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製作家/商品名 ロベール・ブーシェ Robert Bouchet演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.16
001_000_bouchet_03_151
弦長 Scale Length 650mm
国 Country フランス France
製作年 Year 1951年
表板 Top スプルース単板 spruce
横裏板 Back & Sides 楓 Maple
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
〔製作家情報〕
1898年フランスのパリ生まれ。本業の画家としても名声と地位を確立していた彼は1932年ごろから趣味でギター演奏を始めると共に、近くあったフリアン・ゴメス・ラミレスの工房に足しげく通うことになり、徐々に製作にも興味を示す様になりました。
その後1946年には師の影響下、トーレスモデルの製作を開始。その後少しずつ独自の作風を確立し生涯154本の名作を生み出したことは良く知られています。
トーレスモデルからの変遷期にあたる1959年ごろには、プレスティとラゴヤの所有する楽器を製作し、一躍世界にその名を知られる存在になった時期と言えますが、この作品もブーシェ独自の気品ある滋味深い奥行きの有る音色で、まさに銘器と呼ぶに相応しい風格を持つ逸品と言えます。

〔楽器情報〕
横裏板が楓材のブーシェの中でも数本しかない楽器です。初期の作品でトーレスモデルになっています。裏板に割れ修理はありますが、表面板に割れなく良好な状態です。
ネック反りなく弦高弾きやすく調整されています。
音の伸びバランス良好で音はトーレスの響きを持ちながらブーシェ独特の渋い音質も感じられます。
すみずみまで音楽的ニュアンスにあふれ、力強さと繊細さ、ダイナミックな振幅、鋭敏な反応性など、ブーシェ初期の傑作と言える1本です。





品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ロベール・ブーシェ Robert Bouchet演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.103
001_000_bouchet_03_164
弦長 Scale Length 650mm
国 Country フランス France
製作年 Year 1964年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:バンゲント
ナット:象牙
サドル:牛骨
弦 高:1弦 3.5mm/6弦 4.0mm

[製作家情報〕
ロベール・ブーシェ(1898~1986、フランス) 20世紀フランス最大の巨匠であり、現在に至るまでヨーロッパのみならずあらゆるクラシックギター製作に影響を与え続けているまさしく不世出の名工です。その比類なき芸術性と生涯わずか154本のみの製作という稀少性とから、彼の全モデルは現在トーレス、ハウザー1世に次いで最も高値で取引されています。プレスティ/ラゴヤの音響世界の源となり、若き日のブリームを熱狂させ、晩年には国内屈指の美音の持ち主である故稲垣稔氏を魅了したマエストロはまた、フレドリッシュやアントニオ・マリンなどの現代の名工たちの創造的源泉にもなってきました。

1889年フランス、パリの洋装店を営む家に生まれ、幼少より絵画と音楽に親しみ、1919年にまずは画家としての人生を歩み始めます。1932年モンマルトルの丘にアトリエを構え、ここではギターはまだ趣味で演奏をたしなむ程度のものでしたが、近くにスペインから亡命し工房を開いていたフリアン・ゴメス・ラミレスの知遇を得て、初めてギター製作の現場を目の当たりにします。そして1946年に所有していたフリアン作の愛器を失った彼は、それまでつぶさに観察していたフリアンの工房での全工程の記憶を基に、自ら工具や治具を作るところから始め、ついに自らの為のギターを製作します。糸巻の彫刻に至るまで自らの手で細工して完成したギターはその後大変な評判となり、前述の名手たち以外にも次々と注文が入るようになります。

ギターファンには良く知られているように、彼の作風は大きく年代的に2つに分けることができ、最初の1940年代から1950年代半ばにかけてはアントニオ・デ・トーレスを規範としたものとなっていますが、1956年以降は独自の構造を発案し、「パイプオルガンのような」と評されるほどのしっかりとした基音と非常な奥行きを感じさせるきわめて個性的な音響を達成します。

