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製作家/商品名 ヘスス・ベレサール・ガルシア Jesus Belezar Garcia演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.120
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弦長 Scale Length 659mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1973年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm


[製作家情報]
ヘスス・ベレサール・ガルシア(1920~1986)
スペイン、マドリッドの生まれ。13歳から機械工として働き始めた彼は同時にフラメンコギターの演奏も本格的に学んでおり、17歳の時にはプロギタリストとして活動も始めていました。1945年、25歳の時に「エルナンデス・イ・アグアド」のブランド名で知られるギターの製作者の一人マヌエル・エルナンデスの娘エミリアと結婚。彼は演奏家として「アグアド」のフラメンコギターを使用していましたが、そのような環境ゆえ次第にギター製作にも興味を持つようになります。そんな彼の気持ちを知ってか、1966年のある日義父のエルナンデスより「アグアド」の後継者になってほしいと相談を持ち掛けられます。当時すでにエルナンデスの相方であるビクトリアーノ・アグアドは身体の不自由を訴え始めており、ブランドの存続を憂いての提案であるとともに、ベレサールの実直な人間性と機械工としての技術の確かさを見込んでのことであったでしょう。彼は製作家になる決心をし、46歳にして一から製作方法を学びます、師匠はもちろんエルナンデスとアグアドの二人。2年間の修行を経て1968年に独立。機械工の仕事も辞し、ギター製作一筋に従事してゆきます。

生涯に製作したのはわずかに83本。彼自身はフラメンコギタリストでしたが、試作品として自分のために製作した最初の一本(No.1)と2本目(No.52)を含む3本のみがフラメンコギター、あとの80本はクラシックギターとなっています。独立後に製作したギターはNo.103から製造番号が付けられており、最後の1本はNo.183 。

師であるエルナンデスとアグアドの製作方法、塗装、デザイン、そして音色的に多くものを顕著に引き継ぎながらも、そのトータルクオリティと芸術性の高さにおいて非常に個性的であり、「アグアドの後継者」という枠に収まらない強固なアイデンティティを持っています。最大の特徴である響きと音色は、どこまでも優しく力強く、独特の肌理を持ち、自在に表情を変えてよく歌い、そして余計なものが何もないといったもので、師のギターが時に「スネアドラムのような」と評されるほどのマッシブな音の迫力を湧出するのに対し、ベレサールは常に揺るぎのないジェントルな強さに満ちています。そしてアグアドのギターがその天才性でしか説明がつかないような個性を放つのと同様に、ベレサールのギターもまたスペインギターの中でも特異な存在となっています。

彼を直接知るひとはみなその優しくまじめな人柄のことを話し、その彼が作ったギターもまた彼の性格そのままに、暖かく耳に心地よい響きを有したものだと語ります。亡くなる直前まで没頭するように製作に従事し、1986年8月28日惜しまれつつその生涯を閉じます。


[楽器情報]
ヘスス・ベレサール・ガルシア 1973年製作のNo.120 クラシックモデル Usedの貴重な入荷です。
ベレサールの製造番号は独立後最初に作られた1本にNo.103があてられているので、本作はブランド設立からは18本目のギターとなります。ふっくらとした優美なライン、ある種の荘厳ささえ感じさせながらあくまでも洒脱なヘッドデザイン、独特な調合によるセラックで深い光沢をたたえた塗装仕上げ等々アグアド的なものを彷彿とさせる外観がまずは非常な魅力となっています。そして音、やや硬めな発音ながらその一粒一粒は心地よい丸みを帯びた弦楽器的な音像で、高音から低音に至るまで重心の安定した響き、そして人間の声のように自然な明暗を備えています。その音楽的表現力は、やはりアグアドと同様に非常な魅力であり、まさに歌う楽器としてのギターの特性を最大限に発揮しています。その表情は可愛らしさから強靭な意志までの大きな振幅で奏者のタッチに応じ、ルネサンス・バロックの楽曲では凛とした清潔感、古典派ロマン派の演奏においては深い憂愁と愉悦まで、あくまでも上品に表現する素晴らしさ。師のギター同様に奏者にはタッチの熟練と相性が求められますが、フィットした時の豊かな感触はやはり真の名品ならでは。

内部構造も1960年代後半のアグアドギターにほぼ準拠。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、サウンドホール真下の位置から高音側横板に向かって斜めに下りてゆくように配された1本のトレブルバー、扇状力木はセンターに配された1本を境にして高音側に2本と低音側に3本の合計6本、それらの先端をボトム部で受け止める2本のハの字型に配置されたクロージングバー、ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ大きさのパッチ板が貼られているという全体の配置。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

ボトム部の左右横板接合部に隙間と割れの補修履歴あり、またくびれ部分のパーフリング隙間補修歴があります。細かなスクラッチ、弾き傷等はありますが年代考慮すると比較的良好な状態。裏板塗装は全体に細かなひび割れが生じていますがさほどに外観は損ねず、また継続しての使用にも影響はありません。製作からほぼ50年を経たギターとしては良好な状態を維持しています。ネックは厳密にはほんのわずかに順反りですが演奏性等に影響はないレベル、フレットも適正状態を維持しています。ネック形状は薄めでフラットなDシェイプ、弦は中庸からやや強めの張り、弦長も660㎜ですが弾きにくさを感じません。ボディ重量は1.51Kg。

製作数の少なさという点からとは別に、おそらくはスペインギター史の中でも唯一「アグアド」の音響哲学を継承し体現したブランドという意味において、大変に貴重なブランド、貴重な一本です。






定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。


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