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イグナシオ・フレタ1世 Ignacio Fleta I



ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.8mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)により設立され、のちに二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作となる、スペイン、バルセロナの工房。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。


[楽器情報]
イグナシオ・フレタ1世 1959年製 No.156 の入荷です。フレタ一世50年代の貴重な一本であるとともに、彼の特性を十分に感得できるギターです。

表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーで、下側のバーは低音側から高音側に向けてほんのわずかに斜めに下がってゆくように設置されています。そして左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置には駒板幅よりもやや長い範囲であてられたパッチ板、そしてサウンドホール両脇に貼られた補強板(これらは近接する横板の下部に沿うように斜めに設置されています)という構造。レゾナンスはGの少し下での設定となっています。1958年までのフレタは表面板の厚み、扇状力木とクロージングバーの形状などもかなり薄く加工されていましたが、それと比較すると特に扇状力木は本作では9本のうち中央の7本を少し高めの山型に加工されているなどの変化が見られ、レゾナンスの位置も高くなっています(1958年はEの下に設定)。

中低音~低音の厚みのある響きが素晴らしい。高音は比較的細めのすっきりとしたむしろ端正とさえ言える響きですが、十分にロマンティック。うねりを持った野性的な低音との対照がなんとも良く、曲の中でもメロディが渋い佇まいを演出する中で迫力ある低音が前景化してくるような独特パースペクティブがあります。そしてこの時期のフレタならではのタッチとの高いリニアニティもやはり特筆されます。奏者はタッチと音とが(音色の変化という点でも)一体化しているような感覚で演奏することができます。

表面板はこの時期のフレタにしばしば見られる現象ですが、ブリッジのサウンドホール側とボトム側とでやや歪みがあり、割れの修理履歴がいくつかございます。指板両脇、低音側肩部分からくびれ部にかけて、ブリッジプレートのサウンドホール側に数か所とボトム側センター部分にそれぞれ1~数か所の割れ修理履歴があり、それぞれやや厚めのプレートでしっかり補強されています。表面板は過去にゴルペ板を貼りのちに剥離させた形跡があります。表面板全体は再塗装が施されており、現在は傷などは少なめです。横裏板はおそらくオリジナル塗装の状態で、年代考慮すると傷等は少なく良好な状態です。ボトム近くにローズウッドのバールがありその木目に沿ってやや段差がありますが割れには至っておらず、継続しての使用にも問題ありません。ネックは反りもほとんどなく良好です。フレットと指板は1~8フレットで軽微な摩耗が見られますが、演奏性影響はなく継続しての使用に問題はありません。ネック形状もこの時期のフレタ1世の特徴的なコンパクトなグリップ感で、ほとんどCラウンドに近いDシェイプで薄めの加工。弦高は現在値でほぼ標準値ですがサドルに2~3㎜の余剰がありますのでお好みに応してさらに低く設定することも可能です。





〔商品情報〕
楽器名イグナシオ・フレタ1世 Ignacio Fleta I
カテゴリ輸入クラシック オールド
品番/モデル No.156
弦 長660mm
スペイン Spain
製作年1959年
表 板松単板 Spruce
裏 板ローズウッド単板 Indian Rosewood
程 度※6
定 価時価
販売価格(税込)お問い合わせ下さい。
付属品ハードケース


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