[楽器情報〕
ロベール・ブーシェ製作、1964年製 No.103 ジュリアン・ブリームが購入した4本のブーシェのなかで最後の一本で、名盤「バロックギター」で使用したモデルです。この稀代の名手が愛用したというエピソードを抜きにしても、ブーシェ最盛期の一本として非常なクオリティと芸術性を有した至高の一本と言えるまさに名品です。内部構造は左右対称5本の扇状力木と駒板真下の位置にギターの横幅いっぱいに設置されたいわゆるトランスヴァースバーというブーシェオリジナル配置で、5本の扇状力木はトランスヴァースバーを貫くようにしてボトム部まで伸びています。またサウンドホール下のハーモニックバーは高音側と低音側に開口部が設けられ、一番外側の扇状力木はそこをくぐってサウンドホール近くまで伸びるような配置になっています。レゾナンスはG#~Aに設定されています。

ブリームが生涯に使用したギターは数多く、そのどれもが彼の名演とともにギターファンの記憶にいまも深く刻まれていますが、取り分けロマニリョス、ハウザー、ルビオと並び印象深いのがブーシェとの組み合わせでしょう。1951年にブリームはブーシェの工房を訪れており、同時期に耳にしたイダ・プレスティの演奏に非常な感銘を受けた彼は、ハウザーのあとに使用するギターとしてブーシェを選びます。1957年、1960年、1962年そして1964年製の計4本(一説には5本)のギターをブーシェより購入。彼がアメリカに演奏旅行中、ニューヨークの車中で持参していたブーシェギターが盗難にあい、いまだに見つかっていませんが、これは1962年製のものであるとブリーム自身がインタビューで語っています。そしてそのあとに購入したのが本作1964年製のNo.103となります(ボディ内部の裏板のバーにブーシェ本人のサインがあります)。
ブリームは特にブーシェギター高音の「refinement」に深く魅了されたと語っていますが、そのまるでオーケストラの弦の響きのように密度があり、良く歌う高音部はまさしくブーシェだけの至芸でしょう。低音部もまた実に重厚で深く、そしてニュアンスに満ちており、深度があり同時に明確な発音もやはり素晴らしい。かなりの熟練したタッチが要求されるギターですが、それもまた名品ゆえにこそ。リアルヴィンテージの最高峰と呼ぶにふさわしい究極の一本です。

表面板全体にスクラッチ痕が有りますが割れ等の修理履歴は無く、年代相応の状態。ネック、フレット、ナット、サドル等の演奏性に関わる部分も問題ありません。糸巻きはおそらくオリジナルが故障したのか、過去にヴァンゲント製に交換されています(オリジナルは残っておりません)。塗装はオリジナルのセラック仕様、ところどころに通常使用により生じた色むら等ありますが、特にダメージの強い部分はなく現状問題ございません。






品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ロベール・ブーシェ Robert Bouchet演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.148
001_000_bouchet_03_177
弦長 Scale Length 650mm
国 Country フランス France
製作年 Year 1977年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ブーシェオリジナル
弦 高:1弦3.6mm/6弦4.5mm

[製作家情報〕
ロベール・ブーシェ(1898~1986、フランス) 20世紀フランス最大の巨匠であり、現在に至るまでヨーロッパのみならずあらゆるクラシックギター製作に影響を与え続けているまさしく不世出の名工です。その比類なき芸術性と生涯わずか154本のみの製作という稀少性とから、彼の全モデルは現在トーレス、ハウザー1世に次いで最も高値で取引されています。プレスティ/ラゴヤの音響世界の源となり、若き日のブリームを熱狂させ、晩年には国内屈指の美音の持ち主である故稲垣稔氏を魅了したマエストロはまた、フレドリッシュやアントニオ・マリンなどの現代の名工たちの創造的源泉にもなってきました。

1889年フランス、パリの洋装店を営む家に生まれ、幼少より絵画と音楽に親しみ、1919年にまずは画家としての人生を歩み始めます。1932年モンマルトルの丘にアトリエを構え、ここではギターはまだ趣味で演奏をたしなむ程度のものでしたが、近くにスペインから亡命し工房を開いていたフリアン・ゴメス・ラミレスの知遇を得て、初めてギター製作の現場を目の当たりにします。そして1946年に所有していたフリアン作の愛器を失った彼は、それまでつぶさに観察していたフリアンの工房での全工程の記憶を基に、自ら工具や治具を作るところから始め、ついに自らの為のギターを製作します。糸巻の彫刻に至るまで自らの手で細工して完成したギターはその後大変な評判となり、前述の名手たち以外にも次々と注文が入るようになります。

