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国産クラシック 中古   写真をクリックするとさらに大きなカタログ写真が表示されます。
製作家/商品名 尾野 薫 Kaoru Ono
モデル/品番 Model/No. ブーシェモデル Bouchet model No.91
005_001_onoK_02_199_91
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本
製作年 Year 1999年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option LFC120 黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:表板 セラック /横裏板 ラッカー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 3.7mm

〔製作家情報〕
1953年生まれ。中学生の頃からギターを弾き始め、大学の木材工芸科在学中その知識を活かして趣味でギターを製作。 その類まれな工作技術と音響に対するセンスは注目を集めており、愛好家達の要望に応えて27歳の時にプロ製作家としての本格的な活動を開始。 同時期にアルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝孝次郎)に師事し、彼からスペインギターの伝統的な工法を学びます。 その後渡西しアルベルト・ネジメの師であるグラナダの巨匠アントニオ・マリン・モンテロに製作技法についての指導を受け、 2001年には再びスペインに渡りホセ・ルイス・ロマニリョスの製作マスターコースも受講しています。 さらにはマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスが来日の折にも製作上の貴重なアドバイスと激励を受ける等、 現代の名工達の製作哲学に直に接し学びながら、スペイン伝統工法を科学的に考察し理論的に解析研究してゆく独自の方法でギターを製作。 日本でのスペイン伝統工法の受容の歴史において、アルベルト・ネジメと並ぶ重要な製作家の一人として精力的な活動を展開しています。 その楽器はあくまで伝統的な造りを基本としながら、十分な遠達性、バランス、倍音の統制において比類なく、極めて透徹した美しい響きを備えた、 現在国内のギター製作における最高の成果を成し遂げたものとして高い評価を得ています。

オルフェオマガジン「日本の製作家」特集掲載号 オンラインショップ商品ページはこちら

オルフェオ取材同行記 尾野薫編はこちら

〔楽器情報〕
尾野薫製作のブーシェモデル 1999年製作 No.91 Usedの入荷です。尾野氏自身が日本屈指の美音と称賛した、故稲垣稔所有の1967年製ロベール・ブーシェ ギターを実際に研究し、自身の定番ラインナップの一つとしたモデル。オリジナルブーシェの「オルガンのような」響きというイメージには一切拘泥せず、むしろその構造原理から引き出される純粋な設計図を提示するかのような無駄のない音響がいかにも尾野氏らしい。出荷時の仕様は全面セラック塗装仕上げですが、本作は横裏板がラッカーでの再塗装が施されています。そのためかやや硬めのフラットな響き方で、横裏板が硬く表面板がしなやかに振動する組み合わせのギターに特有の手元ではじけるような発音になっています。これが楽器そのもののバランスの良い音響と相乗して、音の粒が均質に積み重ねられてゆくような感覚があります。

表面板内部構造はもちろんロベール・ブーシェの構造に準拠しています。サウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に一本のハーモニックバー、左右対称5本の扇状力木が駒板位置にほぼ横幅いっぱいにわたって設置されたトランスヴァースバー(端からセンターにかけてだんだん高くなるように山型に加工されている)を貫通してボトム部まで延伸して設置されており、またこの扇状力木の両端のそれぞれ一本はサウンドホール下側のほうのハーモニックバー高音側と低音側にそれぞれ設けらた開口部を通過してサウンドホール縁まで伸びているという全体の配置。レゾナンスはG#~Aとなっています。

横裏板は薄くマットなラッカーで再塗装されており無傷の状態です。表板はオリジナル仕様のセラック塗装で細かな弾きキズが若干あります。割れ等の大きな修理履歴はありません。ネック、フレット共にとても良い状態を維持しています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプでややスクエアな形状に加工されています。糸巻はGotohのブーシェタイプを装着しており、こちらも現状で問題なく機能的に良好です。



