〔製作家情報〕
1981年生まれ。東京造形大学在学中に学んだ知識を活かし独学でギター製作を始め、卒業後の2003年に某大手楽器店に入社しクラシックギターの修理部門を担当。 そこで10年以上にわたり、数多くの国内外の入門用ギターから銘器までのあらゆる楽器を実地に触れる機会を得た。 その後リペアマンとして従事したその経験をふまえ、少数ながら自身の楽器製作も同時に進め、 やがてそれらの楽器はその作風と完成度の高さに注目した顧客や愛好家が継続的に購入してゆくようになっていった。 楽器店在籍中の2010年より尾野薫氏の工房にて直接指導を受けるようになると共に、 独立して本格的に製作の道を歩むことを決意。 トーレス~マヌエル・ラミレスの系譜を自身の製作の最高の規範と考え、 忠実にその本質に迫ろうとする彼のギターはどれも伝統の響きを如実に感じさせる極めて良質なものである。 現在年間6~8本ほどのペースで製作。 弾きやすく、反応性に優れ、伝統工法ならではの音楽的ニュアンスに満ちた楽器はクラシックのプロギタリストのみならず、様々なジャンルのユーザーに支持を拡げている。
〔楽器情報〕
戦前のスペインギター製作の歴史を語るうえでの最重要人物の一人フランシスコ・シンプリシオ・エルナンデス(1874~1932)による銘器 1929年作 No.241を規範とし、その他の同製作家のモデルも参照、研究を重ねて作り上げた、レプリカとして最高の域に達したと言っても過言ではない見事なギターです。シンプリシオがその意匠的センスと造作の面でまずは同時代のみならずトーレス以後のもっともすぐれた作家であったことを深く認識し、その細部に至る精緻さと全体の気品とのバランスまでも達成しているところは、彼の類まれな造作精度の高さを物語っています。特徴的なヘッドの彫刻は彫刻家の岩野亮介氏がこのギターのためだけに作成した貴重なもの。表面板には特殊なエイジド処理を施した松を使用し外観的なヴィンテージ感を演出するとともに、熟成したギターの味わいともいうべき深く温かみのある音に寄与しています。また横裏板にはこれも良質な中南米産ローズウッドを使用。内部構造はオリジナルのNo.241を忠実になぞり、8本の扇状力木がセンターの一本を境にして高音側に4本、低音側に3本と左右非対称に配置され、それをボトム部で受けとめるクロージングバー、サウンドホール両脇にはさらに各一本の短い力木が配置されています。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。糸巻はGotoh 35G RK(リラモデル)を装着。
〔商品情報〕
楽器名 | 栗山 大輔 Daisuke Kuriyama |
カテゴリ | 国産クラシック 新作 |
品番/モデル | 100号 シンプリシオモデル#74 |
弦 長 | 650mm |
国 | 日本 Japan |
製作年 | 2021年 |
表 板 | 松単板 spruce |
裏 板 | 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood |
程 度※ | 10 |
定 価 | 1,100,000 円 |
販売価格(税込) | 1,045,000 円 |
付属品 | ケース別売 |