ギターファンには良く知られているように、彼の作風は大きく年代的に2つに分けることができ、最初の1940年代から1950年代半ばにかけてはアントニオ・デ・トーレスを規範としたものとなっていますが、1956年以降は独自の構造を発案し、「パイプオルガンのような」と評されるほどのしっかりとした基音と非常な奥行きを感じさせるきわめて個性的な音響を達成します。


〔楽器情報〕
ロベール・ブーシェ製作、1977年製 No.148 状態良好の逸品が入荷致しました。
1986年のその生涯を終えるこの稀代の名工の、最後から7本目となる本作は同時に、最晩年の様式へと移行する直前の貴重な一本とも言えます。

内部構造は左右対称5本の扇状力木と駒板真下の位置にギターの横幅いっぱいに設置されたいわゆるトランスヴァースバーというブーシェオリジナル配置。5本の扇状力木はトランスヴァースバーを貫くようにしてボトム部まで伸びています。またサウンドホール下のハーモニックバーは高音側と低音側に開口部が設けられ、一番外側の扇状力木はその開口部のちょうど真下の位置で止まるように配置(これ以前のブーシェでは開口部をくぐり抜けてサウンドホールの縁まで延伸するように設置されていました)。5本の扇状力木はややセンターに寄り添うように配置されており、トランスヴァースバーは高音側と低音側とで高さとカーブの度合いが微妙に変化をつけて加工されています。またセンターの扇状力木とその両隣りの力木との間に2センチ辺程の小さなパッチ板がサウンドホール下のバーと接するように設置されており、これもこの製作家の特徴的な工夫とされています。レゾナンスはAの少し下に設定されています。

154本全てのギターがそれぞれの個性を持っていると言えるブーシェですが、形容しがたい深みと表情は本器においても十全に聴かれ、クラシック音楽の「デモーニッシュな」部分までも描いてしまう表現力を備えています。硬質な粘りを持った発音で、演奏には特に右手のタッチにおける相当の熟練が必要とされますが、ミートした瞬間の表情の素晴らしさは比肩するものがありません。

本作は製作から45年が経過しておりますが保管状態は良好で、割れ等の修理履歴はありません。また全体に弾き傷等もわずかに微細なものがあるのみで年代考慮すると美品と言えるレベル。ネック、フレット等演奏性に関わる部分も問題ありません。糸巻きはブーシェオリジナル(巻き上げの方向は一般的な糸巻きと同じになっています)で、現状で機能的な問題はなく、トータルに高いレベルを保持した状態の貴重な一本となっています。





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製作家/商品名 マヌエル・カセレス Manuel Caceres演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. オリジナルモデル
001_003_caceres_02_217_01
弦長 Scale Length 658mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2017年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:シャーラー
弦 高:1弦 2.6mm/6弦 3.4mm

〔製作家情報〕
1947年スペイン、バダホス生まれ。1963年にホセ・ラミレス3世の工房に入り、当時の職工長であったパウリーノ・ベルナベのもと研鑽を積みながら、やがて「MC」のスタンプで同ブランドの最上位機種である1Aの製作を任されるようになり、当時の人気スタンプとなります(現在も中古市場では当時のMCスタンプのラミレスは人気のアイテムとなっています)。1978年にラミレス工房を出た後に独立。また同時期より同じマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスとの共同作業的な親交が始まります。これがカセレスのギター製作に大きな影響を与えることになり、アルカンヘルが2011年に引退した後、その唯一直系の製作家として、また最もマドリッドらしい作風を継承した製作家として人気を博していましたが、2018年に工房を閉鎖し一旦引退。現在はわずかに受注での製作のみとなっており、新作が極めて貴重なブランドとなっています。

カセレスのギターはオリジナルのラベルとデザインによるものと、アルカンヘル工房品として「Para casa Arcangel Fernandez」のラベルを貼って出荷されているものとがあり、後者は基本的にアルカンヘルの監修による仕様に準拠していますが、オリジナルラベルによるモデルは内部構造からヘッドシェイプ、細部の仕様からラベルデザインに至るまでいくつかのタイプがあり、音色の傾向もそれぞれ異なり、個性的なものになっています。


[楽器情報]
マヌエル・カセレス 2017年製作のUsed、オリジナルラベルと仕様、デザインによる1本が入荷致しました。2018年に工房を閉鎖する前年の製作で、アルカンヘル・フェルナンデスの正統な後継者と目されたこのマエストロの、実に味わい深いギターとなっています。