品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 尾野 薫 Kaoru Ono
モデル/品番 Model/No. ブーシェモデル Bouchet Model No.321
005_001_onoK_02_220_321
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2020年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides インディアン・ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option BAM Case
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラック
糸 巻:アレッシー
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
1953年生まれ。中学生の頃からギターを弾き始め、大学の木材工芸科在学中その知識を活かして趣味でギターを製作。 その類まれな工作技術と音響に対するセンスは注目を集めており、愛好家達の要望に応えて27歳の時にプロ製作家としての本格的な活動を開始。 同時期にアルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝孝次郎)に師事し、彼からスペインギターの伝統的な工法を学びます。 その後渡西しアルベルト・ネジメの師であるグラナダの巨匠アントニオ・マリン・モンテロに製作技法についての指導を受け、 2001年には再びスペインに渡りホセ・ルイス・ロマニリョスの製作マスターコースも受講しています。 さらにはマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスが来日の折にも製作上の貴重なアドバイスと激励を受ける等、 現代の名工達の製作哲学に直に接し学びながら、スペイン伝統工法を科学的に考察し理論的に解析研究してゆく独自の方法でギターを製作。 日本でのスペイン伝統工法の受容の歴史において、アルベルト・ネジメと並ぶ重要な製作家の一人として精力的な活動を展開しています。 その楽器はあくまで伝統的な造りを基本としながら、十分な遠達性、バランス、倍音の統制において比類なく、極めて透徹した美しい響きを備えた、 現在国内のギター製作における最高の成果を成し遂げたものとして高い評価を得ています。

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〔楽器情報〕
尾野薫製作のブーシェモデル 2020年製作 No.321 Usedの入荷です。尾野氏自身が日本屈指の美音を奏でると称賛したギタリストである故稲垣稔が、生前所有していた1967年製ロベール・ブーシェ ギターを実際に研究し、自身の定番ラインナップの一つとしたモデル。

表面板内部構造はもちろんロベール・ブーシェの構造に準拠しています。サウンドホール上(ネック側)に高さが異なる2本、下(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、左右対称5本の扇状力木が駒板位置にほぼ横幅いっぱいにわたって設置されたトランスヴァースバー(端からセンターにかけてだんだん高くなるように山型に加工されている)を貫通してボトム部まで延伸して設置されています。サウンドホール下側のほうのハーモニックバーは高音側と低音側にそれぞれ開口部(高さ3㎜、長さ6cm)が設けられています。オリジナルブーシェはこの開口部を扇状力木がくぐり抜けるようにしてサウンドホール縁まで延伸してゆくように配置したものと、開口部の手前まででエンド部分を設定しているものとがありますが、ここでは後者の配置となっています。レゾナンスはG#~Aとなっています。

オリジナルブーシェの「オルガンのような」響きというイメージには一切拘泥せず、むしろその構造原理から引き出される純粋な設計図を提示するかのような無駄のない音響がいかにも尾野氏らしい。一つ一つの音像の洗練と粒立ち、和音での清澄な響き、凛としてやや翳を持った(フランス的な?)クラシカルで上品な表情などは氏の独壇場ともいえる素晴らしいいもので、大変に魅力的。しかしながらボディの奥底から発音されるような硬めの音はいかにもブーシェ的で、これはボディ全体が共鳴するようなオーディトリアムな響き方をするスペインギターとは異なり、音そのものに奥行きを纏わせたかのような独特な感触。音楽的な身振り(装飾音や速い旋律等では特に)も輪郭がはっきりとして細部にまで表情があり、その表現力の高さも特筆される一本です。

セラック塗装による繊細な仕上げでオリジナルを維持しており、再塗装などの履歴はありません。また割れ等の大きな修理履歴もなく、全体にほんのわずかに小さな傷と軽微な摩擦あとのみの美品となっています。ネック、フレットなどの演奏性に関わる部分も全く問題ありません。ネック形状はやや厚めのDシェイプですがグリップ感が良く、加えて弦の張りは弱めから中庸なので押弦が楽に感じます。弦高値は2.7/3.8mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには1.0~1.5mmの余剰があります。糸巻はイタリア製高級ブランドのAlessi 製に交換されており、機能的に良好です。



