに設置された一本を境にして高音側に3本、低音側に1本、それぞれの間隔も角度も不均等に配置されています。ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ幅の補強プレートが一番高音側の扇状力木と上記のX状に交差するバー下端部分との間にぴったりと収まるように貼られています。その他も低音側のみに一か所短い力木がX状バーと横板とを繋ぐように設置されていたりと徹底した精緻さが細部まで見て取れます。表面板と横板との接合部分にはペオネス(木製の小型ブロック状のものを並べてゆくようにして設置する)ではなく、接ぎのないライニングを設置。レゾナンスはAの少し上に設定されています。

計算された物理的プロセスによりボディ振動から音が精製されたような、木質の生々しさよりもほとんど金属的なまでの洗練が聴かれるのですが、音楽的な表情は不思議なまでに豊かなものがあります。発音の反応も早く、タッチと同時に瞬間的に整った音像が現れるいかにもドイツ的な機能性は心地よく、左手のスラーやスタッカートなどの反応もまた鋭敏なので、音楽は自然に輪郭のくっきりとしたものになります。あえてハウザーとの比較で言えば(彼は3世に製作の手ほどきもしているので)、ハウザー的発音における高い硬度と弾性との絶妙な案配が生み出す濃密なうねりに対し、ブッフシュタイナーの本モデルにおいては直線的な音響が特徴となっており、より鍵盤的なメカニズムが際立つ楽器となっています。

製作から20年以上を経た楽器としてはとても良好な状態で美品と言えるレベル。表面板は軽微なキズがわずかに数か所のみで横裏板は衣服による細かな摩擦あとのみとなっています。ネック、フレットも良好な状態。ネックシェイプは普通の厚みのDシェイプ、弦高値は3.0/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.0~2.0mmありますのでお好みに応じてさらに低く調整することも可能です。糸巻はドイツ製のエバルドを装着、現状で機能的な問題はありません。


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区分 輸入クラシック 中古
製作家/商品名 ステファン・コナー Stephan Connor
モデル/品番 Model/No. No.514
001_ConnorS_02_225
弦長 Scale Length 640mm
国 Country アメリカ U.S.A
製作年 Year 2025年
表板 Top 杉 Solid Ceder
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース 
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック /横裏板 ラッカー
糸 巻:ピンウェル
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 4.0mm


[製作家情報]
アメリカ・マサチューセッツ州ケープコッドを拠点に活動するクラシックギター製作家。1994年より最高品質の素材を用い、演奏会レベルのクラシックギター製作を専門とする。スペイン伝統の美意識を基盤にしつつ、ラティス・ブレイシング、レイズド・フィンガーボード、サウンドポートなどの革新技術を取り入れた独自の設計を確立。豊かな音量と深みのある表現力で、世界の名演奏家たちから高い評価を受けている。

エリオット・フィスク、アサド兄弟、スコット・テナント、アナベル・モンテシノス、マルコ・タマヨ、アンヘル・ロメロら、国際的な演奏家たちが彼のギターを愛用。世界各地から自ら厳選したトーンウッドを使用し、工房にて長年にわたり自然乾燥・熟成させるなど、音響と美観の両面において徹底した品質追求を行っている。


[楽器情報]
アメリカ・マサチューセッツ州ケープコッドを拠点に、世界的な評価を誇るクラシックギター製作家ステファン・コナー氏による、貴重な2025年製の中古ギター(シリアルNo.514)が入荷いたしました。

Connor氏は、伝統的なスペインギターの美学と最先端の音響工学を融合させた設計で知られ、多くの国際的演奏家から絶大な支持を集めています。ラティス・ブレイシング構造やレイズド・フィンガーボード、サウンドポートなどの革新的な要素を採用しながら、音の深みと表現力を最大限に引き出す製作技術が光る一本です。

外観にはわずかな使用感・小傷が見受けられますが、全体として良好なコンディションを保っており、演奏面でも非常に安定しています。音の立ち上がりも良く、サロンからホールまで幅広いシーンで力を発揮してくれる1本です。


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区分 輸入クラシック オールド
製作家/商品名 ホセ・ラミレス 3世 Jose Ramirez III
モデル/品番 Model/No. MT スタンプ
001_joseramirez_03_162
弦長 Scale Length 664mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1962年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option バムケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 4.2mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史ある工房にして世界的にも有名なスパニッシュギターブランドのひとつ ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