表面板内部構造はサンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止めるようにハの字型に設置された2本のクロージングバーという全体の配置。レゾナンスはG~G#に設定されています。ボディは軽く、全体に板をやや薄めに加工していますがカセレスならではの良材をセレクトゆえか、板の強度がしっかりしており歪みがほとんどありません。このような材の特性は適度に粘りを持った少し渋めな発音と音色となって特性化しており、やはりどこかバルベロ~アルカンヘル的な要素を感じさせてくれるものとなっています。とくに2010年代に入って以降のカセレスに特有の、繊細で高貴とさえいえる響きがここでも聴かれ、単音の密度と深いニュアンス、和音での豊潤な拡がり、あくまでも上品でロマンティックな表情も素晴らしい。澄んだ高音とそれを力強く慎ましく支える低音とのバランスもとても自然です。

割れなどの大きな修理履歴はありませんが、十分に弾き込まれており、表面板のサウンドホール付近にやや集中して弾き傷が見られるほか、その他全体にスクラッチ傷や摩擦痕等があります。ネック裏とヘッド裏には爪による傷がやや多くあります。裏板は演奏時の衣服の摩擦あとなどが少々あり、一部塗装ムラを生じていますが使用には全く問題ございません。ネックは真っすぐを維持しており、フレットも正常状態。ネックシェイプはやや薄めでフラットに加工されたDシェイプ、弦の張りは中庸で、演奏性に関してはノーマルなフィット感です。糸巻はSchaller Grand Tuneを装着しこちらも動作状況に問題ありません。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ドミンゴ・エステソ Domingo Esteso演奏動画あり
モデル/品番 Model/No.
001_014_esteso_1_03_122
弦長 Scale Length 655mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1922年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:木ペグ(ウィットナー製ギア式)
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 4.1mm

〔製作家情報〕
ドミンゴ・エステソは1882年スペインのクエンカ県サン・クレメンテ生まれ。1900年にマドリッドに居を移した後、マヌエル・ラミレスの工房に入門。同門ではあのサントス・エルナンデスと比肩するほどの名職人となり、マヌエルが亡くなる1916年まで師の工房で働いた。その後1919年には独立し、グラビーナ7番地に工房を開く。そこでは甥のファウスティーノらコンデ兄弟が共にギター製作に加わり、1937年にドミンゴが亡くなった後は’Viuda y Sobrinos de Domingo Esteso’のラベルでコンデ兄弟が工房を継承している。これが後にフラメンコギターの名ブランドコンデ・エルマノスへと発展してゆくことになる。ドミンゴが独立した時期にはフラメンコが隆盛を極めていたため、彼の製作したギターの多くがシープレス仕様の楽器となっている。しかしながらそれらは実に重厚で濃密な響きと類まれな表現力を備えており、フラメンコに限定されず多くののギタリストを今も魅了してやまない。20世紀前半の最も偉大な製作家の一人。

〔楽器情報〕
ドミンゴ・エステソ1922年製作 松・シープレス仕様でゴルペ板が貼られた形跡があり、木ペグなどその他の仕様から考察するとおそらくはクラシックモデルとして製作されたもののようです。内部構造はサウンドホール上下に各1本のハーモニックバーと7本の左右対称の扇状力木、ボトム部でそれを受け止めるようにハの字型に配置されたクロージングバーという表面板構造。レゾナンスはF~F#に設定されています。やや小ぶりなボディにシープレス仕様ならではのレスポンスの速い乾いた響きですが、音はとてもまろやかで太く、そして実に深い奥行きをもって鳴ります。音色もロマンティックと言いたくなるほどに多彩で、まるで奏者の心に寄り添うかのように繊細な表情の変化は、やはり名工ならではの至芸と言えるでしょう。

楽器は全体にかなり大掛かりなメンテナンスが施された形跡があります。表板裏板共に多数割れの補修履歴がありますがパッチ補強などでしっかりと強度は維持されているので現状での問題はありません。現時点でネック、フレット、糸巻き、ナット、サドル等の演奏性に関わる部分での問題もありません。木ペグはウィットナー製のギア式のものに交換されており、チューニングが容易に行える仕様になっています。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ヘルマン・ハウザー2世 Hermann Hauser II演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. セゴビアモデル Segovia  No.741
001_017_hauser_2_03_163
弦長 Scale Length 653mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 1963年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:黒檀
塗 装:ラッカー
糸 巻:Landstorfer
弦 高:1弦 3.3mm /6弦 4.4mm