新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 アルベルト・ネジメ・オーノ Alberto Nejime Ohno演奏動画あり
モデル/品番 Model/No.
005_04_nejime1_02_217
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 JAPAN
製作年 Year 2017年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース 黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:スローン
弦 高:1弦  2.8 mm/6弦 3.8 mm

〔製作家情報〕
1952年生まれ。1979年にスペインに留学し、グラナダの名工アントニオ・マリンにギター製作を師事。2年に及ぶその期間中彼はほとんど家族の一員のようにして製作を共にし、単に技法の習得だけではなくその土地の文化風土や人間性をも吸収しながらスペインの伝統工法を学んでいます。帰国後に発表した彼の楽器は、感性的な領域にまで深くスペインのニュアンスを染み込ませた逸品として、国内では初めての本格的なスパニッシュギターと評価されるようになります。1988年にはチェコスロバキア・クツナホラ国際ギター製作コンクールにてグランプリを受賞し、国際的にもその実力は高く評価されるようになります。他の追従を許さぬ美しく気品のある外観の仕上がりと、重厚かつ濃密で艶やかな音色と十分な遠達性を備えた作風は近年益々円熟味を加え、師のアントニオ・マリン同様にマニア垂涎の楽器として、現在その評価は不動のものとなっています。また製作と同時に後進の指導や執筆活動にも尽力し、 第一回アマチュアギター製作コンテスト審査員、スペインにて第7回コリアギター講習会参加、ギター製作家in八郷審査員をつとめるなどのほか、雑誌<現代ギター>に「君もギタービルダー」を連載、愛好家からの大きな反響を得て「スペイン式クラシックギター製作法」として書籍化されています。2020年にはフランスの出版社Camino Verde刊 Orfeo Magazine No.15で彼のインタビューと楽器が紹介されました。

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〔楽器情報〕
アルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝孝次郎)製作 オリジナルモデル 2017年Usedが入荷致しました。近年の彼の特徴といえる濃密な響きを十全に備え、伝統的なものに立脚しながらも、その音響、設計から造作、そして外観に至るまで、彼の創意と個性に満ちたアーティスティックともいえるギターです。

内部構造はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木で、このうちセンターに配された1本と両端2本の合わせて3本はその先端をボトム部まで伸ばして設置、残りの4本はブリッジより少し下に設置されたクロージングバーのところで止まっています。オーソドックスなものはボトム近くに設置されすべての扇状力木先端を受け止めるような配置になっていますが、禰寝氏はここでブリッジ近くまでその位置を上げて上記のように中間の力木のみを受け止めるような構造にしています。レゾナンスはAの少し上のやや高めの設定になっています。

この製作家ならではの重厚な濃密さに加え、ここでは杉材ゆえの艶と丸みを帯びた音の触感が素晴らしい。適度な奥行き、弱音から強音までのダイナミズムと瞬発力、繊細で微妙な音色の変化など音響設計も優れており、クラシックに求められる音楽的拡がりにしっかりとレスポンスしてくれる表現力はやはりさすがと言えるでしょう。

全体はオリジナルのセラック塗装。表面板のサウンドホール周りなど細かなキズは全体にありますが、いずれも浅く微細なもので外観を損ねるほどではありません。横裏板は胸から腕の当たる部分にわずかに塗装の摩耗見られますが、こちらも現状で問題のないレベルです。ネック裏は全体に爪のスクラッチ痕がやや目立ちます。ネックはわずかに順反りですが演奏性には問題のないレベル。フレット(本作は20フレット仕様)も適正値を維持しています。ネックシェイプは普通の厚みのDシェイプで角の取れた丸みのある形状、これは現在の同ブランドの仕様と比較するとややコンパクトなグリップ感となっています。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 江崎 秀行 Hideyuki Ezaki演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.80 #366
005_05_EzakiH_02_223
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2023年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides マダガスカル・ローズウッド単板 Madagascar Rosewood
付属品 Option スーパーライトケース 黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:表板 セラック /横裏板 セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.6mm /6弦 3.5mm