その後もアマリアを中心に柔軟な商品開発を継続しますが、2000年代以降はむしろ名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルに人気が集中するようになり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに現在も愛奏されています。


[楽器情報]
ホセ・ラミレス3世 1962年製作(MT スタンプ)。当時のラミレス工房はパウリーノ・ベルナベを職工長に、十数名の精鋭たちが製作にあたっており、完成した楽器には製作担当者のイニシャルが刻印されていました。当楽器の「MT」は先代のマリアーノ・テサーノス(1915~1982)製作のもの。1960年代の10年間ラミレスの黄金期を支えた最重要人物の一人です。MTスタンプのラミレスギターはなんといってもアンドレス・セゴビアが使用し、ナルシソ・イエペスの最初の10弦ギターを製作したことで深くギターファンの記憶に刻まれていることでしょう。職工長のベルナベと並ぶ製作技術を持ち、そのギターは同時期のラミレスの中でも突出した完成度を誇っています。

ラベルにはまだ「1A」の表記や製造番号の表記はありません。MTのイニシャルはボディ内部のネックの脚部分にスタンプされています。ラミレスが現在まで続くことになるフラッグシップモデル「1A」の仕様を確立し、爆発的な需要を巻き起こすことになるのは1964~1965年にかけてですが(1Aの基本スペックは1964年に出来上がっていたものの、最初は杉ではなく松材の使用が主でした)、本作はそれにさらに先立つ時期のもの。「1A」の基本スペックはこの時期にほぼ完成しており、ボディシェイプ、664mmのスケール設定、そして表面板の力木配置などはのちの「1A」と全く同じになります。ここからさらに1965年には表面板にレッドセダー(杉)を使用し、塗装はユリア樹脂、横板は内側にシープレス材を貼り付けた2重仕様(本作は中南米ローズウッドの単板仕様となっています)とさらにスペックを変容させていくことになります。しかしながら移行期の作とするには本器1962年製はあまりに優れた一本となっており、むしろのちのマーケット志向の作よりも、ラミレスというブランドのスペインギターの正統性が円満にしかも高度に具現化された逸品と言える個体です。

表面板力木構造は1A モデルの基本形と同じ、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、このうち下側バーの中央で(つまりサウンドホールのちょうど真下のところで)低音側から高音側に向かって表面板を斜めに下がってゆくように設置されたもう一本のバーが交差しています。これら3本のバーのうち下側バーと斜めのバーの2本は低音側に長さ5cm高さ2mmほどの開口部が設けられています。ボディ下部は6本の扇状力木がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本を配し、ボトム部分でこれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板の範囲をカバーするように薄いパッチ板が貼られています。レゾナンスはGの少し上の設定。

のちの「1A」が高音を前景化させてメロディーを強調させるような音響設計を目指していたのに対し、本作では高音部の歌としてのアイデンティティを明確にしながらも、適切な重心設定(Gのレゾナンス)による低音~中低音の安定した響きが支えており、その全体のバランスが実に自然で心地良いものになっています。発音は木を叩くようなアタック感とともに箱の奥から響く、たっぷりとした大きさを持った音像として現れ、音圧の高さはこのブランドならではの迫力がありますが、あくまでも上品なのはテサーノスゆえの着地でしょうか。同じく発音における程よくわずかな粘りが、旋律としての有機的なうねりを生み出しており、ここにもまたのちのラミレスには聴くことのできない「抑制による気品」があります。さらに特筆すべきはタッチに対する反応の良さで、自然にドライブ感が生まれてゆくような発音の速さはもちろん、音色(とそれにともなう表情)の変化、そして繊細な微音から強奏(ラミレスのポテンシャルを活かしきったような)までのダイナミックな振幅、これらがあくまでも奏者の音楽的要求に準ずるかのように発動し、楽音としての充実した響きを常に聴かせます。

全体はセラック塗装仕上げですがおそらく一度再塗装されており、現在は細かく浅い傷が散在しているだけのきれいな外観です。表面板の駒板からボトム部にかけて2か所割れ補修歴があります(内側パッチ板補修あり)。横裏板は割れ等の大きな補修歴は無く、現状で塗装に若干の擦れが見られる程度の良好な状態。ネック裏もおそらく再塗装されており、わずかに演奏時の爪キズありますがきれいな状態です。指板は二重指板による調整歴があり、現状でネックは真っ直ぐを維持しています。またフレットも適正状態を維持しています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ、弦高値は2.7/4.2mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.5~2.5mmありますのでお好みに応じてさらに低く設定することも可能です。664mmスケールですが弦の張りは中庸で、左手は押さえやすく設定されていますので上記設定値のままでも特にストレスは感じません。重量は1.56㎏。