〔製作家情報〕
ヘルマン・ハウザー2世(1911~1988)
ハウザーギターは疑いなく20世紀ドイツ最高のギターブランドであり、現在も4代目がその伝統を継承し100年以上にわたって一子相伝で製作を続けている老舗です。ヘルマン・ハウザーI世(1884-1952)が、ミゲル・リョベートが所有していたアントニオ・トーレスとアンドレス・セゴビア所有のマヌエル・ラミレスをベースにして自身のギターを改良し、後にセゴビアモデルと呼ばれることになる「究極の」名モデルを製作した事は良く知られています。それはトーレスがギターの改革を行って以来最大のギター製作史における事件となり、その後のギター演奏と製作との両方に大きな影響を与えることになります。1世の息子ハウザー2世はドイツ屈指の弦楽器製作都市として知られるミッテンヴァルトで4年間ヴァイオリン製作学校で学んだ後、1930年より父の工房で働き始めます。彼ら親子はほぼ共同作業でギターを製作していましたが、ラベルはハウザー1世として出荷されています。1世が亡くなる1952年、彼は正式にこのブランドを受け継ぎ、彼自身のラベルによる最初のラベル(No.500)を製作。以来1983年に引退するまで極めて旺盛な活動をし、500本以上のギターを出荷しています。

ハウザー2世もまた父親同様に名手たち(セゴビア、ジュリアン・ブリーム、ペペ・ロメロ等)との交流から自身の製作哲学を熟成させていったところがあり、また彼自身の資質であろうドイツ的な音響指向をより明確化することで、1世とはまた異なるニュアンスを持つ名品を数多く世に出しました。有名なところではなんといってもブリームが愛用した1958年そして1960年のギターですが、その音響は1世以上に透徹さを極め、すべての単音の完璧なバランスの中にクラシカルな気品を纏わせたもので、ストイックさと抒情とを併せもった唯一無二のギターとなっています。

1970年代以降の彼は特にその独創性において注目されるべきペペ・ロメロモデルや、おそらくは急速に拡大した需要への柔軟な姿勢としてそれまでには採用していなかった仕様での製作も多く手がけるようになりますが、やはり完成度の高さの点では1世より引き継いだ「セゴビア」モデルが抜きんでています。その後1980年代からモダンギターの潮流が新たなスタンダードと目されていく中でも、ハウザーギターは究極のモデルとしての価値を全く減ずることなく、現在においてもマーケットでは最高値で取引されるブランドの一つとなっています。

1974年からは息子のハウザー3世(1958~)が工房に加わりおよそ10年間製作をともにします。3世もまた2世のエッセンスに独自の嗜好を加味しながら、ブランドの名に恥じぬ極めて高度な完成度を有したモデルを製作し続けています。

[楽器情報]
ヘルマン・ハウザー2世製作 セゴビアモデル 1963年製 No.741 ヴインテージの入荷です。
ハウザー2世絶頂期の作であり、ドイツにおけるクラシックギター製作の指標となったブランドの特性を最も如実に示す一本です。

父ハウザー1世のスペイン的な志向から漸進的にドイツ的音響をミックスさせていったともいえる2世のキャリアにおいて、そのスペイン/ドイツ的融合の頂点を1958年から1960年(有名なジュリアン・ブリーム所有のハウザー)とするなら、そこから彼自身の生来の特性的なドイツ的感性をより強めていった最初の時期ともいえるのが1960年代の初期であり、本作1963年はその彼の嗜好と芸術的完成度が妥協のない高みに達した、まさに比類のない至高の一本となっています。

ボディのテンプレートは1世のセゴビアモデルをほぼ完全に踏襲し、トーレスに由来するヘッドシェイプやヘリンボーンを印象的にあしらったロゼッタ、ブランドカラーの象徴ともなった緑の象嵌など永遠のスタンダードといえるデザインはもちろんここでも受け継がれています。