[製作家情報]
プロフィール
1965年 日本楽器製造株式会社(現ヤマハ株式会社)入社。
1966年 新設のギター研究課に異動。手工ギターの研究、商品開発を担当。
1967年 ヤマハ初の手工ギター3品番を開発し発売開始。
1972年 スペインへギター製作留学。グラナダのエドゥアルド・フェレールに約1年、マドリッドで マヌエル・エルナンデスに約2年間師事。
1975年 帰国後、製作者としてヤマハカスタムギターGC-30Bを製作開始。
1981年 技術者としてギター設計部門に復帰。この間、ギターをコアとして管理職でギター全般の研究や商品の開発発売。生産管理、海外ギター工場の製造改革や新工場の立上げ。ギターの国内と海外の営業支援・販売。クラシックギター総合推進などを担当。
2006年 ヤマハ退職後、「江崎ギター工房」を設立。
2007年 江崎秀行ブランドのギターを販売開始。現在に至る。
2022年 「江崎ギター工房」でギター製作継続中。日本弦楽器製作者協会会員、JGA(Japan Guitar Association)会員。浜松ギター鑑賞友の会の会長、浜松ギターアンサンブル・アコルデの代表。

(※オフィシャルホームページより転載)

[楽器情報]
江崎秀行製作 No.80 2023年 Usedの入荷です。氏のラインナップ中クラシックのハイエンドモデルとなっており表面板ドイツ松、横裏板マダガスカル・ローズウッド仕様、全体はセラック塗装で入念に仕上げられています。スペイン的音色のモデルとして直接に師事したエルナンデス・イ・アグアドの影響を如実に感じさせる表面板構造で、明るめの音色が特徴です。表面板のブリッジ下などに数か所の微細に傷、裏板の塗装の一部に少々のムラなどがあるほかはとてもきれいな状態。ネック、フレット、糸巻等も問題ありません。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 桜井・河野 Sakurai Kohno
モデル/品番 Model/No. マエストロ Maestro FA0304
005_10_sakuraiK_02_199
弦長 Scale Length 660mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 1999年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option MACケース茶付属
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.5mm

〔製作家情報〕
1926年茨城県水戸に生まれる。
1948年3月東京高等工芸学校木材工芸科(現千葉大学建築科)卒業と同時にギター製作を開始。ギター製作に関しては独学で、最初に作った一本は中出阪蔵のギターを検分し作り上げたものだったようです(中出阪蔵との直接の交流はありません)が、楽器構造には最初期より様々な試みを行い、中にはかなり当時としてイノベイティブな発想のものもみられます。これらの研究と実践はやがて1960年代後半には表面板の木目に沿って水平と垂直の方向で組み合わされたスクエアを基礎とした力木配置として結実することになり、これは様々にヴァリエーションを変化させながら現在にまで至っています。

また1960年にはスペインに渡り、イグナシオ・フレタやアルカンヘル・フェルナンデスの工房を訪れ本場スペインギターに関する見識を深め、自身の製作に活かしてゆきます。そして1967年9月、ベルギーのリエージュ国際ギター製作コンクールで金メダル受賞し、国際的に名前が知られるきっかけとなります。同年に甥の桜井正毅が工房スタッフに加わり、1998年に他界したあとはこの工房を引き継ぎ、桜井/河野ブランドとしてモデルラインナップを継続しています。

日本における高級ギター製作のパイオニア的存在であり、当時も今も非常にファンの多い国内ブランドです。スペインギターのエッセンスを彼なりに独自に再構成し、日本人の演奏嗜好にフィットした音響と演奏性、良質な木材を使用した高級感のある全体に仕上がりは邦人製作家としてこれまでになかったような域に達し、日本という市場におけるギター需要を一気に集中させるほどの人気を誇りました。海外からも日本産ブランドの筆頭として現在も高い評価を得ています。


