[楽器情報] 野辺正二 製作の珍しいテルツギター 1969年製 No.5 Usedの入荷です。テルツ(Terz)ギターはギターの通常調弦の短3度上のチューニング(G、C、F、A#、D、G)、弦長は530~580mmで小さめなボディで、19世紀初頭のオーストリアを中心に開発され普及しました。マウロ・ジュリアーニ(1781~1840)の「ポプリ」やヨハン・カスパール・メルツ(1806~1856)の「ギター二重奏曲」などに見られるように二重奏や合奏での第1パートでよく使用されていた他、同時代の作曲家によるギター曲はこの時代特有のブリリアントな作風の効果を高めるためにしばしばテルツギターで弾かれたそうです。製作家として代表的なのはウィーンの名工ヨハン・ゲオルグ・シュタウファー Johann Georg Stauffer(1778~1853)の名が挙げられますが、野辺正二の本作はそのシュタウファーに倣って作られたものとのこと。ただし実際にはシュタウファー作のオリジナルとは全く異なるもので、デザインから内部構造に至るまで野辺正二本人のスタイルで作られています。