音響はまさしくハウザーにしか成しえない透徹の極み。一切の妥協なく、非常に硬質で強い粘りを伴った発音と極めて高密度の音像。ストイックだがしかしたっぷりと艶を湛えた音はいかにもドイツ的な気品と力強さで、その繊細な音色変化の中に実に豊かなニュアンスを内包しているところなどもいかにもクラシカルで魅力的。そして全体のバランスの完成度も比類がなく、低音から高音へときれいに一つの線を形作るような整った単音が素晴らしい。ロマンティックな曲では十分に歌い、バロックなどの多声音楽ではその対位法を明確にし、現代音楽では澄明な音響を、それぞれ最高度に達成しており、数々の名手たちの演奏を彩った名器の特性をここに感じ取ることができます。

表面板力木配置は1世の1937年製セゴビアモデルに準拠しながら2世の工夫が加えられたもの。サウンドホール上側に2本、下側に1本のハーモニックバー(このうち下側のバーは中央のちょうどサウンドホール真下のところでゆるやかにわずかに屈折して、大きく開いたV字型になっています)、左右対称7本の扇状力木にこれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型のクロージングバー、駒板位置にはほぼ同じ範囲に薄い補強プレートが貼ってあり、またサウンドホール両脇にも1枚ずつの補強プレートが貼り付けられているという全体の配置。それぞれのバーは裏板も含めて薄くて高さがありその頂点は尖った加工となっている2世特有の形状となっています。レゾナンスはG~G#に設定されています。

割れ修理履歴のない、このブランドのヴィンテージモデルとしては大変に良好なコンディションで塗装のラッカーには経年による全体のウェザーチェックや部分的な白濁が見られるものの、全体的に年代考慮するとかなり良好な状態を維持しています。ネック、フレット等演奏性に関わる部分も良好です。糸巻はオリジナルのLandsdorfer製を装着。重量は1.54㎏。表面板内側にサインあり。




品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 イグナシオ・フレタ I 世 Ignacio Fleta I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.189
001_019_fletahijos_1_03_160
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1960年
表板 Top スプルース単板 spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
[製作家情報]
1897年スペインのウエスカ生まれ。13歳のとき、フランス人製作家の弦楽器工房で働く為バルセロナに移住。
其処での弦楽器の製作、修理などの技術を習得し、その後独立し、当初は主にチェロを製作していました。
しかしその後1950年にA.セゴビアが演奏したレコードを聴いて感動し、ギター製作に専念することになり、二人の息子と3人でギター製作に専念することになりました。
そして1955年にセゴビアが使用した事により、一躍世界的に有名になったことは良く知られています。

[楽器情報]
フレタ1世(1897~1977)作による大変に状態の良い一本。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。いわゆるトーレスから続く現代のスペインギターの伝統とは若干異質な個性を持ちながら、その異様なまでの深い表現力と、豊かな響きゆえに、キャリアの最初期からセゴビアやジョン・ウィリアムスなどの世界最高レベルの名手たちに注目されていたことはファンの間ではおなじみの話でしょう。
本作はまさにその伝説的な時期の真っただ中の1960年製。この時期のものとしては珍しく割れもなく、大変に良好な状態。
表面板を中心に弾き傷、打ち傷等ありますが、割れなくオリジナル塗装のフレタ1世としては稀な極めて良好な状態で、ネックも反りなく弦高も調整され弾き易くなっています。
音の伸びバランスも申し分なく、まだ若々しい音質で此れからの弾き込みで更に良い響きに育つものと思われます。

[特徴]
表面板は9本の扇状力木を配し、それをハの字型の力木で受け、駒内側に補強板を施したフレタ独特の作りです。
また、サウンドホール上側のネック指板下には横バーが2本有り、表面板の最上部から、サウンドホール直ぐ上の横バーまでほぼ前面に補強板が貼られています。
更にサウンドホール下にも2本の横バーがあります。





品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 イグナシオ・フレタ・エ・イーホス Ignacio Fleta e Hijos演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.904
001_019_fletahijos_2_03_189
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1989年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)と二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。