〔楽器情報〕
状態良好の桜井・河野 Maestroモデル 1999年製Usedの入荷です。1998年に河野氏が他界し、「Sakurai Kohno」ラベルでブランドを継承した最初期のもので、もちろん当時も最上機種となるモデル。河野特有の縦横のバーと力木をほぼ垂直に交差させたスクエアな、複雑な配置構造で、使用木材のグレードも極めて高く、全体の完成度も申し分ありません。表面板のサウンドホール周りや指板脇などにわずかに細かな弾きキズ、ブリッジ下1弦側に弦飛びあと、その他数点の打痕があるほかは年代考慮すると良好な状態。横裏板も僅かに摩擦あとがあるのみで綺麗な状態です。ネックは真っすぐを維持しており、フレットは1~7フレットでやや摩耗みられますが演奏性には問題のないレベル。割れなどの大きな修理履歴もありません。弦長は660mm仕様。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 桜井 正毅 Masaki Sakurai
モデル/品番 Model/No. P.C.  No.10519A
005_10_sakuraiK_02_219
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2019年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides マダガスカル・ローズウッド単板 Madagascar Rosewood
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 3.4mm

〔製作家情報〕
1944年東京生まれ。1967年上智大学電気電子工学科卒業と同時に、河野ギター製作所に入社し研鑽を積みます。1988年には第4回パリ国際ギター製作コンクールで第1位を獲得しました。その時受賞したモデルと同デザインのものがPC(Paris Competition)モデルとして氏の現在のラインナップの中でも特に人気の一本となっています。
河野賢氏が1998年に亡くなった後は工房を引継ぎ、河野ギターを「桜井・河野」ラベルとして継承しながら、同時に自身のブランド桜井正毅としても精力的に現在も製作を続けています。工作精度が高く、良材を使用した美しい外観はこのブランドの特徴ですが、特に日本人の体格や好みにあった抜群の演奏性と安定感は海外でも絶大な人気を博し、師の河野同様に世界的な名声を獲得しています。

〔楽器情報〕
桜井正毅ブランドのラインナップの中ではミドルエンドに位置づけられている model P.C.(Paris Competition) いわゆるパリコンモデル 2019年 No.10519 A Used の入荷です。文字通り1988年のコンクール入賞作をベースとして、その後の研究によるアップデートを加えた、ブランドコンセプトの粋を集めたような1本です。

明るく艶やかな音像、その各音(と各弦)の均質性、速い反応と十分なサスティーン、そして非常な音圧の高さなど、奏者がストレスを感じることがほとんどないような音響設計で、またタッチの許容範囲がとても広く、倍音の響きもとても豊かなので演奏のムラが顕在化しにくく楽曲の形を整えやすいのもこのブランドの魅力でしょう。スパニッシュギターのような遠近感や濃密なロマンティシズムとは異なり、むしろ桜井氏独自の純粋に工学的アプローチによるバランスフルな響きが追及され、様々なタイプの楽曲に対応できるオールマイティな表現力へと結実しています。

表面板内部構造は、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、そしてこれらとは形状の異なる低いトランスヴァースバーがブリッジ部に一本と5センチほど離れてサウンドホール側とボトム側にも1本ずつが設置されており、これら3本のトランスヴァースバーとほぼ直角に交差する形で計5本の扇状力木が設置されています。この5本の扇状力木はセンターに配された1本を境にして高音側に3本、低音側に1本(表面板低音側の半分のほぼ中央の位置に独立するように)が配されており、さらにこれらの力木とバーの交差により升目となった部分に2箇所、3cm四方の薄い木製のパッチ板が貼り付けられているという全体の構造。先代の河野賢的な構造原理に依拠しながらも、音響特性をより高める工夫(例えば木製パッチ板を点在させる方法など)が施されており、より現代的に、そしてコンサートギタリストの高い要求に応え得る機能性を備えたものとなっています。レゾナンスはG# の少し下に設定されています。

