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キーワード :  1971

製作家/商品名 ホセ・ラミレス3世 Jose Ramirez III(MC)
区分 category 輸入クラシック オールド
001_joseramirez_03_171
品番 Number 1a MCスタンプ  No.4768
弦長 Scale Length 664mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1971年
表板 Top 杉単板 Ceder
裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
備考 Notes ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.3mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史ある工房にして世界的にも有名なスパニッシュギターブランドのひとつ ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

その後もアマリアを中心に柔軟な商品開発を継続しますが、2000年代以降はむしろ名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルに人気が集中するようになり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに現在も愛奏されています。

〔楽器情報〕
ホセ・ラミレス3世 モデル1A 1971年製作 No.4768 MCスタンプのUsed入荷です。表面板はラミレスの符牒ともいえるウェスタン・レッド・セダー(杉)、横裏板は中南米産ローズウッドで、横板内側はシープレス材となっています。MCはマヌエル・カセレス(1947~)の頭文字。カセレスは1963年にラミレスの工房に入り、当時職工長であったパウリーノ・ベルナベ(1932~2007)のもとで研鑽を積んだ後にほどなくしてマスタークラフツマンに昇格し自身のスタンプで製作を許されます。彼はラミレスから独立して自らの工房を起ち上げた後には自身のモデルのほか名工アルカンヘル・フェルナンデスとの共同作業的な仕事も注目され、数年前に工房を閉鎖し実質引退するまで実に精力的に製作活動を行い、特に2000年代に入ってからはアルカンヘルと並んでマドリッド派を代表する製作家として人気を博しました。

表面板内部構造は1A モデルの基本形を踏襲しており、サウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、そしてそのうち下側のバーの中央で(つまりサウンドホールのちょうど真下のところで)低音側から高音側に向かって下がってゆくように斜めに交差するもう一本のバーを設置。そしてボディ下部は6本の扇状力木がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本を配し、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長いパッチ板が貼られています。レゾナンスはG~G#の間に設定されています。

ラミレス的特性をしっかりと体現しながらも甘すぎず、ほどよい上品さをまとったカセレスらしい仕上がり。高い音圧で箱がたっぷりと鳴り、程よいエコー感と伴いながら非常な迫力で立ち上がってくる濃密な音。実はラミレスの低音は重く太くなり過ぎずに高音との同質な音響設計が構築されているのですが、ここでもむしろ高音のほうが自然に前景化してくるような感覚があり、そのコクのある音のロマンティックな響きはやはり独特の魅力があります。

裏板の下部高音側に10cmほどの割れ補修履歴がありますが見た目では判別できないほどに綺麗に処置されています(内側にはパッチ補強が施されています)。表面板は指板両脇にそれぞれ数か所の2~3mmほどの打痕を部分修正したあとがありますがその他は微細な傷が少々あるのみとなっています。ネック、フレット、糸巻などの演奏性に関わる部分は良好です。ネックはDシェイプの薄めでフラットな形状。糸巻は出荷時オリジナルのFustero 製が装着されています。


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