〔楽器情報〕
イグナシオ・フレタ・エ・イーホス 1989年製 No.904 Usedです。フレタといえば濃密でロマンティックな音色、そして音圧の比類ない力強さといった特徴が1世の時代からブランドイメージとして通底していますが、そういった特性を十全に備えつつ、しかし個体ごとのキャラクターはかなり異なり実は多様であることは、現在このブランドを再評価するうえで重要な点だと言えます。本作1989年製のNo.904では、重厚な鳴りという特性のなかに、極めて細やかで繊細な表現力が備わっていることが特筆されます。弱音ではもはやチャーミングとさえ言える音の表情、そしてフォルティッシモにおける音圧としてではなく音楽としての強さ、各音は杉材ならではの艶をまとい、全体は倍音を抑制した硬度の高い響き。音楽における明と暗をしっかりと内包し、奏者は弾きながら有機的なレスポンスを楽器から受ける感覚になります。

内部構造はフレタ1世の構造を基本的に踏襲しながら部分的に相違が見られる配置になっています。サウンドホール上下に2本ずつのハーモニックバー(下側の2本は低音側から高音側にかけて下がってゆくように斜めに、それぞれが微妙に違う角度で傾斜して設置されています)、その下に左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置にあてられた薄いパッチ板、そしてサウンドホール周りを覆うように貼られたやや厚めの補強板という構造。レゾナンスはAの少し上という設定となっています。

Cラウンドのコンパクトなネックシェイプは日本人の手にも握りやすく、弦の張りは中庸からやや強めですが比較的握りやすい感触です。全体は年代相応に細かなスクラッチ傷、塗装のクラックがあるほか、表面板ブリッジ下に2か所5cmほどの割れ補修歴があります(埋め木による大変丁寧な処置がされていますので外観、状態ともに全く問題ありません)横裏板塗装におそらく湿度変化の影響による製作時のブラッシングの跡が浮き出て見えています。ネックはほんのわずかに順反りですが許容範囲のレベルです。またフレットは1~8フレットでやや摩耗しておりますがこちらも現状で演奏性等に影響ありません。糸巻はオリジナルのFustero フレタタイプを装着、こちらも機能性に問題はありません。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 イグナシオ・フレタ1世 Ignacio Fleta I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.124
001_019_fletaI_1_03_158
弦長 Scale Length 660mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1958年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラックニス
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 4.0mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)により設立され、のちに二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作となる、スペイン、バルセロナの工房。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。

[楽器情報]
イグナシオ・フレタ1世 1958年製 No.124。独特の音響と音色、機能性の高さ、構造と外観、その全ての有機的なバランスと芸術性で現在においてさえ比類のない、名品中の名品と言える素晴らしい一本です。

このブランドの歴史を俯瞰すれば、この後1960年代半ばより彼の息子達との共同作業に移ることで生産性を高め、数々の名手たちの使用によってそのイメージが一気に世界中に広まってゆくことになりますが、それに呼応するかのように楽器もまた構造的、音響的に変化してゆくことになります。本作1958年製はそうしたマーケット事情が少なからずブランドに影響を及ぼす以前の(セゴビアに献呈した有名な1957年製の翌年の作)、フレタ1世の音楽的芸術性が顕著に、しかも高次において達成された楽器となっています。

音像はまるで弦楽器のように強くまろやかで、低い重心感覚(レゾナンスはEの少し上)による音響全体が一つの発声体としての表情と肌理をもち、常に上品さを保ちながら、チャーミングとさえ言えるほどの繊細さから英雄的な剛健さまでの(クラシック音楽に不可欠な)大きな振幅を十全に表出します。加えて演奏における多様な身振り(スタッカートやスラー、クレッシェンド等々)での機能性の高さ、まるでタッチと完全にシンクロするかのような発音など、その自然な反応も素晴らしく、奏者は感情と音とが理想的に一致しているような感覚を得ることができます。ブランドの特徴とされている音量の非常な豊かさももちろんのこと、たっぷりと情感をたたえたジェントルな響きはまさにフレタ1世の独壇場で、その後の彼の作においてさえついに現れることのない馥郁たる鳴りが素晴らしい。そのロマンティックな響きのなかから奏者も予期せぬ音楽の提案がされてくる感覚があり、表現楽器としての無限のポテンシャルを感じさせる、名器と呼ぶにふさわしい一本となっています。