全体はカシュ―塗装による艶やかな仕上げで、横裏板には柾目のマダガスカルローズウッドを使用、外観の高級感もまたこのブランドの特徴となっています。表面板指板脇(低音側)に3か所ほどの浅いスクラッチ傷、ブリッジ下部分の弦高幹事に就いたと思われる細かな傷、その他数か所の極小の打痕のほかはボディはとてもきれいな状態を維持しています。ネック裏は4フレット部分に1か所やや深い打痕があります。割れなどの大きな修理履歴はなく、ネックはわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットも適正値を維持しています。ネックシェイプはやや厚めのDシェイプですが握りやすく、ここでも人間工学的なアプローチが追及されています。弦高は2.8/3.4mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには2.0mmほどの余剰がありますのでお好みに応じて設定を低くすることも可能です。


定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 西野 春平 Shunpei Nishino
モデル/品番 Model/No. ハウザーモデル
005_12_nishinoS_02_220_35_640
弦長 Scale Length 640mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2020年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option 軽量ケース 黒
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:黒檀
塗 装:ラッカー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.3mm /6弦 3.3mm

〔製作家情報〕
1947年茨城県の日立市生まれ。10代よりギターの製作を始め、1964年17歳の時に黒澤常三郎の工房に弟子として入門。1969年には独立して所沢に工房を設立。以来、その製作キャリア初期より傾倒していたハウザー1世ギターを研究した成果を活かし、音響バランスに優れたギターを作り続けている。国内の製作家としてはいち早くエレガットの製作にも着手するほか、その類まれな工作精度からアコースティックギターの分野からもオファーが相次ぎ、少数ながらこちらも良質なモデルを製作している。しかしながら氏の特徴と美学が最もあらわれているのはのはなんといってもハウザーモデルであり、その造作の美しさ、艶やかな音色、音響の見事なバランスはハウザーの名前に恥じない仕上がりを常に維持している。使用材もまたこの価格帯では申し分のないグレードで、コストパフォーマンスの点でも国内屈指と言ってもよいブランドである。

〔楽器情報〕
西野春平製作のハウザーモデル 35号、弦長640mm Used良品の入荷です。外観のデザイン、力木構造ともにヘルマン・ハウザー1世の有名な「セゴビアモデル」に準拠したモデルで、使用材と仕上がり、音響バランスから表現力、弾き易さに至るまで不足することのないまさしくコストパフォーマンスに優れた一本。衣服等による軽微な摩擦あとのほかは目立った傷はなく、割れ等の大きな修理履歴もありません。ネック、フレットなどの演奏性に関わる部分も良好です。指板は低音側から高音側に向かって弦高が低くなってゆくように傾斜しており、640mmスケールであることとも相乗して左手のコンパクトな演奏性が追及されています。弦高は現在値で2.3/3.3mmと低めの設定、また指板は1弦側が20フレット仕様になっています。

表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置には薄い補強プレートが貼り付けられているという全体の配置。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

程よい硬さと粘りのある発音で、雑味のない艶やかな音色が魅力的。バランスも整っており、ハウザーらしい気品と力強さが備わったモデルです。



新入荷 定価(税込) : 385,000 円 販売価格(税込) :  220,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 茶位 幸秀 Yukihide Chai演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.80
005_cyaiYH_02_198
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 1998年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option スーパーライトケース 黒
備考 Notes
ネック:スプルース
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 4.0mm

[製作家情報]
1956年生まれ。長野県茅野市に工房を構える。ギター製作家の父 茶位幸男に技術を学び、完全手工によるスパニッシュスタイルの丁寧な造り、深く柔らかい響き、日本人の身体性にフィットした演奏性などで人気を維持しています。同じくギター製作家の茶位幸信は叔父にあたります。

[楽器情報]
茶位幸秀製作 No.80 1998年製Used の入荷です。このブランドの最上位機種にあたり、良材のセレクトから細かな造作、繊細なセラック塗装による仕上げに至るまで申し分のない仕上がり。発音の瞬間に軽い反発感を伴いながら同時にほのかにエコーがかかったような音像は幸秀氏ならではのもので、その柔らかな音の触感は他にはない心地よさ。演奏に必要な音量とダイナミズムを備えつつ、常に落ち着いた表情があり、自然に楽曲を一つの雰囲気にまとめられる安心感があります。その明るすぎず暗すぎず、独特のたたずまいの中に着地させているところはこの製作家の力量といえるでしょう。

