[製作家情報] Karel Dedain カレル・デダイン 1976年生まれ。ベルギー、ヘント(Gent)に工房を構える製作家で同国のワルタル・ヴェレートと並んで国際的に評価の高まりを見せる俊秀です。 もともとはグラフィックアートを学んでいましたが20歳のころにフラメンコギターを演奏するようになり、木工が得意だった彼は自分のためにギターを作ろうと思い立ち、同国の製作学校 CMB(Centrum voor Muziekinstrumentenbouw)でワルタル・ヴェレートに師事します。カレル氏曰く「ベルギーにはギター製作の伝統がなく、それが逆に製作を志す者に選択の自由を与えてくれました。つまり自らのヴィジョンを実現するのに国や流派に関係なく、それらを横断しながら自らのスタイルに合うものを研究したのです。そしてまたマテリアルの面でも、様々な国へと製作に必要な木材や治具を探しに行かなければなりませんでした。」このように自らのスタイルを貪欲に追及する中でラティスやダブルトップなどのモダンギターも製作した彼は、やがてその着地点をトーレス、アリアス、ガルシア、シンプリシオ、そしてマヌエル・ラミレス工房などのスペインの名工たちによるギターに定めてゆきます。現在はそれらの精緻なレプリカモデル及び ‛Inspired’(つまり自らの創意を加えて再構築した)モデル、そして自身のオリジナルモデルを製作しています。その繊細極まりない造作とオリジナルのエッセンスを忠実に再現する稀有な完成と技術、極めて高い演奏性、完璧な音響性などは師のヴェレートにも比肩しうるクオリティを有し、高い評価を獲得してゆきます。
1985年にはフランスのカストレで開催された’Concours International des Facteurs de Guitare’において「芸術性」で1位、「音響」で2位を獲得し、これをきっかけにイタリアの新しい世代を担う製作家として世に認められるようになります。1989年には彼のオリジナルとして最重要モデルとなる “Coclea”を発表。極めて緻密な幾何学的、数学的なアプローチと伝統的な工法、そして彼の音楽芸術への深い造詣と嗜好が融合したものとしてイタリアのみならず現代のギターの中でも非常に特殊な位置づけがされているモデルとなっています。さらに飽くなき探求を続ける彼はその後アントニオ・デ・トーレス(1817~1892)の最晩年のギターにおける工法上の秘密をやはり科学的なアプローチを経て突きとめ、その研究をもとにまたしても非常に個性的なモデル“Thucea”を作り上げます。表面板の中央にヨーロピアンスプルース、その両外側にウェスタンレッドシダーという比重の異なる木材を合わせた4ピース仕様は響板としての振動効率を最大限に上げ、発音と遠達性の両方で未聞の成果を上げたものとなりました。また彼のもう一つの重要なラインナップとして、敬愛する偉大な先人達へのOmaggio(オマージュ)シリーズがあり、エンリケ・ガルシア、フランシスコ・シンプリシオそしてロベール・ブーシェのモデルが発表されており、そのレプリカとしての枠を超えた極めて高い完成度ゆえ、ギターファンからは垂涎のマストアイテムとなっています。
[楽器情報] アンドレア・タッキ 2021年製作 「オマージュ」シリーズ最新作、限定モデルです。 ラベルには“Omaggio alla scuola Spagnol”と記されており、これは彼が心から敬愛してやまないトーレス、ヴィセンテ・アリアス、エンリケ・ガルシア、フランシスコ・シンプリシオ、マヌエル・ラミレス、サントス・エルナンデス、ドミンゴ・エステソ、モデスト・ボレゲーロ、ホセ・ラミレス等々、スペインの名工たちへの文字通りのオマージュであり、それらの偉大な名前の最後に自らを置く彼の深い矜持と覚悟、そして彼の音楽とギターへの愛情そのものの表明として作られたモデルであることを示しています。表面板は彼の“Thucea”モデルを想起させる4ピース仕様で裏板はシープレスの3ピース仕様。美しいプロポーションを持ったやや小ぶりなボディはアリアスのギターを参考にしたとのこと。糸巻はタッキ氏自身の監修によるAllesiの特注モデルで古雅な様式を追求しており、特徴的なロゼッタは伝統的なエジプト文様とトーレスの意匠から想を得たもの、そして目を奪われるようなセラックの深みのある艶やかな仕上げにより、全体に比類のない気品を漂わせています。
1985年にはフランスのカストレで開催された’Concours International des Facteurs de Guitare’において「芸術性」で1位、「音響」で2位を獲得し、これをきっかけにイタリアの新しい世代を担う製作家として世に認められるようになります。1989年には彼のオリジナルとして最重要モデルとなる “Coclea”を発表。極めて緻密な幾何学的、数学的なアプローチと伝統的な工法、そして彼の音楽芸術への深い造詣と嗜好が融合したものとしてイタリアのみならず現代のギターの中でも非常に特殊な位置づけがされているモデルとなっています。さらに飽くなき探求を続ける彼はその後アントニオ・デ・トーレス(1817~1892)の最晩年のギターにおける工法上の秘密をやはり科学的なアプローチを経て突きとめ、その研究をもとにまたしても非常に個性的なモデル“Thucea”を作り上げます。表面板の中央にヨーロピアンスプルース、その両外側にウェスタンレッドシダーという比重の異なる木材を合わせた4ピース仕様は響板としての振動効率を最大限に上げ、発音と遠達性の両方で未聞の成果を上げたものとなりました。また彼のもう一つの重要なラインナップとして、敬愛する偉大な先人達へのOmaggio(オマージュ)シリーズがあり、エンリケ・ガルシア、フランシスコ・シンプリシオそしてロベール・ブーシェのモデルが発表されており、そのレプリカとしての枠を超えた極めて高い完成度ゆえ、ギターファンからは垂涎のマストアイテムとなっています。
[楽器情報] アンドレア・タッキ 製作 Omaggio A Robert Bouchet 2022年新作入荷です。 「ロベール・ブーシェへのオマージュ」という名を冠された本作は文字通りこの稀代の名工への深い敬意とともに、タッキ氏自身の芸術的感性と工作技能の全てを注ぎ込んだような濃密な一本に仕上がっています。