表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーで、下側のバーは低音側から高音側に向けてほんのわずかに斜めに下がってゆくように設置されています。その下に左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置に横幅いっぱいにあてられた薄いパッチ板、そしてサウンドホール両脇に貼られたやや厚めの補強板という構造。レゾナンスはEの少し上という設定となっています。表面板の厚みは薄めに加工されており、9本の扇状力木とクロージングバーは幅8㎜、高さ1㎜ほどの薄くフラットな形状をしているなど、のちのフレタの構造とは異なり細部の繊細さが特徴となっている。対してバーは裏板も含めどれも強固な作りですが、サウンドホール下の斜めに傾斜したハーモニックバーはのちに2本に増えており、やはりここでも振動の抑制に関してのコンセプトの変化が見られるのは興味深い。重量は1.64㎏。

表面板指板両脇に合計5か所、サウンドホールからブリッジにかけて1か所、ブリッジ下3か所の割れ補修履歴があります。裏板ネックヒール部両脇に1か所ずつ、エンドブロック部両脇に1か所ずつの合計4か所に割れ修理履歴があります。表面板は弦の張力による凹凸がブリッジ上下で生じていますが現状で継続しての使用には問題ありません。全体に弾きキズ打痕等は年代相応にあります。ネック、フレットなどの演奏性に関わる部分は良好で、ネックシェイプはCに近いラウンド感のあるDシェイプで握りやすいグリップ感。660㎜スケールですが弦の張りも中庸で弾きやすく感じます。






品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 イグナシオ・フレタ1世 Ignacio Fleta I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.156
001_019_fletaI_1_03_159
弦長 Scale Length 660mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1959年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.8mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)により設立され、のちに二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作となる、スペイン、バルセロナの工房。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。


[楽器情報]
イグナシオ・フレタ1世 1959年製 No.156 の入荷です。フレタ一世50年代の貴重な一本であるとともに、彼の特性を十分に感得できるギターです。

表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーで、下側のバーは低音側から高音側に向けてほんのわずかに斜めに下がってゆくように設置されています。そして左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置には駒板幅よりもやや長い範囲であてられたパッチ板、そしてサウンドホール両脇に貼られた補強板(これらは近接する横板の下部に沿うように斜めに設置されています)という構造。レゾナンスはGの少し下での設定となっています。1958年までのフレタは表面板の厚み、扇状力木とクロージングバーの形状などもかなり薄く加工されていましたが、それと比較すると特に扇状力木は本作では9本のうち中央の7本を少し高めの山型に加工されているなどの変化が見られ、レゾナンスの位置も高くなっています(1958年はEの下に設定)。

中低音~低音の厚みのある響きが素晴らしい。高音は比較的細めのすっきりとしたむしろ端正とさえ言える響きですが、十分にロマンティック。うねりを持った野性的な低音との対照がなんとも良く、曲の中でもメロディが渋い佇まいを演出する中で迫力ある低音が前景化してくるような独特パースペクティブがあります。そしてこの時期のフレタならではのタッチとの高いリニアニティもやはり特筆されます。奏者はタッチと音とが(音色の変化という点でも)一体化しているような感覚で演奏することができます。

表面板はこの時期のフレタにしばしば見られる現象ですが、ブリッジのサウンドホール側とボトム側とでやや歪みがあり、割れの修理履歴がいくつかございます。指板両脇、低音側肩部分からくびれ部にかけて、ブリッジプレートのサウンドホール側に数か所とボトム側センター部分にそれぞれ1~数か所の割れ修理履歴があり、それぞれやや厚めのプレートでしっかり補強されています。表面板は過去にゴルペ板を貼りのちに剥離させた形跡があります。表面板全体は再塗装が施されており、現在は傷などは少なめです。横裏板はおそらくオリジナル塗装の状態で、年代考慮すると傷等は少なく良好な状態です。ボトム近くにローズウッドのバールがありその木目に沿ってやや段差がありますが割れには至っておらず、継続しての使用にも問題ありません。ネックは反りもほとんどなく良好です。フレットと指板は1~8フレットで軽微な摩耗が見られますが、演奏性影響はなく継続しての使用に問題はありません。ネック形状もこの時期のフレタ1世の特徴的なコンパクトなグリップ感で、ほとんどCラウンドに近いDシェイプで薄めの加工。弦高は現在値でほぼ標準値ですがサドルに2~3㎜の余剰がありますのでお好みに応してさらに低く設定することも可能です。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。


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