内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバーとサウンドホール真下部分から高音側横板に向かって斜め下に伸びるように配置されたトレブルバー、7本の扇状力木とそれらの先端をボディ下部で受け止める2本のハの字型に配置されたクロージングバー、駒板位置にはほぼ同じ大きさのプレートが貼られているという全体の構造。レゾナンスはG#~Aの間で設定されています。ヘッドシェイプが名器フレタを踏襲したものとなっておりますが、上記の構造的には同じスペインの名工エルナンデス・イ・アグアドのものにより近い配置となっています。

表面板のサウンドホールとブリッジのまわり、指板脇などに演奏時のスクラッチや打痕等がやや多く見られます。横裏板は衣服の摩擦あとがわずかに残るのみで綺麗な状態。割れなどの大きな修理履歴はなく、ネックやフレット、糸巻きなど演奏性にかかわる部分も問題ありません。ネック形状はややたっぷりした感触のDシェイプ。弦高値は標準設定となっていますがサドルに2~3mmの調整余地がありますのでお好みに応じてさらに低くすることも可能です。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 一柳 一雄 Kazuo Ichiyanagi
モデル/品番 Model/No. No.50
005_ichiyanagiK_02_201
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2001年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:黒檀
塗 装:表板 セラック /横裏板 カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.9mm

〔製作家情報〕
1941年生まれ。青年期にいくつかの楽器メーカーや製作者の所で働き、27歳の時独立し自らのラベルでの製作を開始。その後は愛知県名古屋郊外の蟹江に構えた工房で50年余に渡り、マヌエル・ラミレス、ヘルマン・ハウザー、ホセ・ルイス・ロマニリョス等の名器の研究をもとに製作を続けています。伝統的なスパニッシュギターの工法をベースとする作風ですが、ギタリストの求めに応じてモダンタイプ(音量や演奏性を重視したモデル)の製作も行うなど柔軟に対応しています。同じく製作家の一柳邦彦氏はご子息。

〔楽器情報〕
一柳一雄 製作のNo.50 2001年 Usedの入荷です。ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)を使用した最上位モデルNo.80に続くハイスペックモデルで、この価格帯としては非常に充実した仕上がりの一本です。

表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に横幅いっぱいに貼られた1枚の補強板と1本のハーモニックバー、下側(ブリッジ側)にも1本のハーモニックバーを設置し、この2本のバーはそれぞれ高音側と低音側とに1か所ずつ長さ4センチ高さ5mmほどの開口部が設けられ、それらの開口部を垂直に交わるように(つまり表面板木目と同方向に)通過する形で2本ずつ平行に設置されています。そしてボディ下部(くびれより下の部分)は、左右対称7本の扇状力木に、センターの1本以外の6本の先端をボトム部で受け止めるようにハの字型に設置された2本のクロージングバー、ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ範囲に薄いプレート板が貼られているという全体の構造。これらの配置的特徴は若干の工夫が加えられていますが、一柳氏が傾倒する名工の一人ホセ・ルイス・ロマニリョスの代表的な力木配置を直ちに想起させるもので(ロマニリョス著「Making a Spanish Guitar」の中ではPlan1として掲載されている)、トーレス=ハウザー的スタイルをロマニリョスが再構築したものとしていまではなかばスタンダード化している設計の一つ。レゾナンスはGの少し上の設定になっています。