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区分 輸入クラシック オールド
製作家/商品名 ホセ・ラミレス 3世 Jose Ramirez III
モデル/品番 Model/No. 1a No.16745
001_joseramirez_03_182
弦長 Scale Length 664mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1982年
表板 Top 杉 Solid Ceder
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース(茶色)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 3.8mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史ある工房にして世界的にも有名なスパニッシュギターブランドのひとつ ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

その後もアマリアを中心に柔軟な商品開発を継続しますが、2000年代以降はむしろ名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルに人気が集中するようになり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに現在も愛奏されています。

〔楽器情報〕
ホセ・ラミレス3世のフラッグシップモデル「1A」のインディアンローズウッド仕様、1982年製 No.16745 Usedです。ボディ内部には「15」の数字がスタンプされており、これはラミレス公式の職人リストによるとホセ・ルイス・アルバレス・マリブランカ Jose Luis Alvarez Mariblanca が製作を担当したことになります。このモデルの特徴的な音響を不足なく備えており、全体に太めのマッシブな音で、特にやはり濃密な艶を湛えた高音はラミレスならではと言えるでしょう。

表面板内部構造は1A モデルの基本形を踏襲しており、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、このうち下側バーの中央で(つまりサウンドホールのちょうど真下のところで)、低音側上部から高音側下部に向かって下がってゆくように斜めに設置されたもう一本のバーが交差しており、そしてボディ下部は6本の扇状力木がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本を配し、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長いパッチ板が貼られています。レゾナンスはG#~Aの間に設定されています。

割れの修理履歴はなく木材に関しての大きなダメージはありませんが、全体はウレタン再塗装が施されており、その際に深い打痕等は修正された形跡があります。現時点で弾き傷や打痕等も少々見られ、横裏板は衣服等による細かな摩擦あとがありますがきれいな状態を維持していると言えます。指板は二重指板とフレット打ち換え歴があり、現時点でネック状態は良好で、フレットは1~5フレットでやや摩耗ありますが演奏性には問題のないレベルです。指板調整により弦高値もこの時期のラミレスとしては低く弾きやすく設定されており、2.7/3.5mm(1弦/6弦 12フレット)となっています。サドル余剰はありません。ネックシェイプはDシェイプの薄めで角の取れた形状ですのでこのブランドとしてはコンパクトなグリップ感。大きめなサイズ感と高低差のある設定などでやや手ごわい印象のあるラミレスですが、本作は総じて左手の演奏性のストレスが軽減されています。



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区分 輸入クラシック 中古
製作家/商品名 オリヴィエ・ファントン・ダンドン Olivier Fanton d’Andon
モデル/品番 Model/No.
001_OlivierFD_02_208
弦長 Scale Length 653mm
国 Country フランス France
製作年 Year 2008年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option セミハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 4.0mm

フランスの伝統的なギター製作技術と現代的な感性を融合させたルシアー、Olivier Fanton d'Andon(オリヴィエ・ファントン・ダンドン)氏による2008年製の中古クラシックギターが入荷いたしました。

Fanton d'Andon氏は、フランス南部に工房を構え、精緻なクラフトマンシップと音響設計の高さで知られる気鋭のギター製作家。伝統的なトーレス〜ブーシェの流れを汲みながらも、洗練された音色バランスと繊細な表現力を備えたギターを世に送り出しています。これまでに多くのコンサートギタリストや上級奏者に愛用されており、フランス国内外で着実に評価を高めている存在です。

今回入荷した本器は、2008年製の一本。深く柔らかい音色が印象的で、特に中音域のふくらみと高音の透明感が絶妙なバランスで共存しています。ピアニッシモからフォルテシモまでのダイナミックレンジも広く、表現力を追求する奏者にとっては非常に魅力的な楽器です。

外観には年式相応の小傷や使用感がございますが、演奏性・構造面においては非常に良好な状態を保っており、即戦力の一本としておすすめできます。

音色の美しさと深み、そしてフランス的エレガンスを併せ持った逸品。個性的かつ繊細な表現を求める方に、ぜひご試奏いただきたいギターです。

ご試奏や仕様の詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。

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