タッチの指先から瞬間的に音が現れるような発音で、丸みのある音像は一つ一つがくっきりと均質に鳴ります。そしてたっぷりとした奥行きが(エコー)があるのですが、発された音に自然に同質化したもので余計な音響成分がなく、実に心地よい奥行きとなって立ち現れてきます。音の終止においてもきりっとした身振りがあり、曲の演奏において旋律にあいまいな部分がなく、自然と引き締まった音構成になってゆく感覚があります。十分なダイナミックレンジがあり、タッチの強弱とのリニアニティが高いので右手の演奏性においてもストレスがなく、発音の速さも相まって演奏には自然なドライブ感が生まれます。どちらかといえばトーレスやロマニリョスよりもハウザー的音響ですが、厳しさよりも柔和さが際立ったキャラクターは一柳氏の嗜好によるものでしょう。氏の2000年以降の作として、とても魅力的な一本となっています。

割れなどの大きな修理履歴はありません。年代相応の弾き傷(特に表面板サウンドホール付近など)や軽いスクラッチ傷などが裏板も含めてありますがいずれも浅いもので外観を損ねるものではありません。表面板はセラック塗装、横裏板はカシュー塗装となっており、横板は部分的に軽微な変色がありますがこちらも外観を損ねるものではなく、また塗装自体も劣化等の問題はないので現状でお使いいただけます。ネック、フレット等も適正値を維持しています。ネック形状はやや薄めでフラットな形状のDシェイプでコンパクトなグリップ感になっています。弦高値は2.7/3.9mm(1弦/6弦 12フレット)、現在装着しているサドルが低音から高音にかけて低くなるように傾斜させたロングサドルとなっており、お好みに応じてサドル位置を調整することで弦高の設定が変えられます。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  308,000 円
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製作家/商品名 今井 勇一 Yuichi Imai演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. YJ-EX No.36774
005_imaiY_02_215
弦長 Scale Length 650mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2007年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option 軽量ケース 黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
1949年東京生まれ。18歳の時に中出輝明の工房に入門し、3年間の修行のあと1971年に独立して東京中野に工房を設立し現在に至る。
いわゆるモダンタオイプのギターではなくスペインの伝統的なスタイルに氏の独自の工夫が加えられた基本オーソドックスな造りながら、その豊かな音量とダイナミックレンジの広さ、発音の反応の速さなどはモダンギターにも比肩する機能性の高さを有しており、コンクールでの使用率やコンサートギタリストからの信頼の高さは国内随一のブランドである。キャリア初期より海外への出荷も行っており、国内現役としては最も認知度の高い製作家の一人。

〔楽器情報〕
今井勇一 YJ-EX 2007年(#36744)Used の入荷です。今井氏の設計、監修のもとアストリアスギターのファクトリーで製作されている、このブランドにとってのエントリーモデル。氏のコンセプトを基に、さすがに実績のあるファクトリーとしての矜持をもってしっかりと仕上げられており、今井勇一ブランドの特徴を十全に備えたモデルとなっています。

まずはいかにもこのブランドらしいどっしりとしたプロポーションと、(名器アグアドにインスパイアされたであろう)ヘッド木彫、ロゼッタやパーフリングのヘリンボーン、ブリッジプレートの白蝶貝をあしらった意匠など個性的な外観が目を引きます。その外観とイメージ的にも調和する、甘さのない剛健で迫力のある音もまたインパクトがあり、入門~ミドルクラス用として不足のないクオリティを有したモデルとなっています。

内部構造は左右対称の7本の扇状力木にボトム部の2本のクロージングバー、駒下位置には横幅いっぱいにパッチ板が貼られており、サウンドホール下側(ブリッジ側)に一本、上側(ネック側)には大小三本のハーモニックバーという全体の配置。レゾナンスはG#~Aに設定されています。

割れなどの修理履歴はありませんが、表面板は数か所1~5㎝の打痕やスクラッチ傷を部分補修した跡があるほか細かな弾き傷が見られます。横裏板はボトム部分におそらくは化学繊維との長時間の接触などによる塗装の変質が生じていますが現状で継続使用に問題はありません。その他やはり演奏時の衣服の摩擦等による細かな傷が全体に見られます。ネックはほぼ真っすぐを維持しており、フレット、指板の状態も問題ありません。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ。フレットは20フレット仕様。糸巻はゴトー製35G1600モデルを装着しています。






定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  220,000 円
注